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- ジャンボ尾崎に聞いた「女子に比べて活躍する“若手”男子が少ないのはなぜですか?」
今年の「ジャンボ尾崎ゴルフアカデミーセレクションsupported by ISPS HANDA」でも有望な男子ジュニアが数名いたと笑顔を見せていたが、果たして、数年後には同アカデミー出身から世間を賑わすような男子プロが誕生するだろうか。
ツアープロを目指す数が圧倒的に多い女子
つい最近、渋野日向子や原英莉花、小祝さくらといった黄金世代(98年度生まれ)が注目されたかと思いきや、昨シーズンの賞金女王は彼女たちより1歳下(99年度生まれ)の稲見萌寧だった国内女子ツアー。
その稲見と女王を争ったのは彼女より1歳下(00年度生まれ)の古江彩佳であり、古江と同世代の西村優菜も賞金ランキング5位に入った。さらに、01年度生まれの西郷真央は賞金ランキング4位となり、笹生優花は全米女子オープンを制した。
次から次へと若手の有力選手が台頭してくる国内女子ツアーとは対照的なのが、国内男子ツアーだ。98年度生まれの金谷拓実が賞金ランキング2位に入ったものの、トップ15に入った20代前半の選手はほかにいない。
女子優位の図式はジャンボ尾崎ゴルフアカデミーでも同じで、原や笹生、西郷が活躍するだけでなく、02年度生まれの佐久間朱莉、03年度生まれの小林夢果がプロテストに合格している。
一方の男子については、「オレも男子をなんとかしたいという気持ちはあるけど、なかなかうまくいかない」とジャンボ尾崎は語る。
同アカデミーのセレクションでも、これまでに身長180センチ越えのジュニアが合格するなど、素質のある選手は多いが、ジャンボが期待するほどの成長を見せていないのが現実だ。
ジャンボによれば、女子と男子の格差が生まれるのは仕方がない部分もあるという。
「日本の女子ゴルフ界を目指す数が以前とは全く異なっているからね。あれだけの試合数があり、あれだけ稼げて、あれだけ脚光を浴びれば、ちょっとやれる子だったら、親も夢を見るんじゃないの? 昔とレベルが全然違うよね。その意味では世界も近くなってきている」
幼少の頃からツアープロを目指す女子が増え、その中で切磋琢磨をしながら生き残ってきた選手がツアーに出場する。
技術面はもちろん、精神面や体力面でも強いのは当然だというわけだ。実際、ツアーでは230ヤードだったドライバーの飛距離が250ヤードぐらいまで伸びるなど、女子ツアー全体の底上げは明らかだ。
教える側と教わる側には連携が必要
ただ、女子のレベルが上がった理由はそれだけではないとジャンボは指摘する。練習に対する姿勢が男子とは異なるというのだ。
「オレは練習が嫌いな人間は好きじゃないし、ジュニアには他人よりも練習できる体を持ちなさいと伝えている。(アカデミーにいる)男女を比べると、やっぱり女子のほうが黙々と練習メニューをこなしているよね。まだやってるのかとこっちが驚くぐらい。それに比べて男子はちょっと……」
やむを得ず、気合いを入れることも少なくないらしい。
ジャンボによれば、教える側と教わる側には連携が必要だという。一方的に教えるのではなく、教わる側がきちんと理解し、このようなときはこうするんだと行動して初めて伝わったことになるわけだ。
その結果、教わり方がうまいジュニアは、自然と自分の立場を理解し、課題を自分で見つけることもできるようになる。あとはそれを踏まえて努力を重ねていくという図式になる。
原にしても、西郷にしても、自分がどのようにして戦っていくのか理解し、それに合わせた練習やトレーニングを積み重ねてきたという。
「用意周到じゃないけど、上にいく人間はそういうことができるし、やっぱり用意ができなければ何も始まらないよ」と、彼女たちが結果を出すのも当然という見方をしている。
もちろん、今後も男子の育成を熱心に行い続ける姿勢は変わらない。女子と比べれば時間はかかるものの、振る力を身につけることを徹底させるなど、根気強く指導を続けていく。
あとは、教わる側が自分の意識をどこまで高めていくかであり、練習施設など恵まれた環境をどう生かすかだろう。
「1カ月に一度ぐらいここに来たからって、おいしいものはないよ」というジャンボのことばが全てを物語っている。
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