予選会の受付を開始すると当日には埋まってしまう
12月8日、兵庫県の芦屋カンツリー倶楽部で行われた「のじぎくオープン」の最終日(2日間競技)、大会を制したのはレギュラーツアー1勝の実績を持つ野上貴夫。優勝賞金200万円を手にし、昨年シニア入りした51歳は「シニアツアーは実戦の場が少ないので、こうした大会があるのはありがたい」と、感謝の言葉を述べました。

総合優勝の野上に続き、2位にレギュラーツアー8勝の細川和彦、3位にアマチュアの須澤保輔、4位にJLPGAツアー2勝の斉藤裕子、5位に“プラチナ世代”の安田祐香がベスト5に入りました。
そうそうたる顔触れの中、3位に入った須澤さんは余程のトップアマなのだろうと思うところですが、実はハンディキャップ11(大会ハンディ)の“普通のアマチュア”。もちろんハンディ11なら十分お上手であることは間違いないですが、ハンディキャップのつかないスクラッチ競技では、トッププロに混ざって優勝争いをすることは考えられないでしょう。
そう、「のじぎくオープン」はアマチュアが自らに与えられたハンディキャップを携え、男女のトッププロと同じ土俵で渡り合う、アンダーハンディキャップ競技かつプロ・アマオープン競技という全国でも珍しい大会なのです。もちろんプロ・アマともに男女はティーイングエリアで差がつけられており、すべての人が出来る限り公平に競い合えるよう工夫されています。
ちなみに、プロは他にも高橋勝成、水巻善典、奥田靖己、平石武則、羽川豊、井戸木鴻樹、鈴木亨、横田真一など有名選手がたくさん出場しており、こんなプロたちと一緒にラウンドするだけでなく、本気の勝負ができるのですから、地元・兵庫県やお隣の大阪府を中心に全国からゴルファーが集い、その魅力の虜になるのも無理はありません。
ちなみに今年度大会の実績では、参加者の居住地は実に29の都府県に及んでおり、北は岩手県、南は沖縄県からも1名ずつながら参加しているというから驚きです。
この大会、実は前年の12月からエントリーが始まっており、2月から前期・後期に分けて15回ずつの計30会場での1次予選、5回ずつ計10会場での2次予選、前期・後期各1回ずつの最終予選を1年間かけて行い、勝ち抜いた90名のアマチュアのみが、決勝大会に出場できるという大変大掛かりな大会なのです。
計30会場もある予選会ですが、エントリー受付を開始すると、当日には埋まってしまうほどの人気。当初はエントリー回数に制限を設けていなかったのですが、1人でも多くの人にチャンスがあるよう、予選が月に6回あるうち1回しか申し込めないように改めたそうです(ただし、募集開始の2週間後からは空きがあった場合には重複のエントリーが可能)。