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目指すは30ヤードアップ! 飛ばしたいなら「y」字アドレスの形を崩さすにスイングしよう

2008年に431ヤードを記録した岡部健一郎プロによれば、アベレージゴルファーでも今より30ヤードの飛距離アップが可能だといいます。そのためには、できるだけシステマチックにクラブを振ること。クラブを振ったら勝手に当たるようじゃなければ、飛ばしに集中できないとのこと。岡部プロはそれをシステムスイングと呼んでいますが、果たしてどのようなスイングなのでしょうか?

ヘッドを当てに行かなくても勝手にボールに当たるのが正解

 最初に私が提唱するシステムスイングについて説明しましょう。ドライバーショットの飛距離を稼ぎたい時、アベレージゴルファーの多くはボールに対してクラブヘッドを強く当てにいこうとします。

 必要以上にバックスイングを大きくして、ダウンスイングでヘッドが動く距離を長くしようとするのも、それが理由です。

 しかし、ボールに対してヘッドを当てることに精一杯だと飛距離は出ません。まずは、勝手にヘッドがボールに当たるようにスイングをシステム化すること、それがシステムスイングです。

飛球線後方から見たら腕とクラブが一直線になるように、正面から見たら小文字の「y」になるように構える
飛球線後方から見たら腕とクラブが一直線になるように、正面から見たら小文字の「y」になるように構える

 おそらく、飛ばないと悩んでいる人にとっては、全く違う動きになるので、まずは小さな動きから始めましょう。最初に覚えて欲しいのは、肩と肩の中間にある首のツケ根を中心に体を回転することです。

 バックスイングでは首のツケ根を中心に体を右に回し、ダウンスイング以降でも首のツケ根を中心に体を左に回します。

 アドレスの形は、腕とシャフトに角度ができるハンドダウンにしないこと。ボールをスタンスの中央にセットしたら、飛球線後方から見ても、正面から見ても、左腕とクラブが一直線になるように構えましょう。

 したがって、正面から見ると腕とクラブでできる形が小文字の「y」になります。あとは、首のツケ根を中心に体を回すだけです。
 
 注意点は1つ。自分の首からヘッドまでの距離をスイング中に変えないことです。例えば1.3メートルあったとしたら、アドレスでもバックスイングでもインパクトでもフォローでも1.3メートルをキープします。

 首からヘッドまでの距離を変えることなくスイングできれば、完璧な振り子運動になります。振り子運動なら何もしなくても勝手にヘッドがボールに当たります。

 したがって、バックスイングで手首のコックを使うことはありません。首とヘッドの距離が1.3メートルよりも短くなりますからね。

「y」字を変えずにボディーターンでクラブを振る。これこそがシステムスイングの真骨頂になります。

バックスイングは胸の高さまでで十分

 システムスイングを行うには、練習場でアプローチから始めましょう。イメージをつかんだら徐々にスイングを大きくしていきますが、両手が胸の高さに上がるぐらいがマックスになります。

「えっ、それだと飛ばないんじゃないの?」と思う人は、ヘッドをボールに強く当てて飛ばそうとしている人です。

バックスイングではヘッドを胸の高さまで上げれば十分、惰性でそれ以上に上がるのはOK
バックスイングではヘッドを胸の高さまで上げれば十分、惰性でそれ以上に上がるのはOK

 実際、今年のマスターズを制したジョン・ラームは両手を胸の高さぐらいまでにしか上げていません。あくまでも惰性で多少ヘッドがその位置よりも上がっているだけなんです。

「いや、ヘッドが走る距離が長いと遠心力は大きくなるんじゃないの?」と思う人もいるでしょう。でも、遠心力はクラブが体の正面にあって初めて発生するものであり、ヘッドが体の後ろにいって腕を曲げた時点で小さくなるんです。

 それよりも腕の長さを変えずに胸の高さまでヘッドを上げて下ろした方が、実質的にヘッドスピードが上がります。半径が短いものと長いものが同じスピードで回転したとき、どちらのスピードが速くなるのか、それと同じ原理です。

 体をたくさん回した方が飛ぶというのは思い込みであり、バックスイングは胸の高さまで上げれば十分。それよりも首からヘッドまでの長さを変えずに、首のツケ根を中心にして体を回すことを心がけましょう。

取材協力・ラフサイド ゴルフアカデミー御徒町校(東京都)

【指導】岡部健一郎(おかべ・けんいちろう)

1970年9月4日生まれ、身長180センチ。NGFティーチングプロ、ヨネックス契約プロ。主な戦績は「2008年L-1静岡大会 優勝 記録431ヤード」、「2017年ゴルフダイジェストドラコン選手権 日本決勝シニアの部 3位」、「2021年ジアメディカルカップ決勝 シニアの部 優勝」など。現在もテレビ・雑誌など、様々なメディアでレッスンを展開しつつ、ドラコン選手として全国の大会で活躍中。

【写真解説】ドラコンプロ直伝! プラス30ヤードを目指すスイングの作り方

画像ギャラリー

首のツケ根を中心に体を左右に回転するのが基本
左腕とクラブが一直線になるように心がける
バックスイングでは右のワキ腹を、ダウンスイング以降では左のワキ腹を回す
腕とヘッドの位置を意識して、最初はアプローチの大きさからスイングを作る
腕とヘッドの位置を意識して、最初はアプローチの大きさからスイングを作る
腕とヘッドの位置を意識して、最初はアプローチの大きさからスイングを作る
飛球線後方から見たら腕とクラブが一直線になるように、正面から見たら小文字の「y」になるように構える
バックスイングではヘッドを胸の高さまで上げれば十分、惰性でそれ以上に上がるのはOK

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