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- 実は狙い所じゃない!? フェアウェイに立つ黄色い旗や白黒ポールに秘められた深い役割
フェアウェイの途中に、グリーンでもティーグラウンドでもない場所に立つ黄色い旗や白黒のポールを見たことはありませんか? 装飾のようにも見えるこれらの旗には、実はゴルフ場の設計に欠かせない重要な意味があります。フェアウェイ中央に立つ「黄色い旗」──その正体は、プレーヤーの“狙い所”ではなく、コースを支える「基準点」でした。
フェアウェイ中央に立つ旗やポールの正体は「IPフラッグ」「IPポール」
フェアウェイを見渡すと、途中に黄色い旗や白黒のポールが立っているのを見かけることがあります。これらは「IPフラッグ(IPポール)」と呼ばれ、ゴルフ場の測量や設計段階で設定された**基準点**を示すための目印です。
ゴルフ場経営コンサルタントの飯島敏郎さんはこう説明します。
「IPフラッグは本来、ティーイングエリアからグリーンまでの中間地点を示す“測量上の基準”として設けられたもので、狙いどころを指示するためのものではありません」
つまり、フェアウェイに立つ旗はもともと「戦略的な目印」ではなく、距離や角度を正確に測るための基点として設けられたものです。設計段階では、グリーンやハザードとの位置関係を把握する目的で使われ、その後も目安として残されるケースが多いといわれます。

ただし、現代のゴルフ環境では、この旗がプレーヤーにとって「おおまかな狙い所」を示す役割も果たしています。セルフプレーが一般化した今、キャディーの助言が得られない状況では、IPフラッグは「フェアウェイ中央を示す目印」としてショット方向を定める参考になっています。
もっとも、旗の立つ場所が“ベストポジション”であるとは限りません。グリーンの角度やバンカーの配置によっては、左サイドや右サイドを狙ったほうが有利なこともあります。そのため、IPフラッグはあくまでコース中央のおおよその目安として捉えるのが基本です。
設計意図として「ここを狙うと良い」という意味ではなく、距離感や方向性をつかみやすくするための基準点と考えるとよいでしょう。戦略的にどのルートを取るかは、地形やホール設計に応じてプレーヤー自身が判断すべきです。
「IP」は“交差点”や“重要地点”を意味する 名称には複数の説
では、「IPポイント」の「IP」とは何を意味するのでしょうか。飯島さんはこう話します。
「IPは“インタークロスセクションポイント”の略ですが、ゴルフでは“インポータントポイント(Important Point)”と解釈する人もいます。ここを基準にプレーを組み立てると良いという目安として広まったといわれます」
ただし、本来IPフラッグが“戦略的な推奨ライン”を示すものではない点に変わりはありません。あくまでフェアウェイ中央を示す目印であり、プレーヤーにとっては地形を読むための参考点として位置づけることもできます。
それを踏まえたうえで、風向きや傾斜、ハザードの位置を考慮し、自身の飛距離や得意な攻め方を勘案して、IPラインからより左を狙うのか右を狙うのか考えることが重要です。
一方、ビギナーやエンジョイゴルファーにとっては、フェアウェイの方向をつかむための“道しるべ”として十分役立つ存在といえるでしょう。
IPフラッグを単なる目印ではなく「コース設計者の考えが込められた位置」として意識してみると、新たな発見があるかもしれません。
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