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- 甲子園はブラスバンドと大声援があるけれど… ゴルフトーナメントはなぜ静かにしないといけないの?
ゴルフではプレーヤーがアドレスに入ったあとに、会話をしたり物音をさせたりする行為はマナー違反です。なぜ静かな環境が求められるのでしょうか。
動きが「静から動」のゴルフは大きな集中力が必要
ゴルフのトーナメントでは、プレーヤーがアドレスに入ってからはギャラリー含め会話や動きを止めて、静かにしなければいけなません。スイング時にカメラのシャッター音が鳴り、プロがムッとするシーンを見たことがある人も多いかもしれません。
しかし、野球やサッカーなどゴルフ以外のスポーツは、ファンやサポーターが声を出して選手を鼓舞するのが一般的です。なぜゴルフでは選手がプレーする際、静かにしないといけないのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は以下のように話します。
「ゴルフはメンタル面が重要なスポーツでもあるので、打つ瞬間に『想定外の雑音』がなるとミスショットが生まれやすいからだと思います」
「ゴルフは紳士淑女のスポーツなので、プレーヤーのミスを少しでも誘発するような行為は避ける考え方が、現在まで脈々と受け継がれています」
「ただ昨今のライダーカップやプレジデンツカップでは、ティーオフするまでものすごい歓声が鳴り響いています。選手も応えていますし、一般的なプロの試合よりもギャラリーは楽しんでいるように見えます」
「今後、よりギャラリーを増やしていくためには、このようなエンターテイメント性も必要なのではないでしょうか」
日本では女子プロの試合はそれなりにギャラリーがいるものの、男子は試合によっては閑散としています。また、ギャラリーの年齢層も比較的高めなので、若年層をどのように呼び込んでいくのかが課題のひとつといわれています。
またレッスンプロの山本昌夫氏は、「静から動」のスポーツは大きな集中力がいるため、観客は静かに見守るのが一般的だと話します。
「野球やサッカー、バスケなど、対戦相手に応じて動くスポーツよりも、ゴルフやアーチェリーのように対戦相手に左右されず、自分自身が主体となり動くスポーツのほうが、一時的に大きな集中力が必要です」
「そのため、ギャラリーは選手の集中力を削ぐことがないように黙って見守ります。たとえばテニスのサーブ時やサッカーのPK時なども、動き回っているときに比べて、観客は静かになる傾向があります」
このように、スポーツの特性によってギャラリーの在り方も変化するので、一概にゴルフが紳士淑女のスポーツだから静かにしなければいけないわけではなさそうです。
アマチュアは静かすぎるとミスショットを招く可能性も
プロゴルファーは静寂のなかで最大限のパフォーマンスを発揮できますが、アマチュアの場合は、逆にミスショットになる可能性もあると飯島氏は話します。
「普段のラウンドでは、仲間と和気あいあい楽しみながらプレーしている人が、たまに名門コースにいくと、変に緊張して黙ってしまい、ミスショットが多くなるのはアマチュアあるあるです」
「競技ではなく娯楽としてゴルフをプレーしているので、『多少しゃべりながらのほうが気楽に打てる』のであれば、同伴競技者が許すかどうかにもよりますが、常識の範囲内で会話をしながらプレーしてもいいと個人的には思います」
「しかしインパクト時に故意にクラブで地面を叩いたり、大きな声を出したりしてミスを誘発する行為が厳禁なのは言うまでもありません」
プロより体力の少ないアマチュアが、常に気を張ってプレーしていると後半に疲れてしまうことも考えられます。適度な緊張感を持ってプレーすると、ベストパフォーマンスを発揮しやすいかもしれません。
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