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キャロウェイ新作ドライバーを試打速報【Part.1】「パラダイム Ai スモーク MAX」と「MAX D」はどちらを買うべき?
2024年1月5日、キャロウェイから新シリーズ「パラダイム Ai スモーク」が発表されました。いち早くドライバー4モデルを試打したライターの鶴原弘高が、各モデルの性能と前作「パラダイム」シリーズからの進化点を探ります。レポート第1弾として、「パラダイム Ai スモーク MAX」と「パラダイム Ai スモーク MAX D」の比較レビューをお届けします。
いろんな事象を超越してしまう「Ai スマートフェース」を採用
「パラダイム Ai スモーク」シリーズでのいちばんのポイントは、新たに開発された「Aiスマートフェース」を採用しているところです。キャロウェイはこれまでにもAIを活用したフェース設計を年々進化させてきましたが、今作ではゴルファーの実際のスイングデータ100万個をインプットすることで、まったく新しいフェースを開発しています。
この「Aiスマートフェース」の採用によって、ゴルファーが得られる大きなメリットが弾道安定性です。今作では4タイプのドライバーが用意されていますが、各モデルの対象ゴルファーが実際に打ったときに、ボール初速、打ち出し角、スピン量という飛びの三要素が安定することに加えて、5万発にもなるコンピューター上のショットシミュレーションを行うことで、スクエアインパクトでなくても方向性を改善するフェースを作り出しているとのことです。
特筆すべきは、今回の「Aiスマートフェース」が従来のドライバー設計の概念をも覆してしまう点です。「Aiスマートフェース」があれば、トウヒットやヒールヒット時に起こるギア効果という現象も関係なくなり、ヘッド自体の高慣性モーメント設計すら必要なくなるとの見解をキャロウェイは述べています。ちなみに、同社が長きにわたって採用してきた「ジェイルブレイク テクノロジー」も、この「Aiスマートフェース」があれば必要ないとのことで、今作では省かれているのも驚くべきポイントです(今後また新たな設計コンセプトによって、ジェイルブレイクが復活する可能性は残っているそうです)。
上記のような話を聞くと、誰もが「ほんまかいな?」と疑ってしまいますよね。とにかく打ってみないとクラブの性能は分かりません。とういことで、まずはスタンダードモデルとして位置づけられている「パラダイム Ai スモーク MAX」から試打してみました。
前作よりも球をつかまえやすく、振り切りやすくなった
2023年に発売された前作「パラダイム ドライバー」の後継モデルとして用意されているのが「パラダイム Ai スモーク MAX ドライバー」です。前作同様、ソールの後方にはレール移動式のウエートが搭載されています。試打クラブのロフト角は10.5度、シャフトは標準採用の「TENSEI 50 for Callaway」フレックスS。
ボールの後ろにヘッドをソールさせると、フェース面が少し右を向いているように感じます。とくにトウ側が逃げているように見えて、ゴルファー自身がしっかりと球をつかまえていきたくなるような印象を抱きます。どちらかいうと、左へのミスを嫌う人にとって構えやすそうな顔つきです。前作がスクエアフェースならば、今作はオープンフェースと言ってもいいでしょう。
打ってみると、前作「パラダイム ドライバー」よりもボールをつかまえやすいです。筆者は前作を所有して使っていましたがが、どちらかいうとフェードバイアスのモデルで、球が少し右に滑りやすかったです。それと比べると、「パラダイム Ai スモーク MAX」の球のつかまり感はニュートラルになっていると言えます。
ロフト対比で考えると、スピン量が少なくて強弾道を打ちやすいドライバーです。スイング中にはスライド式ウエートの重さに後ろから押されるような感覚もあり、ヘッドがオートマチックに動きます。それでいて前作よりもヘッドに重ったるさがなく、振りやすくも感じられました。
ヘッド挙動の安定性を求めるゴルファーであれば、ドローヒッター、フェードヒッターのどちらにも使いやすそうなモデルです。ヘッドの基本性能が高いので、ネックの調整機能とスライド式ウエートの調整によっては幅広いゴルファーが満足できるでしょう。
