プレーも風呂も運転もせっかちすぎ!“逆マイペース”な人をコントロールする「Let's構文」とは? | e!Golf(イーゴルフ)|総合ゴルフ情報サイト

プレーも風呂も運転もせっかちすぎ!“逆マイペース”な人をコントロールする「Let’s構文」とは?

野上雅子

2022年4月24日

ライフ

ゴルフでは「プレーファスト」が何よりも重んじられますが、前の組に遅れてもいないのにとにかく急ごうとする“逆マイペース”な人もいます。せっかちな気質の人に少しスローダウンしてもらうにはどうしたらいいでしょうか?

主語を「You」から「We」にすると協調しやすい

 ゴルフでは「プレーファスト」が最優先のマナーとして認識されていますが、何事にも「ペース=歩調や進度」というものがあります。特にゴルフでは、同伴者によって自分のペースが乱されやすく、ストレスを感じたり、自分の準備やプレーができなくなったりすることがあります。

 それだけでなく、早く打ちたいがために、前の組との距離をしっかり確認せずに打ち込んでしまったら、事故やトラブルの元になってしまいます。今回は「せっかちすぎる人」と回った時の対処法を考えてみましょう。

とにかく早いスタートを好むのもせっかちな人の特徴

「せっかちな方と回る時は、徹底して『Let’s構文』を使うと効果的です」

 そう教えてくださったのは、さまざまな企業の社員研修や講演会、またプロゴルファーへの接客指導などを行なっている人材教育会社(株)エミー代表取締役をつとめる渡辺満枝さんです。

「~しましょう」というニュアンスの「Let’s構文」なら、誰にでも使えそうなやさしい言い方ですね。

「『Let’s』によって主語が『You』から『We』に変わるのがポイントです。例えば、『まだ打たないでください』『打つ人の前に出ないでください』と言い切ってしまうと、『あなたがそうしてください』という指示や命令に聞こえて、相手の方はカチンとくる場合があります。けれども『Let’s』なら『私もそうしますね』という協調姿勢がにじみ出るため、相手に伝わりやすいからです」

 スロープレーはいけませんが、せっかちすぎる……そういう方に何も言わなければ、せっかちな行動は変わりません。ただし、伝えることが重要とはいえ、ゴルフで1日を共にするのですから、自分も相手も気分の悪いラウンドにならないような表現が大切だと渡辺さんは言います。

 では実際、せっかちな人に少しペースダウンしてもらうなどして自分のペースを守るには、どんな言い方をしたらいいのでしょうか。プレー中の3つの場面を思い描いて渡辺さんにアドバイスしていただきました。

朝、スタート前の「Let’s構文」

A「私は練習しますが、○○さんはどうなさいますか?」

 自分が大切にしている朝のルーティン(練習=ショット、パット)、クラブハウスでお茶を飲む、洗面所に行くなど)を説明し、Aのように相手の意向を尋ねます。

B「スタート時間の10分前にティーイングエリアで集合しましょう」

 相手も練習する場合は一緒に行動しますが、相手が行かない(しない)という場合はBのように言って別行動をとりましょう。Let’sを使えば失礼にならず、自分のペースでしっかりといつもの準備をすることができます。

C「もうすぐ空きますので、お待ちください」

 朝の練習場では、同伴者でなくてもせっかちそうな人に遭遇することがよくあります。例えば、練習場の打席が埋まっている時に自分が打っている後ろでウロウロされたら、落ち着いて練習できません。そういう場合はCのように声をかけましょう。大体の人は、ウロウロするのをやめてくれます。

ラウンド中の「Let’s構文」

・ティーイングエリア

A「プレー中は、各ショットとも前の組へ打ち込まないように、お互いに確認しあいましょう」

B「前の組がプレーしていますので、離れて待ちましょう」

 ゴルフで重視すべきは安全と進行です。せっかちな方はとにかく進行が大事だと考えていると思いますが、安全面はそれより優先されるものです。それをベースにして、A、Bのように安全面に配慮したペースでいきましょうと伝えるといいですね。

