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- 大切な仲間を悼んで「喪章」をつける… 女子ツアーの“一体感““団結力“にゴルフファンは強く惹かれる?
ゴルフは個人競技ですが、選手たちはチーム一丸となって戦っています。なかでも女子ツアーの団結力を感じた出来事がありました。
女子ツアーがプロキャディーの死を悼んで喪章をつけた
4月12〜14日に開催された女子プロゴルフトーナメント「KKT杯バンテリンレディスオープン」をインターネット配信で視聴していたら、選手とキャディーが喪章をつけていました。
誰が亡くなったのだろうと思って調べたところ、プロキャディーの渋谷一英さんが4月6日に42歳の若さで亡くなったそうです。筆者は渋谷さんと親しく話したことはありませんが、女子ツアーの会場に取材に行くと、いつも必ずいらっしゃいました。
プロキャディーは1年を通して1人の選手に帯同する人もいれば、試合ごとに異なる選手に帯同する人もいます。渋谷さんは李知姫選手や穴井詩選手とコンビを組んでいることが多かった印象があります。
選手は賞金シードを持っていれば一部の試合を除く全試合の出場権がありますが、その資格を有しているのは前年度のメルセデスランキング上位50位までです。一方で、各試合の出場人数は「KKT杯バンテリンレディスオープン」なら108人、「ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ」なら120人、「アース・モンダミンカップ」なら142人(昨年実績)と試合ごとに変わります。
選手は試合ごとに入れ替わりますが、プロキャディーは毎週キャディーバッグを担ぎたいですから、空き週があれば積極的に営業活動を行います。そうすると結果的に選手よりも多くの時間を試合会場で過ごす人もいます。いや、むしろ、プロキャディーのほうが開幕戦から最終戦まで全38試合すべて試合会場にいる人が多いかもしれません。
女子ツアーは3月に開幕すると沖縄県→高知県→鹿児島県→宮崎県→静岡県→埼玉県→熊本県→静岡県→千葉県→茨城県→福岡県→千葉県→兵庫県→新潟県→兵庫県→千葉県→千葉県→神奈川県→北海道と7月第1週までに19連戦します。
試合会場は日本全国あちこち変わりますが、選手たちを支えるプロキャディー、大会運営を担うJLPGA(日本女子プロゴルフ協会)のスタッフ、プレスルームの運営スタッフの顔ぶれはほとんど変わりません。
選手はツアーデビューして5年もすれば中堅と呼ばれ、10年経てばベテラン扱いされますが、プロキャディーやスタッフは20年以上ツアーに帯同している人もいます。ツアーを一緒に盛り上げてきた大切な仲間を失ったという思いがあるのでしょう。
ゴルフは個人競技だが選手たちはチームで戦っている
ゴルフは個人競技ですが、ツアー会場に行くとプロキャディーは選手と一緒にロープの内側で戦っており、マネジャー、家族、テクニカルコーチ、フィジカルトレーナー、メンタルトレーナーなどもロープの外側で見守っています。「個人競技だけどチームで戦っているんだな」と感じます。
実際にPGAツアー(米国男子ゴルフツアー)の選手たちは優勝スピーチで「私のチームスタッフ全員に感謝したい」とコメントすることがあります。海外ですとチームスタッフ全員でプライベートジェットに乗ってツアーを転戦していますから、チームとしての一体感がさらに高まるのかもしれません。
女子ツアーは20年ほど前まで個人競技の色合いが強かったですが、宮里藍選手の2003年のアマチュア優勝とプロ転向後の活躍によって人気スポーツとなり、人気選手を支えるスタッフが増え、チーム編成を組むようになりました。
プロキャディーもかつては男子ツアーをメインに活動し、空き週に女子ツアーで担ぐのが主流でしたが、今は女子ツアーをメインにしている人が圧倒的に多くなりました。
女子ツアーは仲間に何かあったときに一致団結して行動を起こす一体感があるのに対し、男子ツアーは個人個人がバラバラに行動しているようにも見えるのが、もしかしたらゴルフファンの興味・関心にも影響を与えているのかもしれないと感じた出来事でした。
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