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- 残り距離が短いほうが寄らない!? 「120ヤード」より「80ヤード」が難しい状況とは?
多くのツアープロのコーチとして活躍している石井忍氏が、“ここはスゴイ”と思った選手やプレーを独自の視点で分析します。独自の視点で分析する。今回注目したのは、マイナビネクストヒロインゴルフツアー第12戦「マイナビカップ」で優勝した坂口瑞菜子(さかぐち・みなこ)です。
パー5の2打目を残り122ヤードの地点に置いたワケ
10月20日にマイナビネクストヒロインゴルフツアー「マイナビカップ」が開催されました。このツアーにはLPGAプロテスト合格前の若手女子ゴルファーが出場。今季は全15試合の開催が予定されています。
第12戦「マイナビカップ」は、3アンダーで並んだ坂口瑞菜子選手と和久井麻由選手とのプレーオフになり、1ホール目でバーディーを奪った坂口選手が今季3勝目を挙げました。
開催コースは女子ツアーを開催したこともある戦略性の高い森永高滝CC。また、この日は強風も選手たちを苦しめました。そんな中、印象的なコースマネジメントをしていたのが優勝した坂口選手です。
プレーオフが行われた右ドッグレッグの18番パー5(503ヤード)。この時はアゲンストが吹いており、ピンは受けグリーンの奥に切られている状況です。距離的には、ティーショットとセカンドショットで残り70~80ヤードまで持っていけるのですが、坂口選手は2打目を残り122ヤードの地点に置きました。
残り70~80ヤードなら、ウェッジのフルショットに近い振り幅でピンを狙うと考える人が多いはず。しかし、スイングスピードを上げたショットはスピン量が増える上、アゲンストで落下角が鈍角になります。つまり、バックスピンとグリーンの傾斜の影響でボールが戻り過ぎ、グリーン手前まで転がってしまうケースがあるのです。
では、番手を上げてコントロールショットをしたらどうなのか。フルショット時よりもスピン量は減り、弾道も低くなるため、ボールが戻り過ぎるリスクは減らすことができます。ただ、ピンポジションが奥ということは、グリーンをオーバーすれば、奥からの難しい下りのアプローチを残すことになります。
70~80ヤードは通常なら比較的イージーな距離ですが、ピン位置や風向き次第では、非常に難しいシチュエーションになってしまうわけです。そう考えると、122ヤード地点から大きめの番手を持ち、ゆったりとしたスイングで3打目を打った坂口選手のマネジメントはベターといえるでしょう。実際、坂口選手はこの3打目をピタリとピンそばにつけてバーディーを奪い、優勝を決めました。
左手だけでグリップしてアドレスに入るメリットとは
坂口選手のプレーで印象的だったことがもう一つ。ショットを打つ前に、まず左手だけでグリップする仕草です。本人にその理由を聞いてみると、「左手でグリップしたほうが肩のラインが揃うから」とのことでした。また、「左手、左腕の意識を大切にしてスイングするため」という意味合いもあるそうです。
「まず右手でグリップする」や「両手でグリップしたままアドレスに入る」という方法にもそれぞれメリット、デメリットがあります。一概に「まず左手でグリップする」という方法だけをオススメするわけではありませんが、狙い通りの方向に構えられないという人は、坂口選手のアドレスの入り方を参考にしてみるといいかもしれません。
坂口 瑞菜子(さかぐち・みなこ)
1999年生まれ、福岡県出身。2011年に「全日本女子アマチュアゴルファーズ選手権」15位タイなどの戦績。現在は、マイナビネクストヒロインツアーに参戦し、今シーズンは第2戦「PGMシリーズwith Golf CUP」、第4戦「Sanrio Smile Golf Tournament」、第12戦「マイナビカップ」と3勝。12戦終了時点で獲得賞金2位、マイナビポイントランキング4位につけている。
【解説】石井 忍(いしい・しのぶ)
1974年生まれ、千葉県出身。日本大学ゴルフ部を経て1998年プロ転向。その後、コーチとして手腕を発揮し、多くの男女ツアープロを指導。「エースゴルフクラブ」を主宰し、アマチュアにもレッスンを行う。
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