- ゴルフのニュース|総合ゴルフ情報サイト
- 記事一覧
- コラム
- 「女子プロと男性アマは飛距離が近いから参考になる」は過去の話… 自分のプレーに生かせるポイントはあるの?
「女子ツアープロは、ドライバーやアイアンの飛距離が一般的な男性アマチュアゴルファーと同じくらい」と言われていた時代もありますが、このような言説は過去のものになってきたと感じます。
男子ツアーだけでなく女子ツアーもアマチュアの参考にならなくなってきた
近年は女子ツアーがインターネット配信に積極的に取り組み、男子ツアーは遅れを取っていたので、女子ツアーを視聴することが多くなっていました。
しかしながら男子ツアーもインターネット配信で4日間とも視聴できる試合が増えてきたので、男子ツアーと女子ツアーが同時に観られるときは、なるべく両方チェックするようにしています。
5月第3週の男子ツアー「関西オープンゴルフ選手権競技」と女子ツアー「ブリヂストンレディスオープン」を観戦中に、感じたことがありました。
男子ツアーは昨年の賞金王・中島啓太選手と賞金ランキング3位の金谷拓実選手が「全米プロゴルフ選手権」出場で不在の中、どんな戦いが繰り広げられるのか注目していました。若手、中堅、ベテランが大混戦になった後、プロ10年目の幡地隆寛選手が終盤に抜け出し、国内ツアー初優勝を掴み取りました。
男子ツアーを見ていて感じたのは、ドライバーとアイアンの飛距離がすごすぎて、もはやアマチュアのゴルフとはまったく別の競技だということです。300ヤードを超えるパー4をドライバーで1オンさせたり、ドライバーではオーバーするのでフェアウェイウッドやユーティリティでティーショットを打つ姿を見て、「こんなのマネできないよ」と感心するばかりでした。
PGAツアー(米国男子ツアー)を見ていると、ドライバーを300ヤード飛ばすのはもはやツアーで戦うための必須条件。そこからアイアンの精度、アプローチの技術、パッティングの読みと正確性を磨いていく、総合格闘技のようなスポーツになっている印象を受けました。国内男子ツアーも飛距離だけでなく総合力を磨き、世界に通用する選手の育成に力を入れています。
一方、女子ツアーは「ドライバーやアイアンの飛距離が一般的な男性アマチュアゴルファーと同じくらいなので、参考になるのは女子ツアー」といわれてきましたが、そのレベルを超越している選手が増えた印象がありました。
特に「ブリヂストンレディスオープン」で今季3勝目を挙げた竹田麗央選手は、同組の山下美夢有選手、河本結選手と比べてドライバーショットが明らかに飛んでいました。今シーズンのドライビングディスタンスの記録を見ると、平均飛距離261.45ヤードで1位につけています(5月26日現在)。
一般的な男性アマチュアゴルファーで、ドライバーでいい当たりが出ると260ヤード以上飛ぶ人はいますが、平均で260ヤード飛ぶ人はほとんど見かけません。いるとしたらジュニア時代からゴルフをしている人か、他のスポーツで全国大会を目指すレベルで競技に取り組んだことがある人くらいです。
大したスポーツ歴もない人が大人になってからゴルフを始め、コンスタントに260ヤード飛ばすのは至難の業です。飛ばせてもせいぜい230〜240ヤード前後でしょう。その飛距離で戦っている選手もいますから、そういう意味では参考になる部分もありますが、ショットの精度が違いすぎてマネできません。
バーディーを狙うゴルフとパーを狙うゴルフはコースマネジメントも違う
飛距離だけでなく、コースマネジメントもプロとアマチュアではまったく違います。バンカーを越えてすぐのところにピンが切ってあるホールロケーションで、「これはさすがに花道方向ですか?」とアナウンサーが解説者に確認すると、「いや、ピンを狙うんじゃないですか」と返します。すると、プロは解説者が言った通りスピンの利いたボールでピンそばに止めてきます。
優勝争いしている選手たちは常に「バーディーを取るにはどうしたらいいか」を考えており、パーでしのぐのは次善の策です。
アマチュアにとってバーディーは「狙って取る」というよりも「偶然いいショットが打てたときのごほうび」のようなもので、それ以外はパーをどれだけ積み重ねていけるかを念頭に置いています。
バーディーを狙うゴルフと狙わないゴルフは、ティーショットやセカンドショットで意識することが変わります。そのあたりも参考になる部分とならない部分があるような気がしました。
プロとアマチュアでは練習量が圧倒的に違うので、プロの試合は手に汗を握りながら視聴し、自分自身のラウンドは手に汗を握らない安全なショットを選択していくのが一番だと改めて感じました。
最新の記事
pick up
ranking