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- なぜ、自動運転の乗用カートはイライラするほど遅いのか?
ほとんどのゴルフ場に導入され、お世話になることの多い乗用カート。しかし、自走式カートと比較して、リモコンを操作して動かす電磁誘導式自動運転カートの遅さがどうしても気になるゴルファーは多い。「なぜ遅いのか」その理由を探ってみた。
「安全優先でスピードを抑えている」というのが最大の理由
日本のゴルフ場は1990年代までキャディつきの歩きプレーが主流でしたが、2000年代に入ってから乗用カートを利用したセルフプレーが一気に普及しました。
乗用カートは当初、ゴルファーが自分で運転する自走式カートが一般的でしたが、多くのゴルフ場は自動運転カートに切り替えていきました。電磁誘導式カートと呼ばれているもので、ゴルファーがハンドル操作をしなくても決まったルートを走行します。発進ボタンを押すと進み、停止ボタンを押すと止まります。
カートが無人の場合もリモコンで操作できるようになっており、上級者やプレーに慣れている者がリモコン操作を担当します。停止ボタンの操作を忘れてもティーイングエリアやグリーン周りでは一旦停止するように設定されており、前の組のカートとの衝突防止センサーもついています。
ただ、電磁誘導式カートは走行スピードが遅く、ゴルファーの評判はあまりよくありません。自走式カートでフェアウェイに乗り入れできるプレースタイルが最も人気が高いのですが、日本でそういうプレースタイルを採用しているゴルフ場は少数派です。なぜゴルファーのニーズに応えようとしないのでしょうか。
その理由をゴルフ場関係者に聞いたところ、最大の理由は事故防止でした。日本のゴルフ場は山間部に造られている場合、かなりのアップダウンがあります。そのようなゴルフ場で自走式カートを導入すると、スピードの出し過ぎによる衝突事故や転落事故が発生する危険性が高くなります。
実際、ゴルフ場に自走式カートが次々と導入されていた時期は、運転者の操作ミスによる痛ましい死亡事故が毎年のように発生していました。乗用カートはカジュアルな乗り物のように見えますが、5人乗りタイプだと重量が400キロ以上あり、横転して下敷きになったりすると本当に危険です。
しかも、当時はお酒を飲みながらプレーする人が今よりも多く、飲酒運転の危険性に対する認識も低かったので、ちょっとした気の緩みが思わぬ大事故につながっていました。また、ゴルファーに過失があっても、ゴルフ場が安全対策義務に対する責任を問われるケースもありました。
そこでゴルフ場はゴルファーの安全を優先するため、地中に電磁誘導線を埋設する設備投資を行い、電磁誘導式カートに移行していきました。走行スピードは何段階かの中から選べる設計になっているはずですが、そもそも事故防止を目的に導入しているため、最も遅い速度に設定しているゴルフ場が多いのだと思います。これは乗用カートの衝突防止センサーが人に感知しないので、接触事故が起こった際の被害を最小限にするためにもスピードを抑えています。
「フラットな場所ではもう少しスピードを出してもいいのに」と思うことは確かにありますが、カート乗車中に次のショットの戦略を立て、ボールの近くに到着したら速やかにショットの準備に取りかかることで、プレーにメリハリがつくでしょう。
地中に埋設された誘導線への配慮も必要
電磁誘導式カートは誘導線を地中に埋設し、その両サイドのタイヤの通り道をコンクリートで舗装しているパターンが多いです。真ん中はラフが生い茂っており、ボールが止まったときにそのまま打とうとする人がたまにいますが、ゴルフ場関係者が見たら悲鳴を上げます。なぜならば、アイアンでダフったりすると誘導線が切れてしまい、電磁誘導システムが作動しなくなってしまうからです。
電磁誘導式カートの普及が始まった時期には「カートは人に感知しないので、カートの前を歩かないこと」と「誘導線の上に止まったボールは必ず救済措置を取ること」をスタート前にゴルフ場スタッフから必ず説明されましたが、最近はそこまで詳しい説明を受けないことも多くなりました。
初心者のラウンドデビューをエスコートする際には、プレーのルールやマナーだけでなく、そういった点も含めてアドバイスしてあげる必要がありそうです。
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