- ゴルフのニュース|総合ゴルフ情報サイト
- 記事一覧
- ゴルフの豆知識
- 「今日のグリーンスピードは9フィートです」の意味ほんとうに分かってる? 何フィート以上あったら速い?
マスター室前などに掲示してある「本日のグリーンスピード」。数字が大きいほうが速いのは分かるものの、日本ではなじみが薄いフィートが単位のため、あまりピンときていないゴルファーも多いのでは? この謎の数字、正確にはどんな意味があるのでしょうか。
「スティンプメーター」という道具を使って計測
トーナメント放映で、例えば「今日のグリーンスピードは12フィートです」というふうに解説されることがありますよね。これを聞いて皆さんは、「ふうん」と、聞き流してはいないでしょうか?
でも実は、グリーンスピードはゴルフに大変重要な情報なのです。日頃からその数値に敏感でいるようにしたいものです。
グリーンの芝は早朝に刈られ、数値化されています。トーナメントを戦うプロゴルファーたちは当日のコースコンディション、特にピンポジション(カップの位置)、コンパクション(グリーンの硬さ)、グリーンスピード(グリーンの速さ)をプレー前、速やかに確認します。情報を踏まえて攻め方のシミュレーションをしたり、ストロークやタッチを確認したりするからです。このような事前準備によってある程度感覚をつかんでスタートしていくから、出だしの1番ホールから落ち着いてしっかり距離感を合わせることができるのですね。
ちなみに冒頭で例にあげた「グリーンスピード12フィート」は、アマチュアゴルファーが通常のラウンドでは滅多に経験することのない「かなり速い」ことを表す数値。女子トーナメントの設定に相当するといわれます。
メートル法の日本では「フィート」はいまひとつピンとこない単位ですが、1フィートは30.48センチ。12フィートなら3メートル65センチということになります。
ただ、それを聞いたからといって「だから何?」という人も多いのではないでしょうか。この数値がどういう意味を持つのか分かっていなければ単なる数字に過ぎませんし、それが速いのか遅いのかも分かりません。また、数値を知ったからといって一般ゴルファーが臨機応変にタッチを合わせられるわけではありません。
しかし、数値の見方を知っていれば、少しでも有利なスタートを切れるかもしれません。
「今日のグリーンは速いから、ピンの上に行かせないよう手前からを心がけよう」「グリーンが重い(遅い)から、ショート癖をつけないためにカップの50センチ先を狙って打っていこう」といった注意点をあらかじめ頭に入れておけるからです。
少なくとも1番ホールのグリーンでボールを打ってはじめて「うわっ、速い! ファーストパットがグリーンから出ちゃった」「いきなり4パットしちゃった」などと驚くようなことはないはずです。出だしのホールで大きなミスをするか、防げるかによって、やる気も1日のスコアも左右されてしまいますから、グリーンスピードを見ておくことは重要なのです。
そこで、全国に11のグループコースを擁する(株)ジャパンゴルフマネージメントのなかでも戦略性の高さが評判のJGMセベバレステロスGC(茨城県)を訪ねました。グリーンスピードの測定方法と数値の見方について教えてくれたのは、コース管理のトップを務める戸島義貴グリーンキーパーです。戸島さんは夜明けとともにコースに立ち、グリーンの様子や芝のわずかな変化に日々目を配っている“グリーンのプロ”でもあるのです。
まず見学させてもらったのは、グリーンスピードを測定する作業です。グリーンの速さは、グリーン上で次のようにして計測します。
1.金属製「スティンプメーター」の端の方にある穴にボールをセットする。「スティンプメーター」はV字にへこんだレールになっている
2.ボールがセットされた方の端をゆっくり持ち上げていく。一定の高さ(角度にして約20度以上)に上がり、ボールがレールを転がり始めたら手を止める
3.ボールがどれだけ転がったかを計測する。ボールが「スティンプメーター」を出てから止まった位置までの距離がグリーンスピードの指標となる
4.距離の計測は、メジャーを用いるか、「スティンプメーター」を物差しとして使うこともできる。距離をフィートで表した数値をそのままボールスピードとして表示する
「スティンプメーターの長さは3フィート(91.44センチ)あり、1インチ(2.54センチ)刻みで目盛りが刻まれています。もし仮に、ボールが転がった距離がスティンプメーター3本分あれば“9フィート”、3本分と半分なら“9.5フィート”に換算します。数字が大きくなるほど遠くへ転がる、つまりグリーンが速いことを意味します。計測はできるだけグリーンの平らなところで、両方向からボールを転がして平均をとるのが一般的です。ただ、当コースはグリーンの高低差が比較的大きいため、ホールによっては4方向からボールを転がして平均をとることもあります」
戸島さんがいくつか転がしたボールはほとんど同じところで止まります。意外とアナログな作業ですが、信頼性の高い計測方法なのが分かります。
- 1
- 2
最新の記事
pick up
ranking