コースデビューから個人のスコアをつけるなんてナンセンス!初心者には「スクランブル方式」が絶対楽しい!! | e!Golf(イーゴルフ)|総合ゴルフ情報サイト

コースデビューから個人のスコアをつけるなんてナンセンス!初心者には「スクランブル方式」が絶対楽しい!!

ドキドキの初ラウンド。初心者のうちは技術だけでなく慣れない雰囲気に舞い上がってしまい、150以上打ってしまって全然楽しくなかった、なんてことも珍しくありません。そんなコースデビューにおすすめしたいのが「スクランブル方式」です。

そもそも「スクランブル方式」って何?

 コースデビューしたいと思っても「まだあまり上手じゃないからプレーが遅くて迷惑をかけないか心配」「バンカーの打ち方とかパッティングのラインとかよく分からない」と、自信がなくラウンドすることを躊躇してしまう人もいるかもしれません。

写真はイメージです。スクランブル交差点でゴルフをしたらダメです。危険なので 写真:AC

 そうした技術面だけでなくゴルフ場の利用の仕方からルール&マナーまで分からないことだらけで、パニックになってしまうことも当然です。そんな状態で個人のスコアをつければ150以上叩いてしまうのも無理からぬところ。焦りや恥ずかしさばかり募って楽しくない、とゴルフが嫌いになってしまうかもしれません。初ラウンドからスコアを厳密につけるなんて、はっきり言ってナンセンスもいいところです。ましてや、本人がつけたいならまだしも経験者がそれを強要したり、終わった後でみんなの前で200近いスコアを発表させられたり、もはや「スコアハラスメント」と言って差し支えありません。もし昭和な上司にそんなことをされたら、「それ、“スコハラ”ですよ!」と言ってやりましょう。

 さて、そんなコースデビューにおすすめなのが「スクランブル方式」というラウンドスタイルです。ゴルフのラウンドスタイルには、現在、最も一般的な18ホールの合計打数を競う「ストロークプレー」、1対1で1ホールずつ勝敗を決める「マッチプレー」があります。ちなみにゴルフの母国スコットランドでは、いまだにマッチプレーがさかんに楽しまれています。いずれも個人の技量によって勝敗が決する個人戦のラウンドスタイルですが、「スクランブル方式」はチームで競うラウンドスタイルです。

 ここ数年で人気になってきたラウンドスタイルで、プロアマ戦などで採用されています。正式ルールはないものの、団体ごとのローカルルールが存在するので、その中で代表的なルールは次のようなものです。

基本「一番いい球を全員が打つ」を繰り返す

 まず、1チームは2~4人で編成します。チームメンバー全員がティーショットを打ち、その中からベストボールを選択します。次に、選択したボールの位置にグリーンに乗るまではティーペッグ等、オンした後はボールマーカーでマークをして、そこからチーム全員が次のストロークをして、再度ベストボールを選択します。これをカップインするまで繰り返し、チームとしてのスコアを記録し、18ホールの合計スコアを競います。

 と、ここまでは単純明快なルールですが、スクランブル方式をより楽しむために他にもいくつかルールがあります。まず、打順は毎回自由に変更することができます。調子の良い人や経験者が先に打ち、残りの人や初心者は安心して打つことができたり、調子の悪い人が先に打って残りの人は攻めるのか守るのかを決めたり攻略ルートやラインの参考にしたりと、チームとして戦略を立てることができます。

 また、ティーショットに限っては、1チームが2名の場合は18ホールのうち1人7ホール、3名の場合は1人5ホール、4名の場合は1人4ホールのティーショットを採用する必要があり、条件を満たさないと1ホールにつき2打罰が加算されます。

 うまい人や調子の良い人だけがティーショットを打つのを防ぐことで、個人の技量に左右されることなく、チーム戦としてプレーすることができます。どのタイミングでどのメンバーのティーショットを選択するかが勝敗を分ける重要な要素になってくると言えます。

 セカンドショットからグリーンに乗るまでは、マークした位置からホールに近づかないように半径30センチの半円内からショットします。この際、選択したボールと同じライである必要があり、30センチ以内という条件を満たしていても、ギリギリラフだったものをフェアウェイに移して打つことはできません。ラフにあるボールを選んだらラフから打ちましょう。

 また、ボールに泥などがついている場合には拭いてから打つことができたり、バンカーのボールを選択した場合には2番目以降に打つチームメンバーはレーキでならしてから打っていいなど、スクランブル方式ならではのルールもあります。

