最終日に「62」という爆発的スコアを出し、米女子ツアー初優勝を飾った古江彩佳。今回の記録には様々な記録もついてきていました。その「スゴイ記録」をまとめてみました。
全英女子オープンへの期待が高まる古江彩佳の初優勝
古江彩佳がスコティッシュ女子オープンで米女子ツアー初優勝を飾った。この優勝には数々の素晴らしい記録的要素が詰まっているので、項目別に紹介していきたい。
初優勝者の最終ラウンド62はツアー新記録
古江は最終ラウンドで10アンダーの62を叩き出して4打差9位から鮮やかに逆転した。米女子ツアー優勝者の最終ラウンドベストスコアは2014年マニュライフLPGAクラシックでパク・インビが記録した61である。古江の62はこれに続く歴代2位に並ぶものだ。
62を出して優勝したメンバーは古江のほか、ミッキー・ライト、キャシー・ウィットワース、ジュリ・インクスター、アニカ・ソレンスタム、ユ・ソヨン、キム・セヨンという面々。新たに加わった古江を除き全員がメジャー優勝者だ。もちろん61を出したパクも例外ではない。
そんなすごいメンバーの中でも初優勝時に62を出したのは古江だけ。つまり、古江は初優勝選手の最終ラウンドツアー新記録を樹立したのだ。
日本選手優勝時のこれまでの最終ラウンドベストスコアは2010年ホンダLPGAタイランドの宮里藍と2018年ウォルマートNWアーカンソー選手権で畑岡奈紗がマークした63。畑岡は初優勝時だった。
1ラウンド10アンダーは日本選手歴代最高タイ記録
1ラウンドの10アンダーは日本選手の米女子ツアー記録に並ぶものだ。これまで、宮里美香、横峯さくら、畑岡、笹生優花がマークしていた。
ストローク数でいうと、62以下は古江で日本選手7人目となる。
日本選手ベストは61で藤井かすみ、横峯さくら、畑岡が記録。62は宮里美香、上原彩子、笹生優花、そして古江という顔ぶれだ。
4日間のスコアは日本選手歴代2位
古江の4日間のスコアは21アンダー、267だった。これは、アンダー数、ストローク数ともに日本選手歴代2位に並ぶものである。
日本選手歴代1位記録保持者はアンダー数、ストローク数ともに畑岡で、2021年最終戦のCMEグループツアー選手権で記録した22アンダー、266だ。ただ、畑岡はこの時、惜しくも1打差2位に甘んじている。
歴代2位の21アンダーを過去に出したことがあるのは宮里藍1人。また、267は宮里藍と福嶋晃子の2人だった。
ツアーメンバー1年目の優勝は日本選手3人目
米女子ツアーのトーナメントで優勝を手にした日本選手は古江で18人目(計55勝)となる。うち、米女子ツアーメンバーとして優勝を飾ったのは11人目だ。渋野日向子や笹生優花はメンバーになる前に初優勝し、メンバーになってからは勝っていないので、ここには含まない。
11人中、ルーキーイヤーで優勝したのは平瀬真由美(1996年)、福嶋晃子(1999年)に続く3人目となる。日本選手最多の17勝を挙げている岡本綾子と現在参戦中の日本選手で最多の6勝をマークしている畑岡の初優勝はともに2年目。小林浩美や宮里藍は4年目にようやく初優勝にたどり着いている。
素晴らしい実績を残している選手でも1年目は勝てなかった。それくらいルーキーで勝つのは簡単なことではないのだ。
ドライビングディスタンス135位で優勝
古江の今季ドライビングディスタンスは246.708ヤードで135位だ。ランキングに名を連ねているのは161人だから、かなりの下位である。今季はダブルスのトーナメントを除いて15人の優勝者が出ているが、135位は最も低い順位だ。
ただし、15人中100位以下が6人もいるから、飛ばし屋が絶対的に有利というわけではない。現在の世界ランキング1位のコ・ジンヨンも116位(251.000ヤード)と飛ばない部類なのだ。ちなみに、畑岡は263.492ヤードで38位。優勝者の中では4番目に高い順位である。
ドライビングディスタンスのデータが残る1993年以降、優勝したシーズンの順位が最も低かった日本選手は1993年小林浩美の129位。2番目に低いのが2012年宮里美香の121位である。古江はまだシーズン半ばだが、このままの順位なら「最も飛ばなくて優勝した日本選手」となる。
古江 彩佳(ふるえ・あやか)
2000年5月27日生まれ、兵庫県出身。アマチュア時代の19年に「富士通レディース」でツアー史上7人目のアマチュア優勝を成し遂げてプロ転向。20年にプロ初勝利を飾り、昨シーズンまででプロ通算6勝。賞金女王争いでは稲見萌寧にあと一歩及ばなかったものの、最優秀選手賞と新人賞に輝いた。今季から米国女子ツアーに参戦している。富士通所属。
【動画】圧巻のバーディーラッシュ!古江彩佳の最終日ハイライト