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- フツーのアマチュアでも3Wが使えるようになる!? タイトリストのFW・UTフィッティングには独自の視点があった
最近はドライバーやアイアンのフィッティングを受ける人が増えてきましたが、フェアウェイウッドやユーティリティーのフィッティングを受けたことがある人はあまりいないでしょう。多くのアマチュアが一番苦手なクラブともされるフェアウェイウッドが、フィッティングによって打ちこなせるようになるのか? 今回はタイトリストでフェアウェイウッドやユーティリティーのフィッティングを体験してみました。
「Green to Tee」という基本理念
最近はドライバーやアイアンのフィッティングを受ける人が増えてきましたが、フェアウェイウッドやユーティリティーのフィッティングを受けたことがある人はあまりいないでしょう。多くのアマチュアゴルファーが一番苦手にしているクラブともされるフェアウェイウッドですが、フィッティングをすれば打ちこなせるようになるのでしょうか? 今回は神奈川県藤沢市の藤沢ジャンボゴルフ内にあるタイトリストのスタジオで、フェアウェイウッドやユーティリティーのフィッティングを体験してみました。
そもそもタイトリストのフィッティングには、スコアアップを追求するための「Green to Tee(グリーン トゥ ティー)」という基本理念があります。ゴルフのプレーはティーから始まりグリーンに向かって進行しますが、タイトリストはスコアアップのために、まずはショートゲームのスコアを左右するウェッジから始まり、次がアイアン、さらにユーティリティーとフェアウェイウッド、最後がドライバーという順番で考えることによってスコアリングパフォーマンスを向上できるという理念です。
フィッティングを担当してくれたのは、タイトリストゴルフ事業部のフィッティングスペシャリスト・沢田季生さん。フェアウェイウッドとユーティリティーのフィッティングについて、ポイントを聞きました。
沢田「フェアウェイウッドやユーティリティーは、ドライバーとアイアンセットをつなぐクラブになります。だから、まずはアイアンを何番まで打てているかということがポイントになってきます」
というわけで、弾道データを計測しながら7番アイアン、6番アイアン、5番アイアンで打ってみました。
沢田「7番アイアンのボールスピードが44メートル/秒前後で、6番アイアンだと46メートル/秒前後、5番アイアンは48メートル/秒前後になっていて、番手の流れは悪くありません」
―ちなみにボールスピードはどういう数字を目安にしているのですか?
沢田「一つの目安は2.2メートル/秒の差です。ボールスピードが2.2メートル/秒速くなれば、キャリーで約10ヤード変わってくるので、番手別の距離差が適正になります。逆に6番アイアンと5番アイアンの距離がほとんど変わらないという人は、ボールスピードがほとんど変わっていないケースが多いです」
―私(野中真一)の場合は5番アイアンは使えているということで大丈夫でしょうか?
沢田「はい。6番アイアンに比べてボールスピードが2メートル/秒〜3メートル/秒上がっていて、キャリーも10〜12ヤード飛んでいたので十分です」
アイアンの後は、ユーティリティーを試打
―次は4番ユーティリティーですか?
沢田「そう思われる人が多いのですが、まずは5番ユーティリティーを打ってみましょう。ロフト角は5番アイアンとほとんど変わらないのですが、5番アイアンよりキャリーの距離が10〜15ヤードくらい伸びていれば理想的です」
さっそくロフト24度の「TSR2」を打ってみると、キャリーで175ヤード前後を記録。5番アイアンのキャリー160ヤードより約15ヤードも飛んでいました。アマチュアゴルファーは5番アイアンを入れていると、その上は4番、3番のユーティリティーにしたくなりますが…。
沢田「そのセッティングにする人はすごく多いと思いますが、大事なことは番手やロフトよりも距離と高さです。5番アイアンと同じロフト帯の5番ユーティリティーでも、アイアンとユーティリティーではユーティリティーの方がクラブが長いので、ヘッドスピードが速くなります。高さの面に関しても、ユーティリティーの方が重心が低いので高弾道ボールが打てます。それがグリーンで止まる落下角度につながります」
ちなみに5番ユーティリティーの落下角度は40〜42度前後でしたが…。
沢田「落下角度の理想は45度以上ですが、40度を超えていればセーフで、推奨クラブとして提案できます」
―しかし、4番ユーティリティーになると落下角度が35〜38度になってしまいました。
沢田「ユーティリティーはやさしいクラブという印象ですが、4番、3番のロフト帯になるとある程度のパワーと打球を上げることができるスイング技術がないと、距離と高さを出すのは難しいです。そんな人にはロフト20度前後のフェアウェイウッドがオススメです」
ユーティリティーの後は、フェアウェイウッドを試打
打たせてもらったのは「TSR2 フェアウェイメタル」の21度、シャフトは純正シャフト(TSP111)のフレックスS。すると、落下角度は理想的と言われる45度を超えていて、キャリーの飛距離も195ヤードという結果に。
沢田「飛距離と高さは良かったですね。ただ、ちょっと左右のバラツキが大きくなってしまいました。こちらを打ってみてください」
そう言って、渡されたのは先ほどと同じクラブに思えましたが、打ってみると明らかに打ちやすくなっていて、打球が安定しました。
―どういうことですか?
