プロはいまだにピンを抜いてパットしているのはどうして?

2019年のルール改正後、ほとんどのアマチュアゴルファーはピンを挿したままパッティングするようになり、今ではすっかり慣れたと思います。しかし、プロの試合を観戦すると、まだまだ多くのプロがピンを抜いてパッティングを行っています。

2018年までアマチュアゴルファーもピンを抜いていた

 コロナ禍でゴルフを始めた人は、グリーン上ではピンを立てたままパットを打つものだと思っているはずです。コロナ前からゴルフをしている人も、2019年の新ルール施行以前はプロもアマチュアもピンを抜いていたのですが、そのころの記憶はすでに遠い昔のこととして頭の中から消え失せています。

ピンを抜いてウィニングパットを決めたZOZOの松山英樹 写真:Getty Images

 かつてはピンを立てたままパットを打ってピンに当たると2罰打でしたから、必ずピンを抜いていました。全員がグリーンオンした後、カップまでの距離が一番近い人がピンを抜き、各自のボール位置を確認しながら誰のパットにも邪魔にならない場所にピンを置くのがマナーの一つでした。

 ボールとカップの距離が遠くてカップが見えない人がいる場合は、キャディや同伴競技者がピンに付き添い、ボールを打ち終えたと同時にピンを抜くということもしていました。3年ほど前まですべてのゴルファーが経験していた行為ですが、やらなくなると本当に忘れるものです。

 先日、5年ぶりにゴルフを再開した方と一緒にラウンドしましたが、グリーンに上がるたびにピンを抜いていたので、「2019年からピンを立てたままパットを打ってもいいルールになったんですよ」とお伝えしたところ、目をパチクリしながら驚いていました。

 しばらく戸惑いながらパットを打っていましたが、3ホールほどプレーすると「ようやく慣れてきました」と笑顔を浮かべました。ピンを抜いた状態でもピンを立てた状態でもカップの大きさ自体は変わらないのですが、最初のうちはカップが小さくなったように感じるものです。

 ルール改定の際はピンを抜いたときと、ピンを立てたままのときで、どちらがカップインの確率が高いのかが各所で検証されました。

 ピンを立てたままのほうがカップインの確率が高くなるという見解が優勢でしたが、ある一定の状況ではピンを抜いたほうがカップインしやすいという意見もありました。明確な結論は出ないまま、一般営業のゴルフ場ではプレー時間短縮のためピンを立てたままパットを打つことが推奨されるようになりました。

ピンを抜いたほうが不確定要素を排除できる

 ただ、プロゴルファーは今でもピンを抜いてパットを打つ選手がけっこういます。ZOZOチャンピオンシップでPGAツアー7勝目を挙げた松山英樹は、最終日6番パー5のイーグルパットと18番パー5のイーグルパットをいずれもピンを抜いた状態でねじ込みました。

ピンを挿したままパットする西郷真央。女子プロはピンを抜かない選手も多い 写真:Getty Images

 プロゴルファーも新ルール施行直後はピンを立てたままパットを打つ選手が多かった気がしますが、時間が経つにつれてショートパットだけピンを抜いたり、あらゆる場面でピンを抜いたりする選手が増えてきました。

 選手たちがピンを抜いてパットを打つのはいくつかの理由があります。よく聞く理由としては、風でピンが揺れてボールの入口側が狭くなったとき、ピンにはじかれてカップインを逃す可能性があるとか、ピンが揺れたときの影の動きが気になるという声もあります。

 また、ピンの素材が硬いとボールが当たったときにはじかれやすいので、試合によってピンを抜くかどうかを決める選手もいると聞きます。プロゴルファーはわずか1打で順位や賞金が大きく変わりますから、慎重になるのも当然です。

 結局のところ、ピンに当たったことで入るパットがあるかもしれないけど、ピンに当たったことで入らないパットもあるかもしれないので、総合的に判断してピンを抜くという選択に至っているのでしょう。

 アマチュアのラウンドでもピンの揺れが気になったり、ピンの素材が硬かったりすることはあります。それによってカップインの確率が多少変わるケースもあるのでしょうが、エンジョイゴルフでそこまで神経質になる必要性はあまり感じません。

 ピンを抜くかどうかを選択できるのは1打を争う競技ゴルフの世界だけで、一般アマチュアゴルファーはピンを立てたままパットを打つのがもはや常識になっています。

「パットに形なし」女子プロのいろいろなパッティングスタイルをチェックする

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