・フェアウェイ

A「危険ですので、ショットの前に出ないようにしましょう」

B「ロストボールをしないように、みんなのショットを見ていましょうか」

 せっかちな人は、自分が打ち終わるとサッサと歩きだしがちです。他人はその行動が気になってショットに集中できなかったり、プレーが雑になってしまったりしますよね。そういう傾向があれば、次の人がショットを打つ前に、Aのように誰にともなく危険に対する注意を促す言い方をするといいでしょう。同伴者みんなの打球がロストボールにならないように、というBも、せっかちな方に伝わりやすい言い方だと思います。

・カート

「すみません、ちょっと待っていただけますか!」

 せっかちなあまり、同伴者がまだきちんとカートに乗っていないのに走り出すことがあります。まだシートにお尻が乗っていないのに動き始めたり、片足をカートに乗せた途端に動き出したりしたら大変危険です。この場合は「Let’s構文」にとらわれず注意喚起をすべきです。いつもより張った声でやや早口で言いましょう。

ホールアウト後の「Let’s構文」

・お風呂

A「プレーの後お風呂に入って帰りますが、よろしいですか?」

B「お風呂に入って帰りますので、○時△分頃の出発でよろしいですか?」

C「すみません、先に上がっていらしてください」

 相手がせっかちな人と知っている場合だけでなく、誰かと車の同乗を約束したときは、お風呂に入らない人もいますから、Aのように事前にお断りしておくのがいいでしょう。事前に言い忘れてしまった場合はBのように、言い方に気をつけながらこちらの都合を知らせます。出発時間を伝えたら、相手がお風呂に入っても入らなくても、出発までは自由行動です。ゆっくり湯船に浸かっても、大好きなサウナに入ってもいいでしょう。もし相手がもうお風呂から上がりたいような感じを受けたら、Cのように声をかけます。どうぞ無理なくと相手を気遣うと同時に、私はもう少し入りますので、というニュアンスが伝わります。

・車中

 A「途中、少し休憩してもよいですか?」

 B「次のサービスエリアでお手洗いに行ってもよろしいですか?」

 道路が渋滞していようと相手が運転疲れしていようと、少しでも早く帰りたくてイラ立つ人がいます。しかし、長距離運転の多いゴルフの帰り道で無理は禁物です。自分がハンドルを握っている場合は、どんなに急かされてもAのように断ってから休憩し、体を動かしてリフレッシュしたり、ガムやコーヒーで眠気を覚ましたりしましょう。せっかちな人が運転者で、同乗させてもらっている場合はBのように言うといいでしょう。「Let’s構文」というより、許可を求める「May I?」構文になりますが、トイレ休憩なら取らざるを得ませんし、こう丁寧に聞かれると、相手も気分良く「もちろんです。私も今のうちに行っておきます」と返しやすいからです。

「最初にお話ししたように、せっかちな方は何も言われなければ行動を変えませんし、相手が『こうしてほしい』と思っていることに気がつかないものです。ですから、その都度『Let’s』を使って伝えましょう。いい気分で回れたことによって、次にラウンドをするときは、相手のせっかち度が一段階低くなっているかもしれません」(渡辺さん)

 マナーの達人のアドバイスを実行すれば、せっかちな人とも楽しく1日を過ごせるようになりそうです。

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たくさんのチェック項目を意識して構え、ストロークするのがミスの元。時間がかかり、体が硬直してスムーズに動けない
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打つまでに時間をかけるほどミスしやすくなる。20秒以内に始動することがパット上達の近道
ボール後方に立ち、パッティングをする自分の姿を想像する。その映像の中に自分が入っていくイメージを持てば体がスムーズに動く
映像化した自分に重なり合うようにアドレスしたら、“後ろから見ている自分”を想像するとスムーズにストロークできる
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