 グリーンに乗ったら選択したボールの左右どちらかにマークし、ホールに近づかないように半径15cmの半円内からパッティングしましょう。このとき、チームメンバーであったとしてもパッティングラインを真後ろに陣取って見ることは禁止です。

 加えて、カップインした時点でスコアが確定してしまうルールのため、タップインの距離に外したときに「お先に」と入れてしまわないよう注意が必要です。間違ってカップインもしくはマークを外してしまうと、残りのチームメンバーは打てなくなってしまうので注意が必要です。入れずにマークして待ちましょう。

初心者におすすめ! スクランブル方式の魅力

初心者でもプレッシャーなく打てるのでワンチャンある 写真:AC

 このようにスクランブル方式はあまりプレッシャーなくプレーができるので、力が抜けて良いショットが出る確率が上がるという効用もあるようです。他にも初心者におすすめなポイントが数多く挙げられます。

 まず、プレー時間が短縮できるという点です。まだあまり腕に自信がない初心者の場合、空振りやミスショットをしたり、林に入れてしまってボールを探したり、バンカーからなかなか出ずに苦労した経験があるでしょう。そのような場合には、時間がかかってしまい、スロープレーにつながる恐れがあります。

 一方スクランブル方式では、たとえ自分がミスしたとしてもチームメンバーの誰かがナイスショットをすればそこから仕切りなおすことが可能なので、大きく外れてしまったボールなどをプレーする必要がなく、スムーズに進行することができます。メンバーの技量の差がさほどなかったとしても、1人より2人、2人より4人のほうがナイスショットの確率は高いわけですから、個人プレーより良いライから打てることがほとんどです。ただし、自分のボールが採用されないのが確定的だからといって、まったくボールを探さずに諦めてしまうと、置き去りにしたボールが後ろの組の誤球の原因になる場合があります。打ったボールは回収することが基本と考えてください。

 次に、チーム戦ならではの楽しみや気付きがある点が挙げられます。同じ位置から打つチームメンバーがどう考え、どう打ったのかを毎回見たり感じることができるので、ストロークプレーでは気付かなかったスコアアップのヒントが見つかるかもしれません。

 また、チームでウエアの色やグッズを揃えたりして楽しんでいる人や大会も開催されているようなので、チームとしての一体感も感じることができると言えます。

 他には、女性ゴルファーはレディースティーがかなり前に設定されている場合、ティーショットが採用される可能性が高く、チームに貢献できる点が挙げられます。ゴルフ場によって異なりますが、主に男性が打つレギュラーティーと女性が打つレディースティーの差は、50ヤードから場合によっては100ヤード離れていることもあります。

 女性もナイスショットが出ればベストボールになる可能性は十分にあり、チームに貢献できる可能性が高まります。スクランブル方式を楽しむためには、レディースティーからの距離ができるだけ短いコースを選ぶといいかもしれません。

 女性に限らず飛距離が出ない男性も、スクランブル方式では苦手なショットは他のチームメンバーに頼って、アプローチやパッティングで貢献する戦い方もできます。

 個人戦のストロークプレーではなかなか経験できない、イーグルパットやバーディーパットが経験できるのもスクランブル方式の醍醐味と言えるでしょう。

 スクランブル方式の利点について、レッスンプロの三浦辰施氏もこう話します。

「自分が失敗したことが次のプレーに影響しないということが最大の魅力ではないでしょうか。自分の失敗したショットがスコアに影響せず、楽しいムードでラウンドを続けることができます。初心者でも辛い思いをしづらいゴルフになるので、スコアを気にせずみんなで楽しくラウンドしたいというときには、とても良いと思います」

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 個人戦ではなく、チームとしてゴルフを楽しめるラウンドスタイルのスクランブル方式。ゴルフの難しさよりも楽しさを感じてもらえるラウンドスタイルで、初心者や女性ゴルファーにおすすめと言えます。

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PGMマリアゴルフリンクス(千葉県) 17番ホール 183ヤード/パー3
新・西山荘カントリー倶楽部(茨城県) 17番ホール 179 ヤード/パー3
ピートダイゴルフクラブロイヤルコース(栃木県) 8番ホール 151ヤード/パー3
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初心者でもプレッシャーなく打てるのでワンチャンある 写真:AC

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