「値段が2倍のドライバーが2倍飛ぶわけじゃないよね」価格が安いクラブと高いクラブの違いは何?

より飛距離を伸ばすため、より良いスコアを出すために、価格の高いゴルフクラブの購入を検討しているという人は多いでしょう。そもそも、価格の安いクラブと高いクラブに明確な違いはあるのでしょうか。

開発費、製造コスト、販促費……いろいろなものが乗っている

 ゴルフが上達していくにつれて、より良いスコア、より高い飛距離性能を求めて高いクラブを購入しようと考える人は多いでしょう。

価格は8万円台の半ばからと「高いクラブ」の代表格であるステルスシリーズのドライバー

 ゴルフクラブの値段はピンキリで、1本10万円以上するドライバーもあれば、数万円でドライバー、アイアン、ウッド、パター、キャディバッグがすべて揃ってしまうセットも販売されています。なんとなく「高いクラブを使用すれば良いスコアが出やすい」と考えがちですが、そもそも高いクラブと安いクラブは、根本的にどのような部分に違いがあるのでしょうか。

 日本ゴルフジャーナリスト協会副会長で、元・国内大手ゴルフメーカーの広報責任者であった嶋崎平人氏は、価格の高いクラブと価格の安いクラブの違いについて以下のように話します。

「まず、価格の高いクラブは、安いクラブに比べて芯を外したときの寛容性が高く、ボールがより遠くに飛びやすい構造になっています。これは、メーカーの緻密な研究開発の賜物と言えます。例えば、ドライバーのヘッドの重量は200グラム前後に抑えることが常識となっています。あまり重くなると振れないクラブになってしまうからですが、この約200グラムの範囲内で飛距離が出やすかったり球が曲がりにくくなるよう重心の位置をコントロールしたり、新たな機能を付帯させることが性能の向上につながっています。分かりやすい例として、シャフトを挿す角度や重りの位置を変えられるドライバーの『カチャカチャ機能』があります。価格の安いドライバーに『カチャカチャ』機能が付いているものはほとんどありません」

 また、最先端の技術を盛り込んだクラブは、それまでにかかった膨大な開発費を回収しなければならず、従来なかった構造を商品化するための製造技術にもコストがかかってくると言います。最近では、テーラーメイドから発売されている「ステルス」が典型的な例であると嶋崎氏は話します。 

「『ステルス』は、開発に20年以上という長い年月をかけたと言います。特徴であるカーボンフェースは60層ものカーボンシートを重ねて製造されています。これにより従来のチタンよりフェースが20グラム軽量化し、その分の余剰重量をヘッド後部に持っていけたことで、初速の高さや寛容性が向上したとされています。他の大手メーカーからカーボンフェースのクラブは発売されていないので、他メーカーも追随するのか、今後どのように普及していくのか注目したいところです」

 ほかにも、マーケティング費用に多くの金額を投資しているため、それも最新モデルのクラブが高くなる要因だと話します。

「テーラーメイドやキャロウェイなど大手のクラブメーカーは、自社クラブの宣伝のため、世界ランキング上位の選手を契約プロとしてたくさん抱えています。流通段階も含めて販促費用がかかってくるので、価格の高さは純粋に機能面だけではないということです。逆に、価格の安いクラブは販促費用がカットされているので、販売原価を安くすることができます」

 このように、機能面とマーケティング費用にどのくらいコストをかけているかが、価格の高いクラブと安いクラブの違いと言えます。

初心者でも頑張って高いクラブを買うべきなのか?

大手メーカーは多くのツアープロを契約選手として抱える

 価格の高いクラブと安いクラブには様々な違いがありますが、どちらが初心者にオススメと言えるのでしょうか。

 嶋崎氏は「価格の高いクラブを購入するのがベターだと思います」と言い、その理由をこう続けます。

「初心者の方は芯を外す可能性が高いので、より寛容性の高いクラブの方がミスショットが少なくなります。最近では中古クラブ市場が大きくなっているので、新品購入が難しい場合は、型落ちの高機能クラブを購入するという方法もあります」

 一方、「価格の高いクラブを使用すれば、必ずしもゴルフが上達して良いスコアが出せるわけではない」と言うのは、クラブフィッター兼レッスンプロの関浩太郎氏です。
 
「クラブの性能はもちろんですが、フィッティングも大事になってきます。どんなに高いクラブを使用していたとしても、シャフトが合っていなかったり、ヘッドの重心位置が最適でなかったりすれば本末転倒です。たまに、フルセットで5万円といった価格で販売されているものもありますが、案外良いものが多かったりもするので、フィッティングをしっかりと行えば、これから始める初心者ゴルファーには十分だと思います」

 昨今では、技術の進歩と共に価格の安いクラブにも一定の機能が備わっています。そのため、自分に合ったクラブを選択することやボール等にお金をかけることで、価格の安いクラブであっても“おねだん以上”の性能を発揮させることが可能と言えるかもしれません。

【画像】「ステルス」のカーボンフェースは何が凄いのか、図解で詳しく

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