スロープレー防止に大きく差が出るカートの使い方 クラブは持ったままカートへ乗る!? | e!Golf(イーゴルフ)|総合ゴルフ情報サイト

スロープレー防止に大きく差が出るカートの使い方 クラブは持ったままカートへ乗る!?

エチケットやマナーの中でも特に重要とされるのが「スロープレー」の対策。このスロープレー対策に関わる要素の1つとして、プレーヤーがラウンド中に乗用カートに乗るか、それとも歩くかがあります。また、クラブの出し入れのタイミングもプレー時間に大きく影響。JLPGAティーチングプロの岡本恵氏が解説します。

最後に打つ場合はクラブを片付けずに持ったまま乗用カートに乗車

 セルフプレーのコースの多くで導入されている、プレーヤーが乗車する乗用カート。その乗用カートに乗るか乗らないか、また、クラブの出し入れのタイミングが「スロープレー」の対策に大きく影響します。JLPGAティーチングプロの岡本恵氏が解説します。

打った後すぐにクラブを持ったまま乗用カートに乗ったり、事前に選んだクラブを持って乗用カートに乗ったり、要領の良いプレーを心掛けよう
打った後すぐにクラブを持ったまま乗用カートに乗ったり、事前に選んだクラブを持って乗用カートに乗ったり、要領の良いプレーを心掛けよう

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 プレー時間の長短を左右する重要な要素の1つに、「乗用カートの使い方」があります。近年、日本では多くのゴルフ場で乗用カートが導入されていますが、このカートに乗るタイミングやクラブの片付け方によって、ゴルフの進行時間は大きく変わることがあります。

 特に日本のゴルフ場では4~5人乗りの乗用カートが主流で、多くのコースではフェアウェイへの乗り入れが禁止され、カート道路だけを走行するというルールが設けられています。この状況下で、カートに乗るタイミングやクラブを片付けるタイミングが全体のプレー時間に影響してきます。一見小さなことに見えますが、これが積み重なることで大きな時間差となり、ラウンドの流れや他のプレーヤーへの影響が生じるのです。

 まず最初に気をつけていただきたいのは、クラブをキャディバッグに片付けるタイミングです。ティーショットでもセカンドショットでも、他の方がカートに乗って待っていて、自分が一番最後にショットを打ってカートに乗る際は、クラブはバッグにしまわず手に持ったままカートに乗るようにしましょう。クラブを都度バッグに収めるだけでも少しずつ進行が遅れ、他の方を待たせてしまうからです。次の方のショットの場所で停車したタイミングでクラブをしまうようにしてください。

 なお、他の方が打っている時は乗用カートを動かすことができませんので、自分より後の打順の方がいる場合はカートにしまっていただいたほうがいいです。なおかつ、もし残り距離や状況がある程度予想できるのであれば、次のショット地点で打つ可能性のあるクラブを選んでおくとベターです。

クラブは複数本持ってショット地点に向かおう
クラブは複数本持ってショット地点に向かおう

 2打目以降のクラブをチョイスするタイミングについては、待っている間に次に持っていくクラブを選んでおく時間があれば、そのクラブを持ったまま乗用カートに乗るようにしましょう。もちろん、次のショット地点に近づかないと選ぶべきクラブが分からない場合は、次のショット地点で選んでいただいた問題はありません。なお、ショット地点まで持っていくクラブは2~3本。もちろんさまざまなクラブを使用する可能性がある場合は4~5本持っていただいて問題ありません。

基本的には乗用カートに乗ったほうが進行は速い

 フェアウェイ走行ができる場合はもちろん、カート道路しか走行できない場合でも基本的には乗用カートに乗っていただいたほうがプレー時間は速くなります。ただし、ダフったりチョロをしたりして、あまりボールが飛ばなかった時などは、そこまで歩くほうが時短につながることも多いです。自分が立っている位置から次打地点までの距離が、乗用カートまでの距離と変わらないような場合は、プレーのスピードアップのために歩くようにしましょう。

 ただ、どんな状況でも歩くとなると話は変わってきます。近年、健康や環境に配慮して歩き派のプレーヤーが増えています。プレー時間が遅れていなければもちろん歩いていただいて問題がないのですが、プレー時間が遅延している場合や後ろの組が待っている時などは、乗用カートを活用すべきです。

 また、ゴルフ場によって乗用カートのスピードが異なることも忘れてはなりません。乗用カートの走行道路から離れた場所で打つ場合など、それぞれの状況に応じて、最も効率的な移動方法を選択するようにしましょう。

 最適な移動手段を見極めることもマナーを重んじるゴルフには大切なことです。快適なプレーのためにも、プレーの効率化とスピードアップに努めましょう。

【解説】岡本恵

JLPGAティーチングプロ。ステップ・アップ・ツアー、アジアンツアーに参戦後、2009年よりティーチングプロとしてゴルフ練習場にて一般ゴルファーを指導。約15年の間に指導したアマチュアゴルファーは1000人以上。マナーやエチケットを守りつつも、楽しくゴルフしていただくのがモットー。現在は名古屋市の竜泉寺ゴルフ場にて指導を行なっている。

【写真】ついやってない? スロープレーに陥る原因を写真で確認

画像ギャラリー

暫定球の適切な判断もスロープレーを防ぐ。積極的にプレーイング4を使うのもあり
毎回カートに集合してから移動するのはスロープレーにつながりやすい 写真:ShutterStock
判断が微妙なときは暫定球を打てばスロープレーは防げる
自分だけでなく同伴競技者やほかの組にまで迷惑がかかるスロープレー 写真:ShutterStock
「プレーファスト」を推奨するポスターは多くのゴルフ場で掲示されている
あおり運転も絶対NG! トラブルの原因です 写真:AC
諦められない気持ちも分かりますが… 写真:AC
ツアー参戦経験もあるJLPGAティーチングプロの岡本恵氏
打った後すぐにクラブを持ったまま乗用カートに乗ったり、事前に選んだクラブを持って乗用カートに乗ったり、要領の良いプレーを心掛けよう
クラブは複数本持ってショット地点に向かおう
キャディー付きの場合は助手席が一番上座で後席真ん中が末席、セルフプレーの場合は運転席が末席で後席が上座
プレーの技量が影響しないスタートホールまでやインターバルの移動は一番若い方が運転すると良いでしょう
ゴルフ場でよく見かける4人乗りタイプ(G30Es) 写真:ヤマハ発動機
海外ではメジャーな2人乗りタイプ(YDRA1) 写真:ヤマハ発動機
ゴルフカートは左ハンドル
リモコン式のカートはリモコンか本体のボタンで発進・停止を行う
レーキをかける場合は柄をなるべく平行にしてならす 写真:Getty Images
レーキはバンカーの外に置くのが最も一般的 写真:AC
バンカーの内側にフチと平行に置くパターン 写真:AC
レーキのヘッドをバンカー内に入れ、柄の部分をフチと垂直に置くパターン 写真:AC

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