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- ジャンボ尾崎の気持ちがどこまで通じるか!? 決して簡単にはいかないジュニア育成事情とは?
今年で7回目を迎えた「ジャンボ尾崎ゴルフアカデミーセレクションsupported by ISPS HANDA」が、2月3、4日に開催された。男子10人、女子9人の計19人が参加。結果は非公表となっている。
否めない受験生のレベル低下
ゴルフ界のレジェンド・尾崎将司が主宰する「ジャンボ尾崎ゴルフアカデミーセレクションsupported by ISPS HANDA」。7回目を迎えた今年も19人の中学生から高校生までの男女が参加した。
審査方法は今年もシンプルだった。参加ジュニアが行うメニューはドライバーショット、アイアン(男子は5番、女子は7番)ショット、アプローチ(30ヤードと80ヤード)、ジャンボ特製の羽根つき素振り棒でのスイングだけだ。
シンプルといっても、そこはジャンボなりの狙いがある。ドライバーショットはパワーを、アイアンショットはスイングの完成度を、アプローチはフィーリングを、素振りは「振る力」をチェックしている。その中でもジャンボの目がひと際光るのが素振りだ。
「ドライシューティングが目的なんだけど、ボールがあるとどうしても人間はそこに意識が入ってしまう。逆にボールがないと、自分で『ある程度こういうスイングをしたいな』というのができる。素振りの重要性はそこにあるんだよ」
ちなみに、普通にスイングした後、マン振りでの連続5回素振りをチェックするが、それは瞬発力を見るためだという。
ジャンボチェックを突破したジュニアが何人いたかは非公開だが、「はっきりいって少しずつレベルが下がってきている。A、B、Cのランクでいえば、Bクラスの子が多いんだよね。今は男女ともにパワーの時代だから、男子は300ヤード、女子は250ヤード欲しいけど、今回の該当者は2、3人だったかな」と総評は手厳しい。
もちろん、そのレベルに達しないジュニアでも合格する可能性は十分ある。「頑張ってAクラスになりたいという目的を持っていればいい」からだ。ただ、実際にはジャンボとジュニアの思いが合致していない現実がある。
明確な目的、目標を持たない選手は大成しない
そもそもなぜジャンボがジュニアの育成に乗り出したかといえば、恵まれた練習環境を提供することで、日本のゴルフ界を盛り上げるような素材を育て上げたい気持ちがあったからだ。
ゴルフをスポーツとして極めるには、土台となる体づくりは必須となる。小手先の技術を身につけても、体力がなければツアープロとして長続きしないことを熟知しているだけに、その点に関して妥協する気持ちは一切ない。当然のように芽を出して花を咲かせるにはある程度の時間を要する。
ところが、ジュニアにしてみれば1日でも早く結果を出したい気持ちが強い。ジャンボに教われば、アカデミーに合格できれば、勝手に道が開けると考えるジュニアや保護者が多いのだ。しかも、合格してもそれほどアカデミーに通うわけではない。
「遠いところからくることもあって、週に1回か2週に1回ぐらいかな。数多く来てくれれば、自分たちの課題も見えてくるが、月に1回では難しいよ」とジャンボ。
しかも、練習にくれば下半身を中心としたハードな筋力トレーニングや、ゴルフの基礎力を鍛える練習がメインとなる。ボールを打つことが練習だと思っているジュニアにしてみれば、ジャンボの狙いを理解できないまま、フェードアウトしていくケースも少なくない。
まさに、“親の心子知らず”といったところだが、継続して通うことにより、力をつけた選手もいる。今年のツアー前半戦の出場権を得た小林夢果がいい例だ。
アカデミー生ではなかったが、原英莉花にしてもジュニア時代は毎週のようにジャンボ邸に通い、長期休暇のときは合宿もしていた。その際はトレーニングや地味な基礎練習を黙々とこなしていたと原自身が語っていた。
「やっぱり続けられる人間というのは、自分に対してはっきりとした目的や目標がないとね」とジャンボが語るように、どれだけ覚悟を持って練習に取り組むかが大切なのは確かだし、合格したジュニアにはそうあることを望みたい。
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