ヘッドに傷をつけないためショットごとにつけるのが理想的
ドライバーやフェアウェイウッドなどヘッドが大きいクラブは、新品で購入する際にヘッドカバーが同梱されているのが一般的です。

アイアンも商品によって1本ごとにヘッドカバーがついているものもあります。
ゴルフクラブにヘッドカバーがついているのは、クラブヘッドに傷をつけないためです。そう考えると、ヘッドカバーはショットを打つとき以外は常につけておくのが理想的です。
でも、実際にラウンドが始まるとショットのたびにヘッドカバーを着脱するのは、わずらわしいと感じるゴルファーは一定数います。
そういう人はラウンド開始時にヘッドカバーを外して乗用カート後方のカゴの中に入れ、ラウンド終了時に再び装着しています。
セルフプレーの場合はそれで問題ないでしょう。クラブヘッドに傷がつく可能性はありますが、それよりも本人がスムーズなプレーを優先しているのですから、周りがとやかく言うことではありません。
ただし、乗用カートで移動する際にクラブヘッドがぶつかる音がガチャガチャ響き、同伴プレーヤーに不快な思いをさせるようでしたら、多少の気遣いが必要かもしれません。
たとえばドライバーとフェアウェイウッドとユーティリティークラブのヘッドカバーをすべて外していることでクラブヘッドがぶつかる音が響いているとしたら、使用頻度の低いクラブのヘッドカバーをつけておくことで接触音はかなり緩和されます。
キャディつきプレーの場合、ヘッドカバーはショットごとに着脱するように対応しているゴルフ場がほとんどです。クラブヘッドに傷がつくとトラブルの原因になる可能性がありますから、そのような事態を防ぐためです。
ですから「ヘッドカバーはすべて外しておいてください」とお願いしても「ドライバー以外のヘッドカバーはショットごとに私のほうで着脱させていただきます」という答えが返ってくることが多いと思います。
そういうときは「それではドライバーだけヘッドカバーを外しっぱなしで大丈夫です」というふうにゴルフ場のスタンスに身を委ねるのがスマートです。
ヘッドカバーを持っていないゴルファーが増加中
ところが最近は、そもそもヘッドカバーを持っていないゴルファーを見かける機会が増えました。その理由を聞いてみると、中古ショップやネット通販でクラブを購入する際にヘッドカバーがついておらず、ヘッドカバーを追加で購入するのは割高になるため、そのまま使用しているそうです。

「中古クラブは購入した時点でヘッドに傷がついているので、ヘッドカバーをつける必要性を感じません。新品のクラブを購入したら意識が変わるかもしれませんが、今のところヘッドカバーを購入する予定はありません」
今は中古クラブを購入してゴルフを始める人が多数派ですから、今後もこのようなゴルファーが増加するのは間違いなさそうです。
新規ゴルファーがヘッドカバーを購入しない理由の一つに、ヘッドカバーの単品がけっこう高いということもあるようです。ゴルフショップで新品を購入しようとすると平気で3000~4000円します。その金額を出せば中古ショップでクラブがもう1本買えます。
クラブヘッドに傷をつけたくないのはゴルフクラブが高級品であったからです。ゴルフクラブに対して高級品という意識がなければ、ヘッドを保護する気にもならないでしょう。
ヘッドカバーの起源は、大正時代に総合商社・鈴木商店ロンドン支店長の高畑誠一氏が現地で手に入れたドライバーを家に持ち帰る際、傷がつくのを恐れて使い古しの靴下をヘッドにかぶせたことだそうです。
今後はもしかしたらクラブヘッドに傷をつけないためではなく接触音を防ぐため、使い古しの靴下をかぶせる時代になるかもしれません。