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- 「靴」「クラブ」「枯葉」「携帯電話」の中でルール違反はどれ!? ボールマーカーは何をどう置くのが正しい?
グリーンオンしたら、たいていの人がマークしてボールを拾い上げますが、あまり深く考えず何気なく行っている場合が多いのでは? ルール上、ボールマーカーにはどのような規定があるのでしょうか。
マーカーが地面から離れなければ回転は可能
先週開催のPGAツアー競技「バルスパー選手権」で、2日目までトップタイに位置したケヴィン・ストリールマン(45歳、ツアー通算2勝)。間もなくシニアツアー入りする大ベテランの健闘にメディアは注目。そのなかで彼が使用するちょっとユニークなボールマーカーにもスポットライトが当てられました。

ストリールマンが、好調だったパッティングの一因と明かしたボールマーカー。形状はゴルフ場の備品のボールマーカーのように、裏に鋲(スパイク)が付いています。ただし、金属製でポーカーチップほどの大きさ。表面にはアライメントで利用する直線のラインが引かれており、裏面のスパイクの長さは1インチ(約2.5センチ)もあって、地中深くに刺さる構造になっています。
ストリールマンはこのスパイクを最後まで押し込まず、やや浮かせた状態でマーク。そして、拾い上げたボールをリプレースする前に、そのアライメントラインをパッティングのラインに合わせます(スパイクを軸に回転させる)。こうすることで、彼はボールのアライメントをスムーズに行えるというのです(ボールマーカーのアライメントラインに、ボールのアライメントラインを合わせているようです)。
同じプロセスを通常のボールマーカーで行う場合は、マーカーをグリーンから離す=動かすことになりますから、そのときは先にボールをリプレースしなければなりません。
ストリールマンのボールマーカーはスパイクで位置が固定されていますから、無罰で回転することができるのです。ルールに反していないことは、全米ゴルフ協会(USGA)に確認済みとのことです。今後、このボールマーカーに興味を示すプレーヤーは現れるのでしょうか。ちょっと注目です。
ボールマーカーの定義は「人工物」 大きさは明示されていない
ところで、ルール上、ボールマーカーにはどのような規定があるのでしょう。
まず、ルールブックの「定義」には「拾い上げる球の箇所をマークするために使用する人工物(例えば、ティー、コイン、ボールマーカーとして作られた物や別の小さい用具)」とだけ書かれています。
つまり、ボールマーカーの要件は「マークに使う人工物」ということ。その後に「例えば」と挙げられるのは例示であり、規定ではありません。
ですから、USGAがSNSなどにリリースするルール動画では、自然物の枯葉でマークすることはできませんが、プレーヤーが脱いだシューズや帽子、グローブ、携帯電話、タオルといった「用具」もボールマーカーとして使用できると紹介されています。
実際に、1970年代を中心に欧州ツアー(現・DPワールドツアー)で通算9勝を挙げたブライアン・バーンズには、缶ビールを飲みながらラウンドしたときに、その缶をボールマーカーとして使ったというエピソードがあります。
ただし、こうした大きなモノは、ボールをリプレースする際に、正確に元の位置に戻すことが難しくなるので、USGAは推奨しないと語られています。例えば、グローブの親指の先でマークしたのに、リプレースは人差し指の先に行った、といったミスが起きがちというのです。
もちろん、こうしたモノは同伴プレーヤーの目障りになるといった、マナー上からも勧められません。
また、ルールブックでは「マーク」は次のように「定義」されています。
「次のいずれかの方法によって止まっている球の箇所を示すこと。
・ボールマーカーを球の直後、または球のすぐ近くに置くこと。
・クラブを球の直後、または球のすぐ近くの地面の上に留めておくこと」
ですから、例えばパッティングのアドレス後、ボールの汚れが気になったときはボールマーカーを使わず、パターのヘッドの先をボールのすぐ脇にセットし、固定しながらボールを拾い上げてさっと拭くことも可能なのです。
なお、先に挙げたシューズですが、脱げばボールマーカーになりますが、履いたまま、ツマ先をボールの位置に合わせて「マーク」とすることはできません。
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