ヘッドターンをうながしてくれる「パラダイム Ai スモーク MAX D」
ドローを打ちやすく設計されているのが、「パラダイム Ai スモーク MAX D ドライバー」です。上からヘッドを見下ろすと、兄弟モデルの「パラダイム Ai スモーク MAX」よりも、ほんの少しだけシャロー感のあるヘッド形状になっています。前シリーズではヘッドの投影面積が大きい「パラダイム X ドライバー」が球をつかまえやすいモデルとして用意されていましたが、今作はそれよりも格段にオーソドックスなヘッドシェイプです。
スライサー向けモデルともいえる「パラダイム Ai スモーク MAX D」ですが、フックフェースにはなっておらず、むしろ素直にソールするとオープンフェースに感じるほど。ただ、ライ角が「パラダイム Ai スモーク MAX」よりも2度アップライトの設定になっているので、そのぶんは球をつかまえやすそうには感じられます。
こちらのモデルには、ソール最後部にスクリュー式のウエートが1つだけ搭載されています。試打クラブのスペックは「パラダイム Ai スモーク MAX」と同じで、ロフト角は10.5度、シャフトは標準採用の「TENSEI 50 for Callaway」フレックスSです。
打ってみると、あきらかにインパクトエリアで「パラダイム Ai スモーク MAX」よりもヘッドがオートマチックにターンします。同じようにスイングしても球がよくつかまり、「パラダイム Ai スモーク MAX」よりも弾道の着弾点が10~15ヤードほど左になるイメージ。ただ、このつかまり感に一度慣れてしまうと、ストレートボールも打ちやすく、右に逃がすフェード系の球も問題なく打てました。
出球の方向を強制的に左にするタイプのドライバーではなく、ヘッドのターンをうながして、ゴルファーに球をつかまえさせてくれるモデルです。スライサーでなくても、この「パラダイム Ai スモーク MAX D」のヘッド挙動を好む人もいそうですし、逆にいうとオープンフェースに見えてしまうところや、極端なまでの球のつかまり性能を備えていないことを考慮すると、典型的なスライサー向けモデルとまでは言えません。
こちらのモデルもスピン量は少なめで、「パラダイム Ai スモーク MAX」と同等です。むしろフェースターンによってロフトが立ってくるので、人によっては「パラダイム Ai スモーク MAX D」のほうが強弾道を打てる場合もありそう。打ち出し角を十分に出しても球が吹け上がることがないので、ある程度パワーのあるゴルファーが打っても最大飛距離を狙えると思います。
これら2つのモデルに装着されている「TENSEI 50 for Callaway」は、先端側が比較的しっかりしている中調子シャフトです。ヘッド性能をそのまま引き出してくれるクセのないタイプで、フレックスSならヘッドスピード43m/s前後の人にジャストマッチします。
次回は、レポート第2弾として「パラダイム Ai スモーク MAX FAST」と「パラダイム Ai スモーク トリプルダイヤ」の試打レビューをお届けします。
試打・文/鶴原弘高
つるはら・ひろたか/1974年生まれ。大阪出身。ゴルフ専門の編集者兼ライター。仕事のジャンルは、新製品の試打レポート、ゴルフコース紹介、トレンド情報発信など幅広く、なかでもゴルフクラブ関連の取材が多い。現在はゴルフ動画の出演者としても活躍中。ギア好きゴルファーの会員制コミュニティサイト『3up CLUB』(https://3up.club/)では、配信される動画のキャスター兼編集長を務めている。Instagram:@tsuruhara_hirotaka
【取材協力】フライトスコープジャパン
今回の取材はフライトスコープジャパン本社内のパフォーマンススタジオをお借りし、「FlightScope MEVO Range」と「Pro V1 RCT」ボールを用いて計測を行いました。
公式サイトhttps://flightscope.co.jp/
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