ゴルフ場の芝刈り機が無人で疾走!? 誤差1.5センチの“賢すぎる走り”が動画で公開

街を走るクルマには自動運転の時代が早晩訪れると言われていますが、ゴルフ場では、自律的な運転ではないものの、すでに無人でフェアウェイを縦横無尽に走る芝刈り機が実用化されています。名作ゴルフ漫画『風の大地』の舞台として知られる鹿沼カントリー倶楽部(栃木県)は、無人芝刈り機2台を導入。その走る様子をYouTubeで動画公開しました。

熟練のコース管理者の運転を正確にトレース

 街を走るクルマには自動運転の時代が早晩訪れると言われていますが、ゴルフ場では、自律的な運転ではないものの、すでに無人でフェアウェイを縦横無尽に走る芝刈り機が実用化されています。名作ゴルフ漫画『風の大地』の舞台として知られる鹿沼カントリー倶楽部(栃木県)は、無人芝刈り機2台を導入。その走る様子をYouTubeで動画公開しました。

鹿沼グループのYouTube(@user-rw7zv2xz4p)より
鹿沼グループのYouTube(@user-rw7zv2xz4p)より

 この無人芝刈り機はバロネスというメーカーの「ULM271」という製品。気になるのはどうやって無人で走らせているのかということですが、この製品では「ティーチ・MAP方式」というシステムを採用しています。実際にコース管理スタッフが通常作業と同様に機械に乗って作業を覚えさせるので、難しい手順はなく、専門知識を持ったエンジニアも必要ないと言います。

 熟練スタッフの技術をティーチすることでコース管理の高いクオリティーを無人状態で忠実に再現でき、数種類の異なるデータを記憶することでコースコンディションに合わせたプログラムで芝刈りが可能になるとしています。スタッフの習熟度による刈り込み技術のバラつきもなくなり、常に一定以上のターフクオリティーを維持できるのですから、利用するゴルファーにとってもメリットがあります。また、コースを運営する側にとっても、熟練者の技術を保ったまま、超省力化と高効率化が可能になるわけです。

 GNSS(GPSなど全世界測位システムの総称)と精度の高い運転再現技術により、その誤差は±1.5センチという驚異的な正確性。YouTubeで公開された動画では、芝刈り機が無人で人間のルートを正確にトレースする“賢すぎる走り”を目にすることができます。

人手不足でもコースのクオリティーを落とさないための施策

 ただ、こういう話題でどうしても心配になってしまうのは、“機械やコンピューターが人間の仕事を奪う”ような状況になるのではないかということです。

 しかし、そもそも鹿沼CCが無人芝刈り機の導入に踏み切った背景には、コース管理スタッフの慢性的な人手不足があるようです。同コースは次のように説明しています。

「事業を継続し雇用を守るためにも、効率化と省力化に注力することが必要です。人手不足を理由にコースの品質が落ちてしまってはビジョンの“また来たい”にはつながりません。ビジョン実現のためには従業員の待遇、機械や設備への投資など、特色あるゴルフ場として成長するための環境づくりが必要です。無人機導入は、これからのコース管理手法のベースづくりの第一歩だと考えています」

 どのように無人機を活用していくのかが大切であり、人と無人機との共存こそが今後のコース管理の在り方としている鹿沼CC。働き方改革が叫ばれる時代、こうした取り組みは将来も多くのゴルフ場が生き残っていくために必要なのはもちろん、ゴルファーの側にとっても、気持ちよくプレーし続けるために歓迎すべきことなのかもしれません。

【動画】予想以上に滑らかな走り! 無人芝刈り機がフェアウェイを駆ける実際の映像
1 2

最新記事