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- “元世界No.1の22歳”タイ選手のショットが同伴者の球にヒット! カメラマンに「今の見た!?」のルール上重要なワケとは?
竹田麗央が優勝した米女子ツアー「ブルーベイLPGA」。ジーノ・ティティクンのティーショットが同伴プレーヤーのボールにコツンと当たる珍事がありました。この場合のルール処置は?
当てられたボールはリプレース、当たったボールはあるがまま
竹田麗央が優勝した米女子ツアー競技「ブルーベイLPGA」の第2ラウンド、16番パー3でのこと。ジーノ・ティティクン(活字メディアではティティクルと表記されることが多いですが、タイ語の発音はティティクンもしくはティティクーンが近いです。WOWOWの中継でもそう発音しています)のティーショットがグリーンのピン手前に着弾したあと、ピン方向に向かって跳ねたところで、先にグリーンオンしていたセリーヌ・ブティエのボールにヒットするハプニングがありました。

現在世界ランキング2位のティティクンは、この大会の第1・第2ラウンドを同11位のブティエと同4位のイン・ルオニンという豪華な組み合わせでプレーしました。彼女たちはツアーが設定した注目組(フィーチャードグループ)で、中継カメラが帯同。ティティクンのこの一打も中継カメラがしっかりとらえており、その映像はツアーの公式インスタグラムに動画でシェアされています。
その動画では、グリーンに到着したティティクンが画面に大きく表れ、カメラマンに「私のボールが彼女のボールに当たったのを見た?」と尋ねています。
尋ねた理由は、「当たったことを確認するため」ではなく、当てられ動いたブティエのボールの元の箇所を知りたかった(証言を求めていた)からと思われます。
というのも、規則9.6「外的影響(他の球を含む)がプレーヤーの止まっている球を動かしたことが“わかっている、または事実上確実な場合”」の規定で、動かされたボールは「元の箇所にリプレースしなければならない(分からない場合は推定しなければならない)」と定められているからです。
ショットの精度が高いプレーヤーたちが集まるツアートーナメントでは“ボールヒット”はしばしば見られます。そのとき選手たちは、多くの場合、近くにいるオフィシャルやギャラリーに、「動かされたボールはどの辺にあった?」と尋ね、元の場所を推定しています。
ここでは、ティティクンはカメラマンにブティエの元の箇所を尋ねたのでしょう。
先のインスタでは、ティティクンの質問に対し、ツアー側は「安心して。私たちが見ていたから」と答えています。恐らくこの後は、中継映像をモニターしていたオフィシャルなどが、ブティエの元の箇所を伝え、リプレースしたと思われます。
一方のティティクンのボールは、規則11.1「動いている球が偶然に人や外的影響に当たる」の規定で、あるがまま。無罰で、止まったところから次のプレーをすることになりました。
ボールに当たったのが幸いし、ホールインワン達成!
前述したように、ツアー競技ではプレーヤーが放った一打が他のボールに当たるシーンはしばしば見られます。
今回と同じ、パー3のティーショットが他のボールにヒットした例で有名なのが、2016年マスターズの最終日、16番ホールで見られたルイ・ウーストハイゼンの一打です。
彼のティーショットはピン右奥に着弾したあと、バックスピンでするするとカップに向かって転がってきました。
その動きにパトロンたちが大歓声を上げるなか、ボールはピンそば、カップの手前1メートルほどに止まっていたJ・B・ホームズのボールにコツンとヒット。転がる向きが少し変わったことが幸いし、ウーストハイゼンのボールは勢いを止めることなく、そのままカップイン!
もちろん、このボールもあるがまま。よって、めでたく“ホールインワン達成”となりました。
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