沢田「今、打ってもらったのは1インチ、チップカットしたクラブです」
―たった1インチでシャフトの振り感が全く違いますね。
沢田「先端をカットすることで、シャフトが硬く感じるようになるので、スイング軌道が安定したのだと思います」
―カスタム系シャフトのSシャフトを打っている感覚でした。
沢田「硬さとしては、それくらいかもしれません」
次は5W相当のロフト18度。打球方向は安定していましたが、ロフト通りの距離の差が出ませんでした。
沢田「キャリーで比べると7番ウッドと5ヤードくらいしか変わらなかったですね」
―ランで比較すれば15ヤードくらい違いましたが、やっぱりキャリーが大切なのでしょうか?
沢田「そうですね。ランを入れてしまうと地面の硬さや芝のコンディションによっても変わってくるので、コースによっても変わってしまいます。だから、タイトリストのフィッティングではあくまでキャリーのデータを基準にしています」
5番ウッドで距離の差が出なかったことで、3番ウッド相当のロフト15度にトライすることに。私は5年前から3番ウッドを抜いているのですが、理由はミスショットの確率が高くて、大叩きの要因になっていたからです。不安な気持ちで「TSR2」のロフト15度を打ってみましたが、想像していたよりもはるかに打ちやすい。1インチのチップカットで振りやすくなっただけでなく、ヘッド自体の寛容性も高かったです。
実は「TSR2」のフェアウェイウッドは、タイトリスト史上最も重心が低い設計になっていて打球が上がりやすい構造になっていました。ロフト15度の結果について沢田さんは、次のように説明してくれました。
沢田「この結果なら十分にスコアアップに貢献してくれると思います。むしろ21度と18度では距離の差が少なくもったいないので、それなら21度と15度にしたほうがキャリーで190ヤードと210ヤード前後と明らかに違う距離を打てます。18度を抜くことでウェッジの本数を増やせるのも、スコアアップには有効な選択だと思います」
タイトリストのフィッティングは「飛び」を追求するものではなかった
今回のフィッティングで印象的だったことが2つあります。一つめは、タイトリストではフェアウェイウッドやユーティリティーのフィッティングで「飛び」を追求することが一切なかったことです。ウッドカテゴリーのクラブであっても、タイトリストのフィッティングで重視していることは「スコアアップにつながるかどうか」でした。これまで他のゴルフショップやゴルフメーカーでフィッティングを受けた経験がありますが、いつも「こちらの方が飛んでいます」と言われており、そのように言われなかったのはタイトリストが初めてでした。
もう一つ印象的だったのは、正しくフィッティングをすれば3番ウッドも決して難しいクラブではないということです。タイトリストはフェアウェイウッドもPGAツアーで使用率No.1を記録していますが、最高の選手からの評価によって性能と品質が最高であるという証しになるだけであって、決してトップ選手のためだけのクラブをつくっているわけではないといいます。
タイトリストでフェアウェイウッドやユーティリティーのフィッティングを受けるというのはハードルが高いように思えますが、実は「3番ウッドが打てない」という一般的なアマチュアゴルファーのスコアアップにつながるフィッティングにもなっていました。
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