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- 美しい芝生の最大の敵は“人手不足”!? 全盛期は20人いたコース管理スタッフも現在は?
ゴルファーが快適にプレーするために、ゴルフ場では日々コース管理者が芝刈りなどのコースメンテナンスを行っています。多くのゴルフ場はいつ行ってもキレイな状態に保たれていますが、どのような管理体制で、芝刈りの作業はどのくらいの頻度で行われているのでしょうか。
グリーンは毎日芝刈りが必要
ゴルフ場では美しい状態を保つために定期的にフェアウェイやグリーンの芝刈りが行われています。では、ゴルフ場の芝刈りはどのような体制や頻度で行われているのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)に話を聞きました。
「グリーンの芝はボールの転がりに大きく影響するため、常に短く刈り込まれています。グリーンの状態がゴルファーの満足度を左右することもあるので、毎日営業前に芝刈りが行われています」
「本来であればフェアウェイやラフも毎日芝を刈った方が、“スポーツターフ”として相応しく美しい状態をキープできます。しかし、現実的には毎日コース内全域の芝刈りをするのは難しいです。ですから、例えばフェアウェイであれば週に1~2回程度整備をするのが一般的だと思います」
「日本のゴルフ場の多くは、ティーイングエリアやフェアウェイはコーライ芝、ラフは野芝、グリーンはベント芝やコーライ芝を採用しています。コーライ芝や野芝は温暖地向きの芝なので、冬になると冬眠状態に入って成長が止まります。ですので、フェアウェイやラフは11月の中旬から後半に“刈り止め”を行い、春が来るまでの数カ月は芝刈りを実施しない場合が多いです」
「一方で、北海道や東北などのゴルフ場では、寒冷地向きの洋芝が使用されることが多いので、冬でもクローズしている期間以外は作業を行っています」
「また、グリーンの芝は毎日同じ方向に向かって刈り続けると、意図せぬ芝目ができてしまい、ボールの転がる軌道に影響を与えてしまいます。そのため『今日は12時から6時方向、明日は3時から9時方向』といった具合に芝を刈る方向を毎日変えているそうです」
グリーンキーパーは毎日営業前にコースをチェックしている
では、ゴルフ場の芝の管理を担っているグリーンキーパーやコース管理者は、どのような体制で日々どのような仕事をしているのでしょうか。飯島氏は以下のように話します。
「グリーンキーパーはコース管理の最高責任者です。各ゴルフ場に1人だけいるのが基本で、営業前の朝5時頃にコース全体をパトロールし、どこかおかしな箇所がないかチェックします。さらに、天候や気候を考慮して実際に芝の様子を観察しながら管理計画を立てています」
「管理体制はゴルフ場によりますが、グリーンキーパーの補助をするサブキーパーが2~4人、さらにコース管理者が数人、芝刈り機などの機械の整備を行うメカニック担当が1人いてチーム全体が構成されていることが多いです」
「全盛期は総勢20人ほどで作業していたコースもありました。しかし、コストカットや人材不足など様々な理由で減少していき、現在は10~12人、ゴルフ場によっては6~8人で管理しているところもあります」
「人数が減れば当然管理が行き届かなくなります。『コースを美しく保つ』ことはゴルフ場経営において最も重要なタスクの一つです。ですから、様々な工夫をして人材確保に力を注がなければならないと感じています」
我々ゴルファーがいつも快適にゴルフができるのは、グリーンキーパーやコース管理者が朝早くから汗を流して作業してくれているから。これからも感謝の気持ちを忘れず、コースにリスペクトをもってプレーしたいものです。
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