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- 台風が来たら“無条件でクローズ”というワケじゃない? 悪天候などで「ゴルフ場が閉鎖される線引き」を運営側に聞いてみた
台風シーズンになると、鉄道や航空機の運休がニュースで報じられることが多くなります。安全のために交通機関が止まるのは理解できますが、屋外スポーツの代表であるゴルフの場合、どの時点で「プレー不可」と判断されるのでしょうか。
台風でも営業できるかは「コースコンディション」が鍵
台風が接近すると、多くの人が「ゴルフ場はどのくらいのタイミングで閉鎖されるのか」と気になるかもしれません。なぜなら、ゴルフ場は飛行機や新幹線のように、明確な運行停止基準があるわけではないためです。
実際のところ、ゴルフ場の営業判断は単に「台風が来るから閉める」という単純なものではないといいます。では、ゴルフ場がクローズになる線引きとはどのようなものなのでしょうか。ゴルフ場経営コンサルティング飯島敏郎氏は次のように話します。

「ゴルフ場はただ単に台風が来る時に閉めるのではなく、ある条件が整ったら閉鎖することになっています。その条件とは、『ゴルフ場のコンディションが維持できない時』です」
「つまり、風や雨の程度だけでなく、コースの状態がどの程度保てるかが判断の分かれ目となります。たとえば多少の雨であれば、ゴルフは自然と向き合うスポーツである以上、プレー自体に支障がない場合もあります」
「しかし、線状降水帯による集中豪雨でコース全体が冠水すると、ボールが転がらず、普段のプレーが成立しなくなります。このような状況では、プレーヤーだけでなくコース管理者も安全確保と復旧作業を優先せざるを得ません」
「また、グリーンが水浸しになると、パッティングが困難になってプレーに支障をきたすため、排水を行って水を外に逃がす必要が出てきます」
「なめらかにボールが転がる環境を維持するためには、一定の時間をかけてコンディションを戻さなければなりません。そのため、復旧まで時間がかかる場合は、やむを得ずクローズになります」
このように、ゴルフ場の閉鎖判断は、自然現象そのものよりも、コースの安全性とプレー環境の維持が主な基準になっているのです。
命の危険があるとき、そして「通過後の安全」も判断材料
一方で、プレーヤーの安全を最優先に考えた場合、コース状態以外にも閉鎖を決断する要因があります。その要因について、飯島さんは次のように話します。
「風速20メートル以上や落雷など、命にかかわるリスクがある場合には、即座にクローズを決めます」
「なぜなら、強風によってボールやクラブが予想外の方向に飛ぶ危険があり、くわえて樹木の枝が折れるなどのケースにより、プレーヤーがケガをする恐れが出てくるからです」
「とくに、落雷は命に直結する危険があるため、雷鳴が聞こえたらプレーを中止し、避難することが重要です。くわえて、ゴルフクラブは金属製のものが多く、雷を引き寄せる可能性があるので、クラブを放り投げてでも逃げるようにしましょう」
「また、台風通過後の安全確認も欠かせません。通過後は風が収まって晴れ間が見えることもありますが、コースに倒木や折れた枝が散乱している場合があり、フェアウェイやカート道に倒木があると危険です。そのため、その整理や点検を行う必要があります」
「さらに、プレーヤーが安全にゴルフ場へ車で来場できるか、駐車場が冠水していないかなども重要な判断要素です」
このように、ゴルフ場がクローズする判断は単に「雨風の強さ」だけではなく、「通行・来場の安全性」も含まれるということです。
最終的には「自然環境の回復」と「人の安全」が整った時点で、再開の判断が下されるといいます。
※ ※ ※
台風によるゴルフ場のクローズは、単なる「雨風の強さ」ではなく、コースの保全と安全の両立を重視して決められます。
自然の力と向き合うスポーツであるゴルフはプレーヤーの安全だけでなく、コースそのものを守る努力によって支えられているといえるでしょう。
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