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- 全国のゴルフ場が「バミューダ芝グリーン」に変わるかも!? 酷暑に泣いたコース管理の苦労話
信じられない暑さが続いた今夏、ゴルフ場のコース管理にとっても厳しい期間だったといいます。そこで、酷暑での苦労話を聞きました。
あまりの暑さに散水は朝4時に変更
2023年の夏は過去に例のない記録的な暑さになりました。その暑さが9月以降も続いており、さらに10月も続く見込みという予報が出ています。ゴルファーにとってはプレー日の設定が悩ましい状況になっています。
でも、ゴルファー以上に大変なのはゴルフ場です。ゴルフ場は芝生という生き物を管理しています。多くのゴルフ場のグリーンで使用されているベント芝は寒地型の洋芝ですから、そもそも日本の高温多湿な夏には適していません。
そのベント芝を日本の夏にも耐えられるように品種改良したニューベントと呼ばれる数々の品種が開発されたことで、ベント芝とコウライ芝の2グリーンからニューベントの1グリーン化が進んだ歴史があります。
ところが2010年代に入ってから日本の夏が異次元の暑さになってきました。今までと同じやり方では芝生の健康状態が適切に管理できなくなっています。
今年のプロゴルフトーナメント開催コースでもグリーンやフェアウェイのコンディション維持に苦戦したことが明らかな試合がいくつかありました。
ゴルフ場関係者に話を聞いたところ、運営コースの1つで雨がほとんど降らずに水不足になり、グリーンの芝生の一部が焼けてしまったそうです。
「雨が降らないときは例年ではあれば夕方にスプリンクラーで散水するのですが、今年は夕方になっても気温が下がらず、芝生にお湯をかけているような状況になっていました。それだと芝生の健康状態に悪影響を及ぼしますから、どうしようか考えて朝4時に散水することにしました」
「ただしウチのゴルフ場はスプリンクラーの作動をタイマーで設定できるシステムはありません。バルブを手動で回さなければなりません。コース管理スタッフの出社時間は通常であれば5時台ですが、4時に出社して散水するのが大変でした」
水不足のゴルフ場もあれば水びたしのゴルフ場もあった
一方で、水不足で悩んだゴルフ場から20~30キロの距離にある別のゴルフ場では雨が降り続き、フェアウェイが水びたしになってコンディションの回復に苦労していたそうです。前出のゴルフ場関係者は次のように話します。
「そんなに雨が降ったなら、こちらにも分けてほしかったですが、そういうわけにはいきませんよね。山を一つ越えただけで、そんなに天気が違うとは驚きました」
今夏は猛暑日が続いた印象が強いですが、線状降水帯が全国各地で発生しました。線状降水帯に見舞われた地域のゴルフ場は水不足ではなく水びたしの状態からコンディションをどうやって立て直すかという課題を突きつけられました。
ゴルフ場関係者にとってさらに頭が痛いのが、このような天気が今年1年限りではなく、もう何年か続いていることです。
2023年の夏は2022年と比べてもとりわけ暑かったですが、2024年が平年並みの暑さに戻る保証はどこにもありません。むしろ今年と同じ暑さか、それ以上に暑くなると覚悟しておいたほうがいいでしょう。
ニューベントの1グリーン化の流れは近年の猛暑で完全にストップし、やっぱりグリーンは2つあったほうが安心という流れに戻っています。
このような天気が来年以降も続くのであれば、沖縄のゴルフ場のように本州のゴルフ場でもグリーンをバミューダ芝に張り替えるという選択肢が出てきそうです。
沖縄や東南アジアのゴルフ場のグリーンで使用されているバミューダ芝は暖地型の洋芝で、暑さや乾燥に強い性質を持っています。元々は芝目が強い品種ですが、近年は品種改良によってベント芝のように滑らかに転がる品種も開発されているようです。
すでに本州でもベント芝とバミューダ芝の2グリーンで営業しているゴルフ場は増えています。今夏の酷暑によって、その流れが加速するかもしれません。
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