ラウンドでは超上級者限定の「直ドラ」だが練習なら上達の荒治療になる
先日の国内女子ツアー「RKB×三井松島レディス」で岩井姉妹が18番パー5のセカンドショットで放った「直ドラ」を見ましたが、さすが優勝争いをするトッププロ! といえる素晴らしいショットでした。
アマチュアのみなさんが「やってみたい!」という気持ちになるのも理解します。プロとしての見せ場を理解しながら、優勝するのですから本当に素晴らしいですよね。

まず「直ドラ」は、ティーアップしても難しいクラブを地面から直接打つ「超難度ショット」です。
岩井姉妹が放ったパー5のセカンドショットは、できるだけ飛距離を稼いで3打目を近い距離から打つことでバーディーチャンスを作りたいという思惑もあったでしょうが、「左足上がり」のライからフェアウェイウッドでフックや引っかけなど左方向のミスを避ける、というマネジメントもあったのではないかと推測します。
「直ドラ」でナイスショットした場合、クラブの構造上フック回転しにくくボールも上がりづらくなります。「左足上がり」という、ボールは上がりやすく左に行きやすい状況下で使ったところに岩井姉妹のクレバーさが伺えますが、それにしてもあの場面でしっかりと芯でとらえてボールを上げられる技術はすごいとしかいいようがありません。
もしみなさんがマネするなら、「低いスライス」が出る前提でチャレンジするのが条件になります。また、練習で行うならドライバーショット時のクセを治す「荒治療」としての効果も期待できます。
「テンプラ」や「しゃくり打ち」が一発で直る! 「直ドラ」練習時の注意点
「直ドラ」は、頑固な「テンプラ」や体重が右に残ったままでインパクトしてしまう「しゃくり打ち」を一気に改善する「荒治療」として有効です。
ただし、平らな場所から打つ場合は基本的に低いスライス弾道になるので、「無理にボールを上げようとしない」、「フック回転のボールを打とうとしない」ということが条件になります。

「直ドラ」練習で得られるメリットはズバリ、インパクト時の入射角をレベル(水平)にすることで、自分のスイングの最下点を確認できます。
まずは素振りを行ってみてください。ヘッドが地面を擦る場所がヘッド軌道の一番低い所(最下点)になります。左に体重移動ができない人や手首の角度が早く解けてしまう人は、右足より手前にヘッドが落ちてしまったり、逆に上から叩きすぎて「テンプラ」傾向な人はマットにドカンとぶつけてしまいます。
3番ウッドよりロフトが少ないクラブでナイスショットを打つ必要があるので、ボールに対して浅い軌道でインパクトしないと絶対にうまく当たらないのが「直ドラ」なのです。
この練習ではうまく打てなくても、フェアウェイウッドが簡単に感じるようになったり、ティーアップ時のドライバーショットが楽に感じるようになれば、「直ドラ」練習は効果がったといえるでしょう。