- ゴルフのニュース|総合ゴルフ情報サイト
- 記事一覧
- ツアー
- 早稲田はメルセデスと契約 アマへのスポンサー解禁から2年弱…大学が名門企業と契約する“お金だけじゃない”価値
早稲田はメルセデスと契約 アマへのスポンサー解禁から2年弱…大学が名門企業と契約する“お金だけじゃない”価値
2022年1月から「アマチュア規定」が改訂され、広告出演やスポンサー契約など、これまでアマチュアゴルファーに適用されていた複数の制限が撤廃された。大学ゴルフ部も次々と企業と契約を結んでおり、今年の日本アマ王者で先日のバンテリン東海クラシックでローアマに輝いた中野麟太朗擁する早稲田大学はメルセデス・ベンツ日本がスポンサーに付いた。
アマチュアの個人やゴルフ部が資金援助やCM出演料を受け取れるように
「早稲田大学ゴルフ部にメルセデス・ベンツ日本がスポンサーに付いたよ」
かつて早稲田大学ゴルフ部主将を務めた友人から、そんな知らせが届いたのは9月末日のことだった。
同大学ゴルフ部と、そこで腕を磨いている後輩たちのことを今でも気にかけ、応援している元主将は、ビッグネームのスポンサーが付いたことを、とても喜んでいる様子だった。
よくよく眺めてみたら、日本の男子ツアー(JGTO)の大会、バンテリン東海クラシック(9月28日~10月1日)に推薦出場し、ローアマを獲得した早稲田大学ゴルフ部2年の中野麟太朗のシャツの右胸には、メルセデス・ベンツのロゴマークがすでに光っているではないか。
「えっ? 大学ゴルフ部にもスポンサーが付くの!?」「アマチュアがスポンサーを得てもいいんだっけ?」と不思議に思う方々もいらっしゃるかもしれない。
ゴルフ界では、2021年11月にR&AとUSGAが「アマチュア規定」の改訂を発表。広告出演やスポンサー契約など、これまでアマチュアゴルファーに適用されていた複数の制限が撤廃されることになり、JGA(日本ゴルフ協会)もこの決定に準じることを発表。改訂されたアマチュア規定は22年1月から発効されている。
これにより、大学ゴルフ部も企業とのスポンサー契約を結んで契約金を受け取ったり、CMなどに出演して出演料を受け取ったりすることが可能になった。
早稲田大学ゴルフ部は今夏、独自のウェブサイトで「2023シーズン チームスポンサーを募集」と銘打ってスポンサー契約を募っていた。
今年7月に日本アマチュア選手権を制した中野など主要な選手の存在をアピールしつつ、シャツの右胸に企業のロゴマークが入る「ゴールドスポンサー1社」、袖の左右いずれかにロゴが入る「シルバースポンサー2社」、キャップのツバ面もしくは側面にロゴが入る「ブロンズスポンサー3社」、スタンドバッグにロゴが入る「応援サポーター3社」という具合に募集内容を詳細に示した上で、スポンサー契約を呼びかけていた。
その成果は早くも表れ、早稲田大学競技スポーツセンターは9月29日、喜びの発表をウェブサイトにこう記した。
「本学ゴルフ部のユニフォームにロゴを掲示する2023年度のスポンサーとして、『メルセデス・ベンツ日本株式会社』様からご支援いただくことになりましたことをお知らせ致します」
メルセデス・ベンツ日本は、今年6月に早稲田大学のアメフト部とスポンサー契約を結んでおり、それに続いて今回はゴルフ部とも契約。
同社の「早稲田ラブ」が伝わってきた。
広がりつつあるスポンサー契約の現状
22年1月のアマチュア規定改訂以降、大学ゴルフ部が企業とスポンサー契約を最初に締結したのは、大阪学院大学ゴルフ部だった。
メカトロ技術商社の芳賀電機とのスポンサー契約が発表されたのは、規定改訂の翌月の2月だった。契約期間は同年4月からの3年間。契約金は「遠征費などに使わせていただく」と、同大学ゴルフ部のウェブサイトに記されていた。
同年7月には中京大学が株式会社MTGと契約。今年2月には近畿大学ゴルフ部がIT大手のSky株式会社との契約を発表。今年5月には日本大学ゴルフ部が株式会社山田エスクロー信託との契約を発表。
そして9月に早稲田大学ゴルフ部がメルセデス・ベンツ日本との契約を発表した。
「スポンサー募集中」を掲げている大学ゴルフ部も多々見受けられる。
その1つ、大阪大学ゴルフ部はウェブサイトで「ゴルフという競技の性格上、道具代、遠征費、プレー費など、金銭的な負担は小さくありません」として、支援を広く呼びかけている。
ところで、企業とスポンサー契約を結ぶ動きは、大学ゴルフ部以外にも広がっている。総合教育・生涯学習機関の株式会社ECCが運営するECC学園高等学校スーパーアスリートコースゴルフ部は、アマチュア規定改訂からわずか半年ほどの22年7月という早い時期に、企業4社(UUUM GOLF株式会社、株式会社ジャパンクリエイトグループ、日清食品株式会社、日本シャフト株式会社)とスポンサー契約を締結したことが、ECCグループのウェブサイトに記されている。
ゴルフは「お金がかかるスポーツ」とみなされ、それが「ゴルファーの裾野を広げる最大の障壁だ」と長らく言われてきたが、そんな中、アマチュア規定改訂によって、アマチュアへの経済支援がこれほどスピーディーに、これほど幅広く進んでいることは、ゴルフ界にとって何よりの朗報である。
早稲田大学ゴルフ部の斉野恵康監督は、メルセデス・ベンツ日本とのスポンサー契約に際し、同大学ゴルフ部のウェブサイトにこう記している。
「(部員たちには)今後は早稲田大学だけでなく、『スリーポインテッド・スター』をユニフォームにつけることでメルセデス・ベンツ様の歴史と伝統も背負う気概を持って日々の行動を律し、更に精進していってもらいたいと思います」
お金だけではない。スポンサー契約が大学生ゴルファーをいろんな意味で「育てる」ことにつながりそうである。
文・舩越園子
ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学客員教授。東京都出身。百貨店、広告代理店に勤務後、1989年にフリーライターとして独立。1993年に渡米。在米ゴルフジャーナリストとして25年間、現地で取材を続け、日本の数多くのメディアから記事やコラムを発信し続けてきた。2019年から拠点を日本へ移し、執筆活動のほか、講演やTV・ラジオにも活躍の場を広げている。
- 1
- 2
最新の記事
pick up
-
「国産カーボンフェース」がついに発売! ヤマハの新作「インプレス・ドライブスター」ドライバー、FW、UT、アイアンを試打検証<PR>
-
「高反発エリア拡大でさらなる“飛び”を実現」 ミズノの新アイアン「JPX925」<PR>
-
アマチュアが打っても激スピン! フォーティーン「FRZ」を使ってギア好きゴルファー3人がスピン勝負してみた<PR>
-
キヤノンがゴルフを変える! プロゴルファー森田理香子が実践する“撮影機能付きレーザー距離計”「PowerShot GOLF」を徹底解剖<PR>
-
【連載コラム】フィッティングとレッスンの融合で上達! フォーティーンの新サービスを人気ゴルフYouTuberが体験<PR>
ranking