1500円オーバーは当たり前! ゴルフ場のレストランはなぜ高いのか?

ゴルファーなら誰もが一度は感じたことがあるのが、「ゴルフ場の食事が高い」ということ。確かに豪華でおいしいのだが、ランチとしてはかなりの高額(1500~2000円程度)な場合が多い。どうして、ゴルフ場のランチは高額なのだろうか。

少ない客数なので単価がどうしても高くなる

 ゴルフを始めると「プレーは楽しいけど、レストランのメニューがなんでこんなに高いのだろう」と思わずにはいられませんでした。一番安いメニューでも1200~1300円で、ラーメンやカレーが1400~1500円、生姜焼きなどの定食メニューは1700円前後で、地元の名産品を使った名物メニューは2000円以上することもあります。

おいしいがどうしても高額になりがちなゴルフ場のランチメニュー

「普段のランチは500円以下や1000円以下で済ませてプレー代を捻出しているのだから、ゴルフ場のレストランも1000円以下のメニューをせめて1~2品は用意してくれないかな」と感じます。

 ゴルフ場レストランのメニューが高い理由をゴルフ場関係者に聞くと、次のような答えが返ってきます。

「ゴルフ場はお客さんがたくさん入っているように見えても、18ホール営業のゴルフ場で1日50組200人程度です。その人数に対してレストランの調理スタッフや配膳スタッフを配置すると、どうしても一品あたりの単価が高くなってしまうのです」

 客数が決まっているのであれば、それを前提に人件費や食材費をゼロから見直すべきではないかと思うのですが、日本のゴルフ場の多くはメンバーシップコースなので、メンバーが高いメニューでも文句を言わず食べている限り、ビジター(メンバーではない来場者)もそれに従うしかないというのが実情です。

 2000年から05年にゴルフ場の経営交代ラッシュが起こった時期には、レストランのメニューを少しでも安くするように工夫するゴルフ場もありました。

 当時流行したのはランチバイキングで、ゴルフ場はたくさんの料理を効率的に作り、ゴルファーも好きな料理を好きな量だけ食べられるので、料金に対する満足度が高いと好評でした。ただ、新型コロナウイルスの流行によってランチバイキングは衛生面の配慮から実施が難しくなっています。

 また、レストランのメニューを安くするわけではないのですが、メニューを安く見せるために昼食つきプランを設定するゴルフ場も増えました。1500円以下のメニューは追加料金なしで、それ以上のメニューを注文する際はプラス200円といった表記にすることによって、高いメニューも気軽に頼めるようにしました。これは今でも実施しているゴルフ場が結構あります。

食事の持ち込みは衛生上なかなか難しい

 一方で、ハーフ終了時点でレストランに行って昼食を食べ、その後に残りのハーフをプレーするという営業スタイル自体がそもそも日本特有のものです。海外のゴルフ場は18ホールスループレーが一般的ですし、ハーフ終了時点でクラブハウスに戻ってこないレイアウトのゴルフ場もあります。

メニュー表には高額な商品が並ぶ

 アメリカのリゾートコースなどではキッチンカーがコース内を走っており、そこでホットドッグを買って、食べながらプレーするようなスタイルもあります。日本でもそういうコース運営を目指すゴルフ場がいくつか出てきました。

 ただ、クラブハウスにレストランがあるにもかかわらず、それを使わずに営業するというのは効率が悪いようで、やはりレストランを営業することに固執するゴルフ場が多かったようです。

「レストランとしては営業せずに、食事の持ち込みOKにして、ランチを食べる場所として提供するだけにしたら?」という提案をゴルフ場関係者にしたこともあるのですが、食事の持ち込みOKにするのも衛生上の問題などでゴルフ場が推奨するのは難しいとのことでした。

 ちまたのレストランに大衆店と高級店があるように、ゴルフ場レストランも多様化すればいいのに、と思いますがなかなか難しいようです。ただ一つ、ゴルフ場関係者にお願いしたいのは、生ビールとノンアルコールビールの値段がまったく同じなのはどう考えても納得できないので、ノンアルコールビールやソフトドリンクは気軽に頼める値段で提供して欲しいものです。

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渋野日向子と吉田優利 写真:Getty Images
左から青木瀬令奈、勝みなみ、原英莉花 写真:Getty Images
小祝さくらと渋野日向子 写真:Getty Images
おいしいがどうしても高額になりがちなゴルフ場のランチメニュー
メニュー表には高額な商品が並ぶ

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