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- 「飛ばしたければ知っておきたい」今さら聞けないヘッドスピードと飛距離の関係
「ヘッドスピード」という言葉は、ゴルファーなら一度は耳にしたことがあるかもしれません。なんとなく、ヘッドスピードは速い方がいいと考えがちですが、そもそもヘッドスピードとはなんなのでしょうか? また、飛距離とはどのような関係があるのでしょうか?
そもそもヘッドスピードって何だ?
ヘッドスピードとは、スイング中のインパクト直前にクラブヘッドが進行方向へ移動する時の速度を示します。ヘッドスピードが速いほど、より遠くへ飛距離を出せる可能性が高まります。

例えばドライバーショットの場合、ヘッドスピードが約0.45m/s高まると、最大3ヤードの飛距離アップに繋がるといいます。
トーナメント中継でヘッドスピードや飛距離を測定し、PGAツアープロの約80%以上が練習時に使用しているという弾道計測器「トラックマン」。
トラックマンのデータによると、USPGAツアープロ(以下:米男子プロ)の平均は50.5m/s、USLPGAツアープロ(以下:米女子プロ)の平均は42.0m/s、これは、ハンディキャップ14.5の男子アマチュアゴルファーとほぼ同じです。そして、ハンディキャップ15の女子アマチュアゴルファー(以下:女子アマ)の平均は35.3m/sとなっています。
ここで興味深いのは、米女子プロの平均キャリーは218ヤードで、ハンディキャップ14.5の男子アマの平均キャリーは214ヤードと差があることです。
これは、米女子プロと男子アマでは平均の「ミート率」(ボールスピードをヘッドスピードで割った数字)が異なるためです。米女子プロは1.49に対して、男子アマは1.44と、ヘッドスピードに対するエネルギー効率は、よりミート率が高い米女子プロが上回っています。
昔から言われる「女子プロは男子アマチュアゴルファーより飛ぶ」と言われる理由はココにあります。
飛距離アップにはヘッドスピードを速くすることが近道
もし、あなたが飛距離アップを目指すなら、主な方法として、
・ヘッドスピードを上げる
・ミート率を上げる
このいずれかが有効になります。それでは、実際にヘッドスピードを上げるには、どのような練習方法があるのでしょうか?

ヘッドスピードを上げる為の効果的な方法のひとつに、「オーバースピードトレーニング」が効果的だとクラブフィッター兼レッスンプロの北野達郎氏は話します。
「オーバースピードトレーニング」とは、ゴルファー自身の能力で出すことのできる最大のヘッドスピードを超えるようなスピードを体験させます。そうすることで、脳からの指令を変えて、いつもよりも速いスイングができるようにする、というトレーニング方法です。
具体的には、普段使っているドライバーより「軽いクラブやスティック」を振ることによって、限界を越えたスピードを体に覚えさせます。繰り返し、速いヘッドスピードを体感する事で、通常のドライバーのスイングスピードも上げていくというものです。
この「オーバースピードトレーニング」理論に基づいた練習器具も数多く発売されています。
今年50歳で全米プロを制したフィル・ミケルソンや、昨年の全米オープンを制したブライソン・デシャンボーなどがこのトレーニングによってヘッドスピードアップを実現したと言われています。
また、クラブを工夫するのもヘッドスピードアップには有効です。あえて、軽いクラブを使用してヘッドスピードを上げる方法もあります。
B・デシャンボーのドライバーヘッドは、約185~195グラムと言われており、この重量は、その他の海外メーカーの市販品のヘッドに比べて約5~10グラム軽く、レディース用のドライバーヘッドの重量に近いです。
しかし、単にヘッド重量を軽くするだけでは、仮にヘッドスピードや他の条件が同じインパクトだと、ボールに伝わる力は落ちてしまいます。そこで、その力を増やすために、ヘッドを軽くしたぶん、シャフトを長くする事でヘッドスピードをアップさせます。そこで、初めて「ヘッドを軽くするメリット」が生まれるのです。
一般的にはシャフトが1インチ(2.54センチ)長くなれば、ヘッドスピードは約1m/s速くなると言われています。P・ミケルソンは全米プロに優勝した際に使用していたドライバーは、普段より長い47.9インチで、ヘッド重量も普段より軽い188グラムの特注ドライバーだったそうです。
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このようにヘッドスピードはトレーニングや練習で上げる方法もあれば、クラブを工夫する事で上げる事も出来ます。ツアープロもその両方の方法を試したりすることで、1ヤードでも飛距離を伸ばそうと日々努力しています。ぜひ、ヘッドスピードアップに取り組んでみてはいかがでしょうか?
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