なぜゴルフボールにはデコボコがあるのか?デザインではない秘密とは

ゴルフボールの表面には小さなデコボコがありますが、「何のためにあるのかな?」と疑問に思ったことはありませんか。実はただのデザインではなく、とても重要な意味があるのです。ゴルフボールの特性を知ることで、自分に合ったボール選びにも役立つかもしれません。

なぜゴルフボールにはデコボコがあるのか?

 ゴルフボールの表面には小さなデコボコがありますが、これは「ディンプル」と呼ばれています。ゴルフボールによって「ディンプル」の数や形状は異なりますが、ただの飾りではありません。

 ゴルフ用品メーカーの本間ゴルフの担当者に聞いてみたところ、「ディンプルは数と配置によって飛距離に影響してきます。そのため弊社でも、独自のディンプル数と配置が存在し、 飛距離性能やショートゲームでのスピン性能、更にコントロール性能を高くする工夫をしています」というように、ゴルフボールの機能面で重要な役割を果たしているのです。

ゴルフボールイメージ 写真:Shutter Stock

 まず「ディンプル」の一番大きな効果として、飛距離が伸びるということがあげられます。そもそも昔のゴルフボールは、デコボコのない形状だったといわれています。それがある時から、使い古したボールの方が良く飛ぶという現象が知られるようになり、その要因が「ボール表面の傷」にあると判明したのです。

 そこからより飛距離を伸ばせるよう試行錯誤を繰り返し、今の「ディンプル」と呼ばれる形状が生まれたといわれています。

 ではなぜ「ディンプル」があると飛距離が伸びるのでしょうか。「ディンプル」には空気の流れを整えて、「揚力」によってボールを高く遠くに飛ばす効果があります。この「ディンプル」の有無で飛距離は実に1.5倍から2倍程度も変わってくるといいます。

 そしてもう一つの効果が、ボールの軌道を安定させるというものです。飛んでいるボールの後ろには「空気の渦」が発生し、これが軌道を乱す原因だといわれています。「ディンプル」はこの「空気の渦」を減少させるため、ボールの軌道を安定させる効果があるのです。

 また、最近のゴルフボールでは、弾道をコントロールするためにも「ディンプル」が活用されており、例えば同じメーカーでも、「低弾道タイプ」と「高弾道タイプ」で「ディンプル」の形状を変えている場合が多くなっています。

ゴルフボールの選び方とは

 ゴルフボールはとても種類が多く、どうやって自分に合ったものを選べば良いのかわからないという人も多いかもしれません。ゴルフボールの選び方で重要なポイントを知っておきましょう。

 まず基本的な知識として、ゴルフボールは素材や内部構造によって、特性や価格が変わってくるものだという点は理解しておきたいところです。

 ゴルフボールの表面部分を「カバー」といいますが、この内部に「コア」と呼ばれる芯が入っている多層構造になっています。この層が何層あるかで、「2ピース」、「3ピース」、「4ピース」と呼ばれます。

 一般的に、多層構造になるほどボールに多くの特性を持たせることができますが、価格も比例して高くなる傾向にあります。

 そしてゴルフボールは、性能面での特性から大きく2つのタイプに分かれます。

 まず、「スピン系」とよばれるタイプです。カバーが軟らかめになっていて、主にアイアンショット時に多くのバックスピンをかけることを主眼においた設計がなされています。

 もうひとつが「ディスタンス系」と呼ばれるタイプで、こちらは飛距離性能を重視した設計となっています。カバーが硬めでスピン量が少なくなるように作られているため、一般的には曲がりづらいボールだといわれてます。

ゴルフボールイメージ 写真:Shutter Stock

 プロコーチとして多くのトッププロへのコーチングを行っている石井 忍プロに「スピン系」と「ディスタンス系」の違いをお聞きしたところ、「車に例えると、シフトチェンジなどいろいろな操作が必要になるマニュアル車と、操作がシンプルなオートマ車というイメージかな」というコメントをいただきました。

 球筋が安定していない人には向いていないと言われるスピン系のボールについては、「確かにスピンの軸が傾くことで“曲がり”が発生するので、スピンがかかると曲がりやすいと言えるかもしれないが、プロの目から見たら『(スピンが)かかりやすいのではなく、かけやすい』ということ。スピンを効かせてボールを止めたり、スピン量を抑えて距離を出したりなど持っている技術に合わせて選択肢が増える、いろんなことができるという意味で上級者向きなのかも」(石井プロ)とのこと。

「ウェッジでスピンをかけるのはスピン系じゃないと難しい」(石井プロ)ということなので、グリーン周りのショートゲームを重視する人には、レベルを問わず検討する価値があるのではないでしょうか。

 一方、「ディスタンス系のボールはスピンをかけにくいため、上級者の中には『プレーの幅が狭くなる』とネガティブに考える方がいるかもしれません。

 しかし、まっすぐ飛ばすことにフォーカスして余計なことを考えずにすむという点においては、プレーがシンプルになるというメリットもある」(石井プロ)というように、ディスタンス系のボールは、ドライバーが苦手だったり、スライスが出やすい人におすすめできるタイプです。初心者のゴルファーは、まずこちらのタイプから試してみるといいかもしれません。

 そのほか、自分に合ったゴルフボールを選ぶ時に大切なことが、自分の「ヘッドスピード」に合ったゴルフボールを選ぶことです。「ヘッドスピード」が適切でないとゴルフボールの「つぶれ方」がいびつになるため本来の性能を発揮できず、飛距離が落ちてしまったり、球筋に悪影響を及ぼしてしまったりしてしまいます。

 ゴルフボールのパッケージには適合する「ヘッドスピード」が記載されているので必ずチェックするようにしましょう。

 また、自分の球筋に合ったタイプを選択することも重要です。球筋は大きく分けると「スライス系」と「フック系」の2つになると思いますが、自分の球筋に合うタイプを選ぶことで、曲がり方を少なくできる場合もあります。

 一般的に「スライス系」はスピン量が多い傾向にあるのでそれを抑える「ディスタンス系」、「フック系」はスピン量が少ない傾向なので「スピン系」を選択すると良いといわれています。タイプの選択を間違えると自分の球筋の「癖」を強くすることになりかねないので注意が必要です。

※ ※ ※

 ゴルフボールの凹凸に飛距離を伸ばす効果があったとは知らなかった人も多いかも知れません。この「ディンプル」と呼ばれる凹凸はゴルフボールの種類によって様々な形状をしていますが、いずれも飛距離や弾道に大きな影響を及ぼしています。

 ゴルフボールの特性をしっかりと知ることで、自分にあったものを選ぶことができるのではないでしょうか。

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