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- 毎夜繰り広げられている「ゴルフ場VSイノシシ」 一般ゴルファーが知らない熾烈な戦いとは
長くゴルフをやっていると、遭遇することもある「イノシシに荒らされたフェアウェイ」。本当にメチャクチャで、元通りになるにはどれぐらいの時間を要するのか想像もできません。そうならないためにも、ゴルフ場は日夜イノシシと戦いを繰り広げているそうです。
イノシシが夜中に侵入してフェアウェイやラフを掘り荒らす
ゴルフ場に行くとキャディマスター室前に、「イノシシが侵入したためコース内に堀り荒らされている箇所があります。修復には最善を尽くしております。ご迷惑をおかけして申し訳ございません」という注意書きが出ていることがあります。
堀り荒らされている箇所に行くと、芝生が広範囲でめくられており、土がむき出しになっていてビックリします。なんでイノシシはこんなことをするのでしょうか。ゴルフ場関係者に聞いてみました。
「イノシシはミミズが好物と言われていまして、夜中に連隊でやって来て、土の中に鼻頭をグリグリと突っ込んでミミズを探しているようです」
「そのため、グリーンのところには行かないのですが、フェアウェイとかラフの土をほじくり返して、ブルドーザーが通った後みたいな状態になります」
でも実際は、イノシシの生態研究結果によると、土をほじくり返して遊ぶのが単純に好きみたいです。
「ウチのゴルフ場は以前、大きなワナを仕掛けたり、夜間に巡回したりして、イノシシを追い払おうとしました。しかし彼らのほうが優秀で、人がいなくなってから敷地内に侵入してコースを荒らすんですね」
「それで困ってイノシシ対策の業者に相談したところ、外周に電柵を設置することにしました。6~7年前に電柵を設置してからはイノシシ被害がなくなりました」
「イノシシ対策の電柵は、5000ボルトの電流が彼らの一番敏感な鼻頭に当たるように設置します。そうすると彼らは相当ビリビリするらしく、『あそこにはもう絶対に行かない』ということを覚えるみたいです」
イノシシ対策の電柵は多くのゴルフ場に設置されていますから、見かけたことがある人もいるでしょう。ひざ下くらいの高さに上下二列の柵が設置されており、イノシシの侵入を防いでいます。
最も効果的なイノシシ対策は電柵の設置
ただ、ゴルフ場の敷地は広大ですから、電柵の設置範囲も相当な距離になるのではないでしょうか。
「ウチのゴルフ場は27ホールで、外周を張り巡らせるのに約12キロメートル。設置費用は100万円くらいでした」
イノシシ対策に100万円というのは決して少ない金額ではありませんが、被害の甚大さを考えると費用対効果は高いかもしれません。
「私もそう思います。フェアウェイやラフを掘り返されて、それを修復する費用を考えると、電柵の設置は悪くない投資です」
ただ、電柵が何かの拍子に切れてしまい、機能しなくなってイノシシが再び侵入するようになったゴルフ場の話も聞きます。
半永久的にイノシシの侵入を防げるわけではないですから、ゴルフ場とイノシシの熾烈な戦いは今も全国各地で続いています。
別のゴルフ場関係者に聞いた話では、ゴルファーがゴルフ場でうり坊(イノシシの子どもの愛称。体にシマ模様があり、縞瓜に似ていることからそう呼ばれる)の姿を見つけたとき、かわいいので写真に撮ってSNSにアップすることが多いそうです。
でも、ゴルフ場にうり坊がいるということは、その近くにイノシシがいる可能性が極めて高いわけです。SNSの投稿を見つけるとただちに警戒態勢に入るとのことでした。
イノシシは夜行性の動物だと思われていますが、彼らは人間を警戒して夜中に活動しているだけで、本来は昼行性。うり坊は警戒心が少ないので昼間でも人間の前に姿を現します。
そして万が一うり坊が見つからなくなったりすると、親イノシシは凶暴化して夜中に縦横無尽に探し回るそうです。その場所がゴルフ場の敷地内だと、とんでもない状態になるとのことでした。
イノシシがゴルフ場に頻繁に出没するということは、ゴルフ場の敷地が元々、彼らの縄張りだったのではないかという指摘もありますが、それは違うようです。
イノシシは本来、もっと静かな山奥に住みたいのですが、そのような環境が少なくなってきたため、彼らのほうがゴルフ場に近い場所を好んでいるというのが実情です。
ゴルフ場にとっては迷惑な話ですが、イノシシも人間の存在に迷惑しているのでお互い様なのでしょう。
ゴルファーがイノシシの姿を見かけることはほとんどありませんが、イノシシがコースを荒らした状態を見かけることはあると思います。そのときはゴルフ場関係者の心中を察し、修理地扱いで淡々とプレーすることをオススメします。
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