日本選手と顔合わせも会話できず「残念」
キム・ハヌルが久しぶりに公に姿を見せたのは、韓国からのスクリーン越しだった。
2月26日に行われた日本(藤田光里と吉田優利が出場)、中国、韓国の女子プロゴルファーのシミュレーションゴルフで対決する「JPN-CHN-KOR GOLFZON SKINS CHALLENGE』」。
日中韓をオンラインで結んでの試合にキム・ハヌルとユ・ヒョンジュが韓国チームとして参加していた。韓国は室内でのシミュレーションゴルフにかなり慣れた様子で、結果は韓国チームが優勝した。

そのあと、韓国からリモートで取材に応じてくれたキム・ハヌル。優勝したことの喜びもあっただろうが、日本メディアからの取材がとても懐かしそうでもあった。
「本当に久しぶりですね! 今日は画面越しでのプレーでしたが、久しぶりに光里ちゃんと優利ちゃんと顔を合わせられたのに、あまり会話ができなくてとても残念でした」
会話ができると思ったが、それが実現しなかったことをとても残念がっていた。どうやらとても日本が恋しいようだ。
「まだ引退した実感はなくて……」
昨年10月の国内女子ツアー「NOBUTA GROUP マスターズGCレディース」を最後に引退したキム・ハヌル。
韓国に帰国後は、公式YouTubeを立ち上げたり、レッスン番組やバラエティー番組などに出演したりしている。最近は多くのモデルが所属する「YG KPLUS」との専属契約が決まるなど、活動の幅を広げている。
あれから約4カ月が経ったが、現在の心境について聞くとこんな答えが返ってきた。
「もう日本はシーズンが始まったばかりなので、なんだか引退したというよりかは、シーズンが終わってオフに入っている感覚があるんです。日本でプレーする韓国の選手が、日本に行くことで、『本当に引退したんだな』という実感しているところです。だからといって、引退したことを後悔しているとか、そういう気持ちではありません」
今はオフの気分で、今にも新たなシーズンが始まるという感覚なのは、これまでのルーティーンが体に染みついているからだろう。“引退1年目”のキム・ハヌルが、現役を退いたことを実感するのは、ツアーが盛り上がってきてからかもしれない。
「日本のみんなに会いに行きたい」
するとキム・ハヌルはまた日本のことを口にした。

「それにしても本当に日本に行きたいです。あまりにも日本が恋しいです。日本の選手もファンも協会のスタッフたちも、記者もカメラマンもみんなの顔が思い浮かびますし、すごく会いたいです。コロナ禍が収束して、日韓を気軽に行き来できるようになったら、またツアー会場にも足を運びたいです」
日本ツアーで過ごした7年間に6勝し、苦楽を共にしてきた多くの人たちが日本にいる。自分の居場所が確かにそこにあったことを今さらながら実感しているようだった。
今後は日本での活動も視野に入れているというキム・ハヌル。次はどんな形で日本のゴルフファンの前に登場するのか、今から楽しみだ。