アマチュアにありがちな「練習場ではいいのにコースでダメダメ」原因をツブす“ランダム練習”とは? | e!Golf(イーゴルフ)|総合ゴルフ情報サイト

アマチュアにありがちな「練習場ではいいのにコースでダメダメ」原因をツブす“ランダム練習”とは?

ラウンド前日や当日の朝の練習場ではナイスショット連発。「今日(明日)は完璧だ」とベストスコアすら期待してしまうことがあります。ところが実際にコースに出てみたらダフリ、トップの嵐。それは練習法に問題があるようです。

1球ごとにクラブを替えて打つ練習がダフリ、トップに効果的

「練習場ではわりとナイスショットを打てているのに、コースへ出るとまともにボールに当たらない」ことがあります。ビギナーや100を切れない人は、ほとんどのショットがダフリ、トップといってもいいくらいです。なぜ、肝心のコースだと、ちゃんと当たらなくなってしまうのでしょうか。

虚無を感じさせる何とも言えない表情。人間、本当にダメだったときは意外とこんな顔になるものなのかもしれない 写真:AC

 そんなビギナーの疑問とお悩みを、ゴルフスクール「ファイブアンダース」特別コーチの松岡勇作プロに相談したところ、「コースで当たらないのは、実戦的な練習をしていないからでしょう。ビギナーの方は、1球ごとにクラブを替えて打つ練習をするといいですよ。ダフリ、トップが激減します」とアドバイスしてくれました。

 ダフリ、トップが激減? さっそく松岡コーチに、実戦的な練習法を教えていただきまました。ビギナーにこそ実行してほしい練習法だといいますから、今日からすぐにでも取り入れられるかもしれません。

「使用するクラブは、ドライバー、フェアウェイウッドまたはユーティリティー、7番アイアン、ピッチングウェッジの4本です。この4本で、この順番で、1球ずつ打っていくのです。クラブを変えるごとにターゲットを決め、構えを取り直して打ってください。ピッチングウェッジも含め、すべてフルショットしていきましょう」

ミスったら「同じクラブでもう1球!」となるところを我慢

 はじめにドライバーで1球打ち、次はフェアウェイウッドかユーティリティーで1球、その次は7番アイアンで1球、最後にピッチングウェッジで1球打つというわけです。ドライバーでミスをしたからもう1球打つとか、フェアウェイウッドは苦手だからパスして7番アイアンを打つとか、イレギュラーなことはせず順番を守って1球ごとにクラブを替えるのがポイントです。

「その4球を1クールとし、ラウンド直前だったら10クールほど行なうのがオススメです。大事なのはドライバーから始めてクラブの順番を変えないことと、最後のクールまで、1球打ったら必ずクラブを替えることです」

 10クールやってもトータルで40球しか打ちませんが、普通に1本か2本のクラブで40球続けて打つ練習に比べると、その効果は比べものにならないほど大きく、効率的だと松岡コーチは言います。

「アマチュアの方のミスは、ダフリ、トップがほとんどですが、それは必ずしもスイングが悪いからではなく、長さが違うクラブへの対応ができていないのが原因です。長さが違うクラブをランダムに打つ練習をすることによって、1球ごとに目標を決め、構えを取り直し、1発でしっかりアジャストする力が身につくからです」

「例えば、ドライバーでティーショットを打ったあと、フェアウェイウッドで地面のボールを打つことをイメージしてください。ドライバーとフェアウェイウッドでは、クラブの長さが違うし、ティーアップの有無、ボールの位置、前傾姿勢の深さ、体重のかけ方、クラブの振り方まで違います。フェアウェイウッドから7番アイアンへ、7番アイアンからピッチングウェッジへ、ピッチングウェッジからドライバーに替わったときもそうです。クラブの長さによって違う構え、違う打ち方を1球ごとに合わせるための対応力や調整力が高まれば、ダフリ、トップは少なくなります」

アマチュアが一般的に行っているのは“ブロック練習”

 確かにボールの位置一つとってみても、心のどこかに何球も打てるという甘えがあると1球に対する真剣さが少なくなります。ミスをしたら次は少しボールの位置を変えていけばベストな位置を探せます。しかし、1球でそれを実行するには、練習とはいえ緊張感を持って向かわないとできません。

「1発勝負という点では本番と同じです。はじめは1球ごとにクラブを替えるのは面倒かもしれませんし、意外と時間がかかります。それでも実際のラウンドと同じように一発勝負ですから集中しますし、ゲーム感覚も持てて面白くなりますよ」

 10クール行う場合、アマチュアは40球のうち70%に当たる28球くらいダフリもトップもせず打てれば合格だそうです。ビギナーの方だったら、まず前半の5クールでダフリ、トップが何球あったかを覚えておき、後半の5クールでその数を下回るように練習するのがやりやすそうです。前半でダフリ、トップが多かったクラブを覚えておくと後半の参考にもなりますね。

「練習の仕方には、同じことをやり続ける“ブロック練習”と、1球ごとにクラブを変えて距離もターゲットも変えて打つ“ランダム練習”とがあります。皆さんは今まできっと、ブロック練習をしてきたのではないでしょうか。スイングを習得するにはそれでいいと思いますが、コースに出るにはランダム練習をしたほうが、アジャスト力が磨かれて実戦的です。ダフリ、トップが多いビギナーこそ取り入れて、効率よくスコアアップしてください」

 松岡コーチによれば、ランダム練習をするときは、始める前にウォーミングアップとしてピッチングウェッジでアプローチを10球、7番アイアンでフルショットを10球くらい打つと体ならしにいいそうです。さらに10クール打っても、トータルでたった60球。

 これなら練習嫌いの人にもできそうですし、ビギナーにも効果大といいますから、次のラウンド前にぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。

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タイガー・ウッズの愛息チャーリーくんの連続写真 写真:Getty Images
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