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- 青木功、松山英樹に続く快挙! 欧州で勝利の久常涼が悔し涙を流した1年前に語った言葉
日本の久常涼(ひさつね・りょう)がDPワールドツアーの大会、「カズーオープン・ド・フランス」を制し、青木功(あおき・いさお)、松山英樹(まつやま・ひでき)に続く快挙を成し遂げた。日本で開催されるPGAツアー「ZOZOチャンピオンシップ」の昨年大会でチャンスをつかみ損ね、涙を流した久常は、1年でどう成長したのだろうか。
「日本に帰るけど、ビジネスクラスにしちゃおうかな」
昨年まで日本ツアーで戦っていた久常涼(21歳)が、フランスの難コース、ル・ゴルフナショナルで開催されたDPワールドツアーの大会、「カズーオープン・ド・フランス」(9月21~24日)を制し、初優勝を挙げた。

その第一報を耳にしたとき、正直なところ、「えっ? もう優勝!?」と、少々驚かされた。
久常は同ツアーを今季ルーキーとして戦い始めたばかりだ。これまでに5度ほどトップ10入りした彼の奮闘を風の噂で聞いてはいたが、こんなにも早い初優勝は、これまで日本人選手が海外でどれほど苦戦を強いられてきたかを思えば、信じられないほどのスピード優勝、スピード出世だ。
だが、一番驚いていたのは、久常本人だったのかもしれない。
「こんな展開は、まったく想像していなかった。まだ僕は3年前にプロ転向したばかりだ。最初は日本でプレーして、(去年の)Qスクール(予選会)を突破して、今年はDPワールドツアーで戦い、そして今ここでプロ初優勝を挙げた。本当にすごいなあと感じている」
最終日を首位から4打差でスタートした久常は、前半はイーブンパーに留まったが、後半に入るやいなや、出だしの4ホールで3バーディーを奪って首位に並ぶと、さらに15番、17番でもバーディー奪取。この日66をマークし、通算14アンダーの単独首位でホールアウトした。
スコアリングテントでテレビモニターを眺めながら後続組の行方を見守っていた久常は、勝利が決まったことを自身の目で確認した瞬間、歓喜の笑顔を輝かせ、そばに待機していた大会オフィシャルと握手を交わした。
日本人選手のDPワールドツアー(旧ヨーロピアンツアー)優勝は、1983年のパナソニック・ヨーロピアンオープンを制した青木功、同ツアーにも組み込まれている2016年のWGC-HSBC選手権、2017年のWGCブリヂストン招待、2021年マスターズを制した松山英樹に続く史上3人目の快挙となった。
「信じられない。勝てるとは思っていなかったけど、本当に勝ててうれしい。僕にとってのプロ初優勝だから本当にうれしい。明日、日本に帰るけど、ビジネスクラスにしちゃおうかな」
優勝賞金51万8780ユーロは約8100万円超。ビジネスクラスと言わず、ファーストクラスでもよろしいのではないだろうか。
1打差でPGAツアーへの扉を開け損ねた
それにしても「あれから、まだ1年もたっていないのだなあ」と、つくづく思う。そう、昨年10月のZOZOチャンピオンシップでの出来事が昨日のことのように思い出されるのだ。
あのときの久常は、日本ツアー(JGTO)のシード選手として初めてのフルシーズンに挑んでいた真っ只中だった。
当時、私は彼のことをほとんど何も知らなかったのだが、初日69、2日目67で13位タイに浮上した久常の大健闘に興味を抱き、彼にどのぐらい海外志向があるのかを確かめてみたくなった。
ZOZOチャンピオンシップで優勝すれば、PGAツアーで向こう2年間のシード権が得られる。トップ10入りすれば、次週の大会に出場でき、そこから先が開ける可能性にチャレンジできる。あのときの久常は、そんなチャンスの扉のすぐ手前に立っている状況だった。
「野望はありますか?」と尋ねてみた。すると久常は「結果は意識せずにやりたい」と前置きしながらも、「チャンスはつかみたい」と言い切った。野望は明らかに抱いている。アスリートに求められる熱いものを持っている。そう感じさせられた。
3日目を終えて首位とは5打差の8位タイ。チャンスは大いにあった。当時の私自身の記事を読み返してみたら、「久しぶりに本気で期待できる日本の大型ヤングプレーヤーだと感じている」と記していた。
しかし、最終日は72ホール目で痛恨のボギーを喫し、最後の最後にトップ10圏外の12位タイへ後退して終わった。
悔し涙が止まらなかった久常の姿を目にした私は、慰めの言葉をかける代わりに、こんな言葉を記事に記した。
「プロ2年目の弱冠20歳の久常が悔し涙を流したことは、あっさりトップ10入りするよりも『結果的に良かった』と思える日が、いつか来るのかもしれない」
あれから1年も経っていない今年の9月24日に久常がフランスで挙げた初優勝は、そういう日だったのではないかと、私は秘かに思っている。
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