男子と女子、計9階級で優勝者を決める
ドラコンの世界を理解してもらうには、一つの大会を例に出して説明するのがいいでしょう。今回は日本プロドラコン協会が主催する『GODシーズン1』を選択します。
GODとは、Great Of Driversの略称で、シーズン1から3まであります。競技自体は性別、年齢、体重によってクラス分けされていて、男子が6階級、女子が3階級の計9階級で行われます。詳しくいうと、男子の6階級は年齢制限のない“オープン”が無差別級、78キロ以下級、68キロ級以下の3クラス、45歳以上の“シニア”が無差別級と78キロ級以下の2クラス、55歳以上の“レジェンド”が無差別級の1クラスから構成されています。

女子は年齢制限のない“オープン”が無差別級と52キロ以下級の2クラス、40歳以上の“レジェンド”が無差別級のみの3クラスとなっています。
いってみれば、年齢制限のある柔道の試合みたいな感じです。面白いのは、出場条件をクリアし、複数階級で優勝を飾っている選手がいることです。男子では南出仁寛がオープンの無差別級とシニアの78キロ以下級の2階級を制し、女子では押尾紗樹がオープンの無差別級と52キロ級の2階級を制しています。
さて、肝心のルールですが、ワンマッチ公式ルールによると1ラウンド1分30秒の5ラウンド制となっています。
「1ラウンドって何?」と思う人もいるでしょうが、要は1分30秒以内にボールを3球打ち、グリッドと呼ばれる決められたエリアの中にボールを落ちた中で、最も飛んだボールがそのラウンドの記録となるのです。それを5回繰り返すわけです。
ちなみに、グリッドの範囲は横幅が25~35ヤードになっていて、この範囲から少しでも外れたら無効記録になってしまいます。
クリアしなければいけない飛距離制限がある
現実問題として、飛距離を少しでも稼ごうとするならボールを曲げることが厳禁なだけに、決められたエリアを外れるようなボールでは勝負になりません。優勝する選手はしっかりとエリア内にボールを落としてきます。
面白いのは、タテ距離に関しても制限があることだ。もちろん、上限に関してはどこまで飛ばしても問題ないため、最低飛距離が対象となります。数字でいえば、男子オープンが270ヤード、シニアが250ヤード、レジェンドが230ヤードとなり、女子はオープンが200ヤード、レジェンドが180ヤードとなっています。

どんなにボールを真っすぐ飛ばしても、そのラインに届かなければ失格となり、業界では“タテファール”と呼んでいるそうです。さらに、使用するドライバーは一般競技同様、R&Aの規則に従い、46インチまでとなっています。
ひと昔前のドラコンといえば、大勢が同じティグラウンドから数発打ち、最長飛距離を競い合ったが、この大会では1対1の戦いとなり、勝者のみが次の試合へ進むトーナメント方式がとられています。
試合方式は各ラウンドでの最長飛距離を5ラウンドぶん合計して勝敗を決めますが、仮に合計飛距離が同数になった場合は、勝敗が決するまでラウンドを延長することになっているそうです。
ドラコン大会によって試合方式やルールなどに微妙な違いはあるものの、単に飛距離だけでなく、方向性も問われるのが今のドラコンであることは間違いありません。