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- 飛距離1位の神谷そらはパット数も7位! 素振りは逆手、本振りは順手にする理由は?
多くのツアープロのコーチとして活躍している石井忍氏が、“ここはスゴイ”と思った選手やプレーを独自の視点で分析します。今回注目したのは、国内女子ツアー公式戦「日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯」で優勝した神谷そら(かみや・そら)です。
飛ばし屋で知られる神谷そらはショートゲーム巧者でもある
先週開催された国内女子メジャー「日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯」を制したのは、神谷そら選手でした。最終日は首位と2打差の3位でスタートし、5バーディー、1ボギーの「68」をマーク。通算12アンダーでツアー通算2勝目、国内メジャー初勝利を飾りました。
神谷選手は、今年4月の「フジサンケイレディスクラシック」でプロ初勝利を挙げている20歳。昨年11月のプロテストでトップ合格を果たしたルーキーです。同世代には、昨年の「日本女子プロゴルフ選手権」で優勝した川崎春花選手や今シーズン3勝を挙げている櫻井心那選手、昨年の「住友生命Vitalityレディス東海クラシック」でツアー初優勝を挙げた尾関彩美悠選手ら、力のあるプレーヤーがそろっており、彼女たちの世代はダイヤモンド世代とも呼ばれています。
さて、神谷選手の持ち味といえば、真っ先に思い浮かぶのはやっぱり飛ばし。現在のドライビングディスタンスは259.69ヤードでランキング1位に立っています。
スイングを見ると、アップライトにクラブを上げて高いトップをつくり、シャフトにしっかりとテンションをかけながらクラブを振り下ろすのが印象的。オーバースイング気味にトップをつくると、ダウンスイングで右ヒジが外れることがあるのですが、神谷選手の場合は右ヒジが抜けず、効率的かつスピーディーにスイングします。
ドライバーの飛距離に注目が集まる神谷選手ですが、実は平均パット数(パーオンホール)は1.7669で現在7位。ショートゲームのテクニックも持ち合わせているプレーヤーなんです。
クロスハンドグリップで左肩の浮きを抑える
そんな神谷選手が、今年の「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」の時に興味深いパター素振りをしていました。素振りの段階ではクロスハンドでクラブを握っていたのですが、実際にボールを打つ時になると、順手に戻してストロークを開始したんです。なぜ素振りの時だけクロスハンドにしていたのでしょうか?
順手でパターを握る場合、両手の位置関係は、左手が上、右手が下になります。このグリップは、左肩が上がって、右肩が下がりやすいため、過度なアッパー軌道になってストロークが不安定になるケースがあります。
左肩の上がり過ぎを抑えるために効果的なのがクロスハンド。左手を下、右手を上にしてパターを握ることで、肩のラインが地面と平行に近くなり、ヘッドを低く真っすぐ動かしやすくなるわけです。
もちろん、クロスハンドグリップのままストロークしてもOKですが、「クロスハンドで振るのは、ちょっと気持ち悪い」という人は、神谷選手のように素振りだけクロスハンドにするのがオススメ。ストロークが安定するはずです。
神谷 そら(かみや・そら)
2003年生まれ、岐阜県出身。川崎春花、尾関彩美悠、櫻井心那、佐藤心結、竹田麗央らと同学年のダイヤモンド世代。2回目の挑戦となった昨年のプロテストでトップ合格。今年の「フジサンケイレディスクラシック」でプロ初勝利を挙げ、2勝目の「日本女子プロゴルフ選手権」でメジャー初タイトルを獲得。ドライビングディスタンス1位の飛距離を生かした攻めのゴルフが魅力。郵船ロジスティクス所属。
【解説】石井 忍(いしい・しのぶ)
1974年生まれ、千葉県出身。日本大学ゴルフ部を経て1998年プロ転向。その後、コーチとして手腕を発揮し、多くの男女ツアープロを指導。「エースゴルフクラブ」を主宰し、アマチュアにもレッスンを行う。
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