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- 「当てて終わり」と「フィニッシュまで振り切る」 アマチュアはどっちのインパクトが正解?
「スイングはフィニッシュまで振り切るように」といわれる反面、「インパクトで当てて終わり」というフィニッシュ不要論もあります。矛盾する2つのインパクトに対する考え方は、なぜ起こるのでしょうか。8万人のゴルファーにアドバイスした経験を持つ筒康博コーチに話を聞きました。
ボールがフェースに当たっている瞬間は「1万分の5秒」
「ゼクシオ」や「スリクソン」でおなじみのダンロップスポーツのシミュレーション技術「デジタルインパクト」によると、ゴルフボールがクラブフェースに当たっているインパクトの瞬間はわずか「1万分の5秒」だそうです。
こんなに短い「インパクトの瞬間」の中で、ヘッド挙動とフェース向きによって飛距離や方向性が決まってしまう事実を目の当たりにすると「毎回必ず250ヤードのストレートボールを打ちたい」とは思えなくなってしまいます。
物理の世界なら、ゴルフスイングは「インパクトさえ狙った通りならほかはどうでもよい」のが正解かも知れません。
事実、絶好調ゴルファーほど細かいフォームを考えず「インパクトだけが重要」といった発言やアドバイスを行う傾向があります。
しかし一方で、「カッコいいフィニッシュ」に憧れたり「フィニッシュまで振り切るように」といったレッスンもたくさんあります。アマチュアにとって、結局どちらを身につけるべきなのでしょうか。
フィニッシュはカーナビの「目的地の入力」と同じ!?
フィニッシュは「振り切って持っていく」ものではなく、カーナビの「目的地を入力」のように予め設定しておくものだと考えています。
スイングを「目的地へのドライブ」と考えれば、「どんな道路を通るか」と同じようにスイング軌道が決めやすくなります。
インパクトを「ドライブ中の通過地点」と考えれば、ボールに当てる意識やリズムやテンポのよいスイングの感覚がつかみやすいと考えています。
フルスイングはもちろん、中途半端な振り幅のショットやパッティングで「○○ヤード打つフィニッシュ」という入力は重要です。素振りやイメージで先にフィニッシュを作っておくと、「インパクトスピードはこれぐらい必要」や「バックスイングの大きさはこれぐらい」など、スイングの全体像も作りやすくなります。
トーナメント動画を観ても、インパクトだけをチェックする素振りやルーティンを行っている選手はほとんどいません。フルショットに限らずアプローチやパッティングでもインパクト以降、「目的地」であるフィニッシュまでのルートをチェックしている仕草を多く見かけるはずです。
「インパクトした瞬間に手を離す」というプロの仕草は、先に入力していた「目的地」に向かっている通過点で「違う!」と感じて反射的に行なっているものです。これは、フィニッシュを決めたことで、よりインパクトを感じることができているから可能なのです。
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