鍵を握るのは「アプローチ」と「パター」
ゴルフは老若男女が楽しめる「生涯スポーツ」と表現されることがあります。一昔前は、ゴルフを楽しむにはお金がかかるという風潮もありましたが、現在では、一定の性能が備わっている格安なクラブが登場したり、ゴルフをカジュアル化しようという流れもあるため、幅広い年齢層の人がゴルフを楽しんでいます。

さらに、ゴルフは野球やサッカーなど他のスポーツと比べてもプレーヤーとしての寿命が長く、シニアになってからでも活躍しているプロゴルファーは多数います。そのため、大人になってからゴルフを始めても一定以上の上達は見込めると言えます。
では、なぜゴルフは年をとってもスコアを維持できるのでしょうか?
レッスンプロの関浩太郎氏は、以下のように話します。
「目標スコアが90(ボギーペース)とするならば、パー4なら5打、パー5なら6打で回れば達成することができます。必ず2パットで上がるとした場合、パー4は、だいたい300~350ヤードのところが多いので、残り3打を1打平均100ヤードちょっと打てればボギーが取れます」
「パー5は、500ヤードほどを4打で進めればボギーになるので、1打で130ヤード飛ばせれば十分です。つまり、100切りや90切り、80前半ぐらいまでは飛距離はほとんど必要ありません」
「そのため、アプローチとパターを極めていけば、年齢を重ねてもスコアは伸び続けていくでしょう。これが、スコア70前半や70切りを目指すとなると、ドライバーの飛距離が230ヤードぐらい必要になってきますが、80前半ぐらいであれば、ドライバー飛距離が180ヤードでも十分に回れます」
このように、年齢を重ねて筋力が衰え、飛距離が落ちたとしても、アプローチやパターの技術が上達すればスコアは伸び続けていきます。アプローチとパターがスコアを良くするための鍵であることが、シニアになってからでも活躍できる重要な要素になっています。
また、関氏は「しっかりとスイングレッスンを行えば、年齢を重ねてもそこまでガクンと飛距離が落ちることはない」と話します。スイングが安定しているプロゴルファーが、長く活躍できる理由とも言えるでしょう。
ラウンド回数を重ねるだけでは上達しない
では、年齢を重ねて多くのラウンドを経験していることも、ゴルフの上達につながっているのでしょうか?
「勘違いしている人も多いですが、ただラウンド回数を増やしてもゴルフは一切うまくなりません。基本的に、ラウンドは『消費』で練習は『貯金』です。なので、ラウンドをすればするほど、変なクセがつくこともあるので、それだけでは上達しないということです」
このように、ビギナーの中には「ラウンド回数を増やせばスコアが縮まりやすい」と考える人がいるかもしれませんが、ラウンドよりも練習がスコアを縮めるためには大切です。
「年齢を重ねてもスコアを維持したい」「スコア90切り」を目指したいという人は、まずアプローチとパターを極めていくのが近道と言えるかもしれません。