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- バブル時代に開場した多くのコースで老朽化が深刻に… ゴルフ場を悩ます「修繕費問題」とは?
従業員の人件費やコースメンテナンスコストなど、通常営業を続けるために必要なコストは多額です。そして最近は、1990年前後に開場した多くのゴルフ場を中心にクラブハウスなどの老朽化が深刻な問題になっているといいます。
開場当時の図面を紛失すると修繕工事が大規模に
ゴルフ場運営には多額のランニングコストがかかります。特にコースメンテナンスは高額で、18ホールのゴルフ場であれば年間約1億円かかるといわれています。
それに加え、開場から30年ほど経てばクラブハウスなど施設の老朽化も目に付くようになります。
一見、豪華でキレイなクラブハウスも内部の配管やボイラーといった設備は修繕、取り換えが必要となってきています。それら費用はどれぐらいになるのでしょうか。ゴルフ場関係者に聞いてみました。
日本のゴルフ場は開場から約30~40年経った所が数多く存在します。一見キレイなクラブハウスでも、配管などの普段見えない箇所が老朽化して修繕が必要となり、この費用がゴルフ場の悩みの種となっているそうです。
「費用がかかることはもちろんのことですが、厄介なのは当時の図面がないことなんです。そういう場合は一度地面を掘り返す必要があり、より大規模な工事をしなければ修繕箇所がわからないのです」と、あるゴルフ場の支配人は話します。
毎年どこかの修繕を行い、その度に多額の費用がかかっているそうです。しかし、営業ができなくなるような深刻な事態を防ぐためにも、修繕はやらないわけにはいかないのが現状なのです。
あるゴルフ場の関係者は、「工事の規模や業者によって変わると思いますが、例えばコースの法面修繕であれば2000万から、ガソリンなどを貯蔵する地下タンクなら500万ぐらいの費用がかかります。空調関係なら1区画(更衣室くらの規模)で軽く100万円以上はかかりますね」と話してくれました。
その他にボイラーの水漏れで80万円、クラブハウスの修繕に使う足場を組むだけでも約200万かかるそうです。
そんな維持管理費用も年々上がっているといいます。「10年前にクラブハウスの塗装の見積もりを出しました。その時には結局施工しなかったのですが、最近新たに見積もりを出したら、金額が2倍近くに膨れ上がっていました。10年前にやっておけばよかったと後悔しています」なんて話も聞かれました。
材料費だけでなく、人件費なども高騰していて、修繕費用も上がり続けているのでゴルフ場にとってダメージは少なくないそうです。
今後はシンプルな低コストクラブハウスが増加する?
コースや建物以外でコストが掛かるのが乗用カートです。今やほとんどのコースにある乗用カートも老朽化や故障等で買い替える必要があります。
新車になると高いもので1台約200万円になるものもあります。古くなったからといって、同時に全て入れ替えることはできないので、最近では中古カートを購入したり他のコースのカートを譲ってもらったりしてコストを削減しているそうです。
さらに、多くのゴルフ場で見かけるリモコンで動く電磁誘導カートは、道路に埋設された誘導線に従って動きます。誘導線の導入工事は9ホールで9000万円掛かる場合もあるそうですが、これが断線した場合もその都度修繕が必要になってくるのです。
これだけ毎年どこかを修繕するとなると費用はかさむ一方です。あるゴルフ場の副支配人は、「思い切ってクラブハウスを建て替えるという判断は、この先の営業で回収の見込みが確実でないとできません。今後は建て替えたとしても、完全セルフスタイルの営業に対応したような簡易的なクラブハウスが多くなると思います」と話します。
建て替えるという選択が取れないほとんどのゴルフ場は、毎年少しずつ修繕していくことになります。来場ゴルファーが快適にプレーできるように、ゴルフ場側は日々、修繕費用に頭を悩ませているのです。
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