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- パー5の2オン狙い “待ちチョロ”するくらいならサッサと刻むべき? イライラ防ぐ心理テク“グラウンディング”とは
パー5の2オン狙いに前の組がなかなか終わらないとき、グリーンが空くまで待つべきか、3オン狙いに切り替えてすぐ打つべきか。また待つことにしたときイライラする気持ちを抑える方法はあるのでしょうか。
プロはイーグルチャンスにつける可能性がないとトライしない
フェアウェイのど真ん中から打つ、短いロングホールの2打目。2オン可能なチャンスは、ゴルファーにとってこのうえなく心躍る場面ではないでしょうか。
ところが、こんな時にかぎって前の組がまだグリーンにいたり、全員がカップインしたあともキャディーさんに「念のため待ちましょう」と止められたり……。良い結果を早く出したいのに待たされてイライラしてしまうことが往々にしてあります。
このような状況を迎えたとき、グリーンが空くまで待つべきか、3オン狙いに切り替えてすぐ打つべきか。また待つことにしたときイライラする気持ちを抑える方法はあるのかも含めて、一般社団法人日本アンガーマネジメント協会ファウンダーの安藤俊介氏にお聞きしました。

「短いパー5の2打目を待つべきか、打つべきか。それは各プレーヤーのゴルフの目的によると思います。以前、あるトッププロがこう言うのを聞いたことがあります。『パー5で2オンを狙うかどうかは、そこにイーグルチャンスがあるかどうかで判断する。イーグルがとれないと思ったら狙わない』と。2オンさえすればよいのではなく、いいラインにボールをつけられそうならトライするが、イーグルチャンスにつく確率がきわめて低いのに、リスクをおかしてまで2オンを狙う必要はない。それなら初めから3オンでピンを狙いにいくほうが賢明なのでしょう。プロにとって、ゴルフの目的は最終的に賞金や順位かもしれませんが、それには1日1日スコアを積み上げていくしかありません。その重要性を身をもって知っているからこその判断基準だと思います」
「アマチュアの場合、ゴルフの目的は人によって大きく2つに分かれるのではないでしょうか。一つはナイスショット追求型。ナイスショットが打ててボールを遠くへ飛ばせれば、スコアがよくなくても気にしないタイプです。人より飛べばうれしい、パー5で2オンのチャンスがあればトライしたいし、達成できればそれだけで今日1日満足できる人でもあります」
「もう一つはスコア重視型。こちらは文字通り、1打でも少ないスコアで回りたいタイプです。いいスイングやきれいな球筋や飛距離に関心がないわけではありませんが、それ以上にスコアにこだわるためのコースマネジメントを優先する人です。この2つはどちらが良い悪いではなく、どちらがうまい・下手でもなく、楽しみ方の違いにすぎないと私は思っています」
スコアよりナイスショット優先の人は狙っても良いが…
では、短いロングホールの2打目を待った方がいいタイプ、打った方がいいタイプはそれぞれどちらでしょうか。
「まず、待たずに打った方がいいタイプから言うと、ご想像の通りスコア重視タイプです。一か八か、ナイスショットとナイスパットを続けて2オンイーグルに賭けるか、3打目に集中して3オンバーディーにトライするか。はじめから答えは出ていると思いますので、それに沿って3打目で得意な距離を打てるよう、きっちりレイアップするといいでしょう」
「一方、ナイスショット追求型の人は待った方がいいと思います。たとえイーグルをとれる確率が10%、いや1%だとしても、パー5で2オンできれば思いを遂げられるということなら、グリーンが空くまで待って打ち込みの危険や心配がない状態になってから心おきなく打つといいでしょう。気のおけない仲間から『どうせ乗らないんだから早く打てよ』くらいのツッコミが入るかもしれませんが、むしろそういうプレッシャーにも負けないでほしいですね」
「圧に負けないためには楽しみを待てないとなりません。『いい当たりならグリーンに届くかもしれない』期待と『早く打って早く結果を出したい』……はやる気持ちのなかで待つ。これは一種のお預け状態です。どうしてもイライラしたり集中力をなくしたりしがちですが、それでは楽しく待てません。2オンどころかとんでもないミスショットを招く恐れもあります」
ティーショットで会心の当たりが出たときほど“待ちチョロ”しがちというのはゴルファーあるあるです。待つ間にイライラしないための秘策はあるのでしょうか。
「アンガーマネジメントで、意識を別のことに向ける“グラウンディング”というテクニックがあります。たまたま手にしている何か、例えば、ゴルフのプレー中だったらグローブの指先を見つめ『穴が空きそうだ』『黒く汚れている』『伸びてきた』など感じたことを言うのです。お預け状態からほかへ意識をそらすのが目的ですから、意味を求める必要はありません。グラウンディングは本来怒りの反応を遅らせるテクニックの一つですが、イライラしている感情から離れるのにも有効です」
2オンに賭けるためにグリーンが空くまで待つ人は、安藤氏が教えてくれたテクニックをぜひお試しあれ。ただし、イライラせずに待てたけれど作戦失敗、2オンならず……その場合は、待ったぶんしっかりリカバリーに走るプレーファストの精神もお忘れなきようお願いします。
【解説】安藤俊介(あんどう・しゅんすけ)
米ニューヨークでの駐在員時代「アンガーマネジメント」に出会い、帰国後、一般社団法人 日本アンガーマネジメント協会を設立した。代表理事を経て現ファウンダー。ゴルフは4年前に再開してのめり込み、軽井沢と千葉でゴルフライフを満喫している。JGAハンデ6.2。
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