仲間内だけで使えるプライベートルール
体が温まっていない朝イチのティーショットでミスをしてしまうゴルファーは多くいるでしょう。OBにでもなろうものなら、「もう1回打ち直したい」と誰しも考えるはずです。

そんなゴルファーの悲痛な思いから生まれたのが「マリガン」です。朝イチのミスショットを帳消しにして打ち直すことができるもので、気心の知れた仲間内だけで行われるプライベートルールです。
当然ながら、正式なルールではなく、非公式なものになっています。そもそも、マリガンという言葉はどのようにして生まれたのでしょう。
諸説ありますが、マリガンの起源はアメリカだとされています。マリガンという人物が毎回のように朝イチのショットをミスしていた姿を見かねた友人が、1打目のやり直しを認めたことが発端と言われています。
アメリカでゴルフ留学をした経験を持つゴルフコーチ兼クラフトマンの関浩太郎プロは、以下のように話します。
「アメリカではいちいちマリガンと宣言するわけではないですが、朝イチのティーショットを失敗した際には、“もう1回打たせてくれ”と気軽に伝えてきます。ルールやマナーをしっかり勉強していますし、同伴者へのリスペクトも忘れませんが、フランクな一面もあるのです」
日本ほどゴルフの敷居が高くないアメリカだからこそ、カジュアルに楽しもうという意識が強いです。また、コースもそこまで混雑していないこともあり、マリガンを活用するゴルファーが多いのかもしれません。
日本のコースでのマリガンには注意が必要
アメリカではポピュラーなルールであるマリガンですが、日本で使用する場合には注意が必要です。たとえ同伴者の了承を得ていたとしても、マリガンの使用を控えたほうがいいケースもあるのです。
そもそもマリガンは、スロープレーを助長する可能性のある行為です。コースが混雑していて、後ろの組が待っているような状況では、避けたほうが無難です。
また、ティーショットがOBの場合などに使用できる「プレーイング4」がある場合もマリガンを使おうか迷うかもしれません。プレーイング4自体は強制ではありませんので、通常の暫定球と同じ要領でボールを打ち直し、1打目と罰打をカウントしないといった運用をしても良いかもしれません。
ただし、思ったより飛ばなかったとか、フェアウェイにボールが残らなかったといった打ち直すほどでもないミスでも、闇雲にマリガンを使うようなことは避けるべきでしょう。いつでも打ち直しできると考えれば、ゴルフ本来の緊張感が失われてしまって、スコアの概念もあいまいになってしまうからです。
ゴルフは基本的に、1度打ったショットをやり直すことのできないスポーツです。初心者にラウンドに慣れてもらう意味で、朝イチのティーショットをマリガンで打ち直し、というのもありかもしれませんが、プレー進行に遅れを出さず、後続に迷惑をかけないことが大前提です。マリガンを使う際には、周りの状況をしっかり確認することを忘れないようにしましょう。
※本文を一部修正しました(1月26日10時15分)。