トップ連発は悪さをする“右手”が原因！ ヘッド最下点の位置を修正できるラウンド中の応急処置と根本的な解決法とは？

　アイアンショットでトップが出てしまうのは最下点が左足寄りになっていることが主な原因です。

　左にズレてしまうのは、ダウンスイングで右手に力が入っているから。右手で押すようにクラブを下ろすと、アウトサイドイン軌道がキツくなって上からヘッドが入り、最下点が左にズレていくのです。

　ラウンド中にこのミスが出ると、「ダウンブローで振れていないからトップが出るんだ」と考えていつも以上に打ち込む意識を持って修正しようとする人もいると思います。しかし、これは逆効果。右手の力がさらに強くなってしまい、トップが止まらなくなる危険性があります。

　一番シンプルな修正法は、実球よりも右の“仮想ボール”を打つイメージで振ること。右足の前にある仮想ボールを打つつもりでダウンスイングすれば、体を動かすイメージを変えなくても軌道が修正されてトップを防ぐことができます。

　しかし、この修正法はあくまでも応急処置。トップが出る元凶である「右手で押し込む動き」が直ったわけではないので注意が必要です。

　右手で押すスイングを続けていると他のショットにも悪影響が出てきます。できれば根本的なエラーである「右手で押し込む動き」を修正しておきたいですよね。

　ダウンスイングで右手をリラックスさせて使うには、クラブの重さを感じることが重要です。まず、右手でグリップをつまんでクラブを振り子のようにブラブラと動かしてください。振り幅を徐々に大きくしていき、シャフトが地面と平行になる振り幅になったら、両手でクラブを持ってハーフ素振りをしましょう。

　大切なのはスイング中にクラブの重さを感じ続けること。右手の力でクラブを振り下ろそうとせず、重力でヘッドが落ちるまで待ってあげましょう。この感覚でスイングすれば、ダウンスイングで右手に力が入らず最下点が左にズレなくなっていきます。

　振り子素振りは、トップのミスだけでなく打ち急ぎや振り遅れ防止にも有効です。プレーの合間に振り子素振りをしておくとスイングリズムもよくなっていきますよ。

取材協力:千葉セントラルゴルフクラブ（千葉県）

1986年生まれ、京都府出身。小学生時代は器械体操に打ち込み、オリンピック強化選手に選出。中学生からゴルフをはじめて2007年にプロテスト合格。2009年のステップアップツアーでプロ初勝利を飾る。2013年はレギュラーツアーで賞金ランキング37位に入りシード権を獲得。2015年はステップアップツアーで年間2勝をマークした。その後、ツアーから一時撤退して2017年からレッスン活動をスタート。2019年に『East golf school』を設立した。2023年からは再び競技に復帰し、現在はレッスンとツアープロの二足のわらじで活躍中。East Golf School所属。