国内メジャー初優勝の吉田優利 ドライバーの“意図的なオーバースペック”を修正していた

ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップで国内メジャー初優勝を遂げた吉田優利はあまりクラブを替えない選手。優勝ギアに注目すると、シャフトの変更に目が行きました。

「ベンタスブラック」を振り切れるスイングをつくろうと

 ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップで国内メジャー初優勝を遂げた吉田優利。2年ぶりの勝利を挙げた吉田にギアについて話を聞くと、2年前とはシャフトの選び方を変えていると明かしてくれました。

シャフトを「ベンタスブラック」から「スピーダーNX グリーン」に変更した吉田優利 写真:Getty Images
シャフトを「ベンタスブラック」から「スピーダーNX グリーン」に変更した吉田優利 写真:Getty Images

 初優勝した2年前から吉田はあまりクラブを変えていません。ドライバーが「ツアーB JGR」から「B1」になり、アイアンが「201CB」から「221CB」にアップデートされましたが、フェアウェイウッド、ユーティリティー、ウェッジ(48度)、パターは2年前とまったく同じです。女子ツアーでは1年サイクルで新ドライバーを投入したり、シーズン中にパターを替える選手も多いのですが、それをしない理由について、吉田は次のように語ります。

「性格的には新しいものを取り入れたいタイプなのですが、ゴルフクラブは慣れるための時間が必要。自分はその時間がすごくもったいないと思っています。イップスになったり、本当に悪くなってダメになったら替えたほうがいいと思うのですが、何も問題がなくて今のクラブで良いゴルフができているのに、わざわざクラブを替えて慣れるまで時間がかかってしまうのは、もったいない」

 ただ、そんな中でシャフトを「ベンタスブラック」から「スピーダーNX グリーン」に変更しています。

「2020-21年シーズンから『ベンタスブラック』で(ドライバーを)組んでいるのですが、結構自分でもハードだと思っていて、先行投資のイメージでした」

「ベンタスブラック」はPGAツアーで使用率No.1のシャフト。当時、あえてそのシャフトにした理由を聞くと、「このシャフトは私にとってはしっかり振り切れないとボールがつかまらないシャフトでした。だから、このくらいのシャフトが振れるようなスイングをつくっていきたいと思っていました」と吉田。

 昨年の夏以降「スピーダーNX グリーン」にしたのは「はじめてテストして2、3球で今の自分にピッタリ合っていると思って、すぐに替えました。(スピーダーNX グリーンにしてからは)ヘッドがしっかり戻ってくる感じが強くなってすごくドライバーが振りやすくなりました」

 典型的なドローヒッターの吉田は、優勝スコアが1オーバーという厳しいセッティングでもフェアウェイキープ率73%という高い数字を記録していました。先行投資型のシャフトから適正シャフトへスイッチした吉田の快進撃は、ここからはじまりそうです。

 ちなみにパターは2017年モデルの「オデッセイ オー・ワークス ブラック♯2W」を使い続けていますが、このパターは最近流行りはじめたソール幅が少し広めのブレードタイプ。パターは先行投資に成功したといえるかもしれません。

2023 吉田優利の最新セッティング

1W:ブリヂストンゴルフ B1 (ロフト/8.5度 シャフト/スピーダーNXグリーン5-S)
3W:テーラーメイド SIM2 MAX(ロフト角/15度 シャフト/スピーダーNXグリーン5-S)
3U、4U:ブリヂストンゴルフ ツアーB JGR(ロフト角/19、22度 シャフト/アッタスEZ75-S)
5I:ブリヂストンゴルフ 222CBプラス(シャフト/KBSツアー90-S)
6I-PW:ブリヂストンゴルフ221CB(シャフト/KBSツアー90-S)
AW:ブリヂストンゴルフ ツアーB BRM Fグラインド(ロフト角/48度 シャフト/KBSツアー90-S)
GW、SW:ブリヂストンゴルフ BRM2(ロフト角/52度、58度 シャフト/KBSツアー90-S)
パター オデッセイ オー・ワークス ブラック♯2W

【写真】吉田優利に国内メジャー初勝利をもたらした「Bシリーズ」のドライバー

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