- ゴルフのニュース|総合ゴルフ情報サイト
- 記事一覧
- コラム
- 「あっ、ボールが動いた!」ベテランゴルファーでも意外と知らないルールと処置
ゴルフのルールは複雑ですが、ツアープロでも処置に迷うのがボールが動いたときの処置。自然の力で動いた場合も自分で動かした場合もあるので、なおさら混乱します。
自然の力で動いた球の処置はツアープロでも迷う難題
「あっ、打つ前にボールが動いた。自分が動かしたのかなあ?」
こんなときは、ルールをよく知らないアマチュアはペナルティーの有無も含め、どうすればいいのか迷うことでしょう。
一般アマチュアに限ったことではありません。実は米ツアーのシード選手でも、ボールが動いたときのルールは案外難しく、処置を間違うことがあります。
今年2月の「フェニックスオープン」では、チャーリー・ホフマンが池に打ち込んだボールの救済を受け、1罰打でドロップ。しかし、救済エリアが斜面だったため、ドロップしたボールはペナルティーエリアの池に戻ってしまいます。ルールに従って、再度ドロップ(=ヒザの高さから落とすこと)。2度目も同じだったので、2度目のドロップの落下地点にプレース(=手で直接置くこと)。
ここまではOK!
ところが、ホフマンが目標方向を確認している間に、ボールは風なのか、重力なのか、自然に転がってまたもや池に。
そこでホフマンは、罰なしにリプレース(=元あった場所に置きなおすこと)できるものと考えたらしく、競技委員に確認したのですが、答えは「ノー」。
この場合は、もう一度1罰打でドロップしなければなりません。
もう一つは、今年3月の「ザ・プレーヤーズ選手権」でのこと。キーガン・ブラッドリーはグリーン上に乗ったボールを拾い上げようとボールのすぐ後ろにボールマーカーを置いたところ、当然吹き付けた風によってボールが動いてしまいました。
そこでブラッドリーは転がったボールを拾い上げ、ボールマーカーを置いた箇所にリプレースし、プレーを続けました。
しかし、このような場合、正しくは自然によって動かされたボールが止まった箇所からプレーしなければなりません。ブラッドリーには2罰打が課せられました。
このように経験豊かなツアープロでも迷ってしまう「動いたボール」の処置をエリア別、シチュエーション別におさらいしてみましょう。
グリーン上
最初に、最もボール(やマーカー)が動くケースの多いグリーン上についてです。
(1)プレーヤーが誤って動かした場合
例えば、ボールの近くで素振りやワッグルをして、誤ってパターをボールに当てる。あるいは、ボールマーカーをパターのソールで押さえつけたところ、ソールにマーカーが付着し、動かしてしまう。こうしたことは頻繁に起きています。
前者のケースは、旧ルールでは1罰打でしたが、現在は後者のケースと同様、無罰。偶然に動かしたボールやボールマーカーはリプレースです。
なお、誤ってボールを動かしても無罰でリプレースという処置は、プレーヤー本人だけでなく、キャディーや同伴プレーヤーについても同様です。
(2)自然に動かされた場合
グリーン上で自然の力によって動かされたボールの処置は、状況によって異なり、少し複雑です。
まず、すでに拾い上げ、リプレースされたボールは、再度、元の箇所にリプレースしなければなりません。
一方、前述のブラッドリーのように、まだ拾い上げられていないボールは、動いた先の新しい箇所からプレーしなければなりません。
つまり、「マーク→拾い上げ→リプレース」されたボールは、動いた原因に関係なくその箇所から次のプレー。
「前のストロークで止まったまま」に置かれていたボールは、自然の力により動いた先から次のプレーになります。
いずれも誤った箇所からプレーした場合は、いわゆる「誤所からのプレー」ですから、基本的に2罰打が付加されます。
ティーイングエリア
まずは簡単な、ティーイングエリアのケースから。
ティーアップしたボールがストロークする前にティーから落ちたときは?
もちろん、動いた原因に関係なく、無罰でティーにセットし直せます。なぜなら、プレーヤーがティーショットするまで、そのボールはインプレーではないからです。また、空振りしてボールがティーから落ちたという場合も、ボールがティーイングエリア内にあれば、無罰(もちろん空振りの1ストロークはカウントされます)で、ティーアップし直せます。ボールはインプレーですが、無罰で拾い上げることができるのです。
グリーン以外のエリア
次に、グリーン以外のエリア(ジェネラルエリア、ペナルティーエリア、バンカー)に止まっていたボールが動いた場合。
まず、プレーヤー自身(そのキャディーも同様)がボールを動かしたり動く原因になったときは、1罰打でボールはリプレースしなければなりません。
ただし、ボールを捜したり確認する過程で誤って動かした場合は無罰。ボールはリプレースです。
次に、プレーヤー本人ではない、外的影響(他の人間や動物など)が動かした場合は、もちろん誰にも罰はなく、ボールはリプレースしなければなりません。
最後は、風や水、重力など自然の力によって動かされた場合ですが、無罰。ただし、ボールは動いた先、止まっているところからプレーしなければなりません。ですから、転がって止まったところがOBゾーンであれば、そのボールはOBとなり、その前のストローク地点に戻って打ち直ししなければなりません。
少し複雑ですが、まずは“頻出単元”の「グリーン上」だけでも頭に叩き込んでおくと、自分が慌てずに済むだけでなく、同伴プレーヤーに処置についてアドバイスでき、感謝されるかもしれません。
最新の記事
pick up
-
「国産カーボンフェース」がついに発売! ヤマハの新作「インプレス・ドライブスター」ドライバー、FW、UT、アイアンを試打検証<PR>
-
「高反発エリア拡大でさらなる“飛び”を実現」 ミズノの新アイアン「JPX925」<PR>
-
アマチュアが打っても激スピン! フォーティーン「FRZ」を使ってギア好きゴルファー3人がスピン勝負してみた<PR>
-
キヤノンがゴルフを変える! プロゴルファー森田理香子が実践する“撮影機能付きレーザー距離計”「PowerShot GOLF」を徹底解剖<PR>
-
【連載コラム】フィッティングとレッスンの融合で上達! フォーティーンの新サービスを人気ゴルフYouTuberが体験<PR>
ranking