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- メジャーでの成績は突出! 全英女子を11位で終えた畑岡奈紗が“日本のエース”と断言できるワケ
「AIG女子オープン」で今季の米国女子ツアーにおけるメジャー大会がすべて終了しました。残念ながら日本選手の優勝はありませんでしたが、来季に向けてポジティブなデータが数多く見つかりました。
2年連続ですべてのメジャーを予選通過した畑岡奈紗
先週の「AIG全英女子オープン」で今年の米女子メジャー5試合がすべて終了した。最終日に9位タイから逆転を目指した畑岡奈紗は74とスコアを落として11位タイで終了。悲願のメジャー初優勝は来年に持ち越しとなった。
今年、畑岡は5試合すべてで予選を通過し、「全米女子オープン」4位タイ、「アムンディ・エビアン選手権」3位タイなど好成績も残した。5試合とも予選を通過した選手は古江彩佳も含め13人いた。
畑岡は昨年もメジャー5試合すべてで決勝ラウンドに進出している。2年連続となると5人しかいない。畑岡以外はミンジ・リー(オーストラリア)、チョン・インジ(韓国)、チェ・ヘジン(韓国)、レオナ・マグワイア(アイルランド)という面々である。
ネリー・コルダ(米国)やコ・ジンヨン(韓国)らここ2年の世界ランキング1位経験者や今年メジャー2勝のリリア・ヴ(米国)でも予選落ちがある。メジャーで毎回予選を通過するのはそれくらい難しいことなのだ。
畑岡のここ2年のメジャー全成績は以下のようになる。
シェブロン選手権 17位タイ(22年)、37位タイ(23年)
KPMG全米女子プロ 5位タイ(22年)、47位タイ(23年)
全米女子オープン 28位タイ(22年)、4位タイ(23年)
アムンディ・エビアン選手権 15位タイ(22年)、3位タイ(23年)
AIG全英女子オープン 7位タイ(22年)、11位タイ(23年)
両年ともトップ10が2回ずつで最終的な順位にはそれほど大きな差はない。だが、内容はまったくといっていいほど異なっている。
昨年トップ10に入った2試合はともに最終日に大きく順位を上げてのものだった。対して今年のトップ10は順位を落としてのもの。最終日のスコア(5試合の平均)を比較すると昨年は68.8で今年は72.8。何と4ストロークも違うのだ。
昨年までとは戦い方が大きく変わった畑岡奈紗
だが、これはネガティブな要素だけではない。3日目までの戦い方が変わったからこそのデータであることをお伝えしたい。
昨年に限らず、これまでの畑岡はメジャーの最終日にビッグスコア出すことが多く、昨年までメジャーで7回記録していたトップ10はすべて最終日に順位を上げてのものだった。
畑岡は昨年までメジャー最終日を10位以内で迎えたことが2020年「KPGM全米女子プロ」10位と2021年「全米女子オープン」6位タイの2回だけだった。ツアー全体の実績からすれば、あまりにも少ない数字だ。
メジャーになると空回りしてしまうのか、3日目までもどかしいプレーが続くのが昨年までの畑岡。予選落ちも少なからずあった。そして、最終日は開き直って猛チャージするところまでがパターンだった。
2回の2位も同じパターンである。最初に2位に入った2018年「KPGM全米女子プロ」は9打差23位タイから64を叩き出してプレーオフに持ち込んだものだったし、笹生優花にプレーオフで敗れた2021年「全米女子オープン」は前述したように6位タイから追い上げたもの。この時は6打差あったから、スタート前はそれほど優勝を意識することはなかったはずだ。
今年の畑岡は違った。7月の「全米女子オープン」で初日から1打差3位タイと好発進。2日目に一時後退したが3日目に66をマークして1打差首位に立つ。ようやく優勝を強く意識する位置でメジャー最終日を迎えられたのである。
続く「アムンディ・エビアン選手権」では初日35位タイから67、68と追い上げて3打差2位で3日目を終え、2試合続けて最終日最終組をプレーした。
そして「AIG全英女子オープン」では初日からひとケタ順位をキープして5打差9位タイで最終日に入った。3試合連続して3日目までスコアをつくり上げていたのである。
結果は、「全米女子オープン」が後半40と崩れて4位タイ、「アムンディ・エビアン選手権」はスコアを1つ落として3位タイ、「AIG全英女子オープン」はダブルボギーが2つあって2オーバーの74と苦戦した。
最終的な順位だけ見れば例年と大差はない。だが、そこに至るまでの内容は明らかに変わった。3日目まで優勝に手が届きそうな位置を確保できたからこそ今年は最終日に苦しんだ。この経験を前向きにとらえ、来年につなげるしかない。
畑岡 奈紗(はたおか・なさ)
1999年生まれ、茨城県出身。2016年の日本女子オープンで国内メジャー史上初のアマチュア優勝達成。その後、プロ転向して翌17年から米ツアーに参戦。同ツアーでは18年に初勝利を挙げ、22年シーズンはDIOインプラントLAオープンで米ツアー通算6勝目。日本ツアーでも、19年に日本女子プロゴルフ選手権、日本女子オープンを制するなど、ツアー通算5勝を挙げている。アビームコンサルティング所属。
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