来季の米ツアーシード権をほぼ確実にした西村優菜
9月29日~10月1日の期間、米女子ツアー「ウォルマートNWアーカンソー選手権」が開催されました。通算19アンダーで優勝したのは最終日を首位でスタートしたユ・ヘラン選手です。
昨年末の最終予選会(Qシリーズ)をトップ通過したツアールーキーですが、韓国ツアーでは19年に新人王を獲得し、20年は同ツアーで5勝を挙げるなど活躍。米女子ツアーではここまで優勝はありませんでしたが、何度もトップ10フィニッシュを飾るなど、安定した成績を残していました。今回の初優勝により、ヘラン選手は米女子ツアーでも新人王の座をグッと引き寄せました。

さて、そんな本大会で注目したのはヘラン選手と同じく、ツアールーキーとして米女子ツアーに参戦している西村優菜選手です。米女子ツアーでは、「CMEグローブポイントランキング」を基準としてシード権が決まりますが、来季のフル参戦権が付与されるのはランク80位まで。西村選手は当確ラインぎりぎりのポジションにいましたが、本大会で自己ベストとなる3位タイ(通算15アンダ―)フィニッシュを果たし、ランク61位に浮上。来季のシード権をほぼ確実にしています。
そんな西村選手の本大会のプレーで印象的だったのが、最終日18番パー5でのロングアプローチです。
ウェッジで低い位置に振り抜くコツは「小さく前へならえ」
打ち上げでグリーン面が見えず、距離感をつかみづらいシチュエーションからの3打目。この状況は体が起き上がりやすいのですが、西村選手は体を浮かせることなく、極端に低い位置にフォローを出していくウェッジショットを披露。ピンそばに寄せて、バーディーでフィニッシュしました。
低い位置に振り抜くと、ラインを出しやすくなるほか、低い球を打つことができます。このショットを覚えておくと、方向性を重視したいシチュエーションで武器になります。打ち方のコツは、両ワキを締めて胸板をしっかり回すこと。
スイング中は、ずっと「小さく前へならえ」をしながら振る感覚を持つと、フォローを低く出しやすくなります。どうしても手先を使って振ってしまうという人は、両ワキにタオルを挟んで練習するといいでしょう。イメージをつかみやすくなりますよ。
西村 優菜(にしむら・ゆな)
2000年生まれ、大阪府出身。19年のプロテストに合格し、翌年の「樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント」でプロ初勝利。21年は「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」でメジャー優勝を飾るなど、年間3勝をマーク。20-21シーズンは賞金ランキング5位と躍進。22年は2勝を挙げて、通算勝利数を6とした。23年は米女子ツアーを主戦場に戦っている。スターツ所属。