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- 力みや打ち急ぎでミスする人は試してみて! 「イチ、ニ~、サ~ン」やわらか素振りの侮れない効果
多くのツアープロのコーチとして活躍している石井忍氏が、“ここはスゴイ”と思った選手やプレーを独自の視点で分析します。独自の視点で分析する。今回注目したのは、国内男子ツアー「フジサンケイクラシック」で2位に入った片岡尚之です。
技術試されるフジサンケイクラシック16番パー3の96ヤード
8月31日から9月3日のスケジュールで、国内男子ツアー「フジサンケイクラシック」が開催されました。通算8アンダーで優勝したのは金谷拓実選手です。今シーズンは、「BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ」に続き2勝目、通算勝利数はアマチュア時代の2019年「三井住友VISA太平洋マスターズ」を含めると5勝目となります。今回の優勝により、金谷選手は賞金ランキングトップに浮上しました。
今大会は、アマチュアの中野麟太朗選手の活躍も話題になりました。早稲田大学の中野選手は、今年の「日本アマ」優勝者。「フジサンケイ」では初日に3アンダー2位タイでプレーし、最終的には15位タイでフィニッシュ。ローアマを獲得しています。
さて、そんな「フジサンケイクラシック」の舞台、富士桜カントリー倶楽部は、“モンスターコース”ともいわれるほど難易度が高いことでも知られていますが、今年は例年以上にセッティングが難しかったようで、予選カットスコアは今季最多の6オーバーでした。
また、今大会はアウトとインを入れ替えたり、昨年はパー5だった6番(今年の15番)をパー4にして、パー71からパー70にするなどの変更があったことも話題になりました。
なかでも興味深かったのは16番ホールです。グリーン手前から左サイドにかけて大きな池が配置されているパー3。実測値は初日198ヤード、2日目212ヤード、3日目216ヤードで行われましたが、最終日はなんと96ヤードの設定。ピンはグリーン手前から5メートルのところに切られ、池のプレッシャーを受けながら距離感を合わせる技術が試されるシチュエーションがつくり出されていました。
リズムが整いクイックになりにくく、力みがなくなる素振り
そんな最終日の16番を見ていて目に留まったのが、最終組でプレーしていた片岡尚之選手の素振りです。トップのポジションまでクラブを上げて、腰の高さまでゆっくり手元を下ろす素振りを2回行ったあと、3度目のトップを作り、フィニッシュまでやわらかくクラブを振る素振りを行っていました。
この素振りにはメリットがいくつかあります。一つは、クラブを下ろしてくるポジションや体の動きが明確になること。また、リズムが整いやすく、スイングがクイックになりにくい効果もあります。さらに、ハーフ素振りの延長でスイングできるため、過度に力むことも少なくなります。
片岡選手は16番以外でもこの素振りをしていましたし、他の多くの選手も似たような素振りを取り入れています。皆さんも“イチ、ニ~、サ~ン”のやわらか素振りを試してみてはいかがでしょうか。
片岡 尚之(かたおか・なおゆき)
1997年生まれ、北海道出身。2014年の高校2年時に「北海道アマ」を史上最年少(16歳)で制し、同年に「日本ジュニア」も制覇。15年はナショナルチームのメンバーとして「ノムラカップアジア太平洋チーム選手権」で日本の26年ぶりの優勝に貢献。2019年にプロ転向し、2021年の「ジャパンプレーヤーズ選手権」でツアー初優勝を飾った。CS technologies所属。
【解説】石井 忍(いしい・しのぶ)
1974年生まれ、千葉県出身。日本大学ゴルフ部を経て1998年プロ転向。その後、コーチとして手腕を発揮し、多くの男女ツアープロを指導。「エースゴルフクラブ」を主宰し、アマチュアにもレッスンを行う。
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