順番が来てからライン読みなんて論外! “グリーンに上がる前から下りるまで”のスロープレー防止作法 | e!Golf(イーゴルフ)|総合ゴルフ情報サイト

順番が来てからライン読みなんて論外! “グリーンに上がる前から下りるまで”のスロープレー防止作法

初心者はグリーン上で時間がかかってしまうことが多いですが、アベレージゴルファーでさえグリーン上のマナーについて十分に知らない方が多いようです。グリーンに上がる前にしておきたいことや、グリーン上での注意点など、JLPGAティーチングプロの岡本恵氏が解説します。

グリーンに上がる前に自分と同伴競技者のボール位置をチェック

 新たにゴルフを始めた人はもちろん、ある程度の経験のあるゴルファーも、グリーン上でのエチケットについて十分に理解していない人が多いのが現状です。グリーンに上がる前に把握しておきたいこと、また、グリーン上での適切な振る舞いについて、JLPGAティーチングプロの岡本恵氏が解説します。

グリーンに上がる前にグリーン全体の傾斜を把握しておこう
グリーンに上がる前にグリーン全体の傾斜を把握しておこう

 グリーンに上がる前に注意しなければならないポイントがいくつかあります。

 なかでも特に重要なのが、自分のボールの位置と他のプレーヤーのボールの位置を明確に把握しておくことです。この2つをしっかりと理解しておくことは、エチケットとも深く関わっています。具体的には、他のプレーヤーのパッティングの邪魔になるような位置に自分のボールがあると、相手のラインを踏んでしまう恐れがあります。ラインを踏むことがマナー違反であることは知っているゴルファーが多いと思いますが、ボールの位置関係を把握しておらず、知らずに踏んでしまうことはありがちです。

 もう一つ、グリーン全体の傾斜を把握しておくことが重要です。傾斜はパッティングのラインやスピードに大きく影響します。グリーンの傾斜を大まかに把握することで、ボールの軌道や速度を予測する際に非常に有用な情報となります。ボールが近くにあるとラインは見えづらいもの。外から全体的なグリーンの傾斜を把握すれば、より具体的で正確にラインを読むことができ、成功確率を高めることができます。

 以上のような点に注意して、グリーン上でのプレーをよりスムーズかつマナーを守る形で進めていきましょう。

同伴競技者の邪魔にならず、プレー時間の短縮につながる行動をしよう

 グリーンに上がってから気をつけるべきことは、同伴競技者のボールからカップまでのラインを踏まないこと、そしてパッティングの後方線上やラインの前方に立たないことです。特に中上級者は視界に同伴競技者が入ることを嫌がるので、注意が必要です。

 グリーン上だけに限らないことですが、自分が次にどうすべきかを考えながら行動することが重要です。例えば、自分にパッティングの順番が回ってくる前にラインを読んでおけば、プレー時間の短縮につながります。パッティングを行っている最中のプレーヤーに迷惑をかけないよう、静かに待つことも大切です。

 先にホールアウトした場合は、次のパッティングを行う方の視界に入らないように注意しながら移動してください。余裕があれば、同伴者がグリーン周りに置いていたウェッジなどのクラブを持って、次のティーへの経路の近くでパッティングを見守ることをお勧めします。忘れ物もなくなり、次のホールにスムーズに移れるからです。

 ホールアウト後は速やかに次のホールに移ることを最優先してください。最近はアプリなどを使っている方が増え、スコアカードに記入する方は減っていますが、ホールアウトしたグリーン上でのスコア記入は、同伴競技者のプレーを待っている時以外は避けましょう。

 こうした小さな心掛けの一つ一つがプレーファストにつながります。

【解説】岡本恵

ツアー参戦経験もあるJLPGAティーチングプロの岡本恵氏
ツアー参戦経験もあるJLPGAティーチングプロの岡本恵氏

JLPGAティーチングプロ。ステップ・アップ・ツアー、アジアンツアーに参戦後、2009年よりティーチングプロとしてゴルフ練習場にて一般ゴルファーを指導。約15年の間に指導したアマチュアゴルファーは1000人以上。マナーやエチケットを守りつつも、楽しくゴルフしていただくのがモットー。現在は名古屋市の竜泉寺ゴルフ場にて指導を行なっている。

【写真で見る】グリーンの速さ=フィートってどうやって測ってるか知ってる? 転がし方が分かればタッチのイメージも湧きやすい

画像ギャラリー

1.金属製「スティンプメーター」の端の方にある穴にボールをセットする。「スティンプメーター」はV字にへこんだレールになっている
2.ボールがセットされた方の端をゆっくり持ち上げていく。一定の高さ(角度にして約20度以上)に上がり、ボールがレールを転がり始めたら手を止める
2.ボールがセットされた方の端をゆっくり持ち上げていく。一定の高さ(角度にして約20度以上)に上がり、ボールがレールを転がり始めたら手を止める
2.ボールがセットされた方の端をゆっくり持ち上げていく。一定の高さ(角度にして約20度以上)に上がり、ボールがレールを転がり始めたら手を止める
3.ボールがどれだけ転がったかを計測する。ボールが「スティンプメーター」を出てから止まった位置までの距離がグリーンスピードの指標となる
4.距離の計測は、メジャーを用いるか、「スティンプメーター」を物差しとして使うこともできる。距離をフィートで表した数値をそのままボールスピードとして表示する
数字だけ知ったところで、何フィートでどのくらいの速さかの感覚がなければ“ただの数字”(写真はイメージです)
これがグリーンキーパー御用達の計測器「スティンプメーター」。USGAの認証マークがついており、世界中のコースが同じ基準で計測されている
これがグリーンキーパー御用達の計測器「スティンプメーター」。USGAの認証マークがついており、世界中のコースが同じ基準で計測されている
グリーンに上がる前にグリーン全体の傾斜を把握しておこう
ツアー参戦経験もあるJLPGAティーチングプロの岡本恵氏

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