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- 稲見萌寧「来季は米女子ツアーに挑戦する」と明言…決断に至った経緯と決め手とは?
米女子ツアーの試合でもある「TOTOジャパンクラシック」で優勝を飾った稲見萌寧が、その権利を生かし、来季の同ツアーに挑戦することを明言した。
トレーナーと通訳兼キャディーが帯同することに
◆国内女子プロゴルフ<伊藤園レディス 11月10~12日 グレートアイランド倶楽部(千葉県) 6741ヤード・パー72>
前週開催されたUSLPGAツアーの大会でもある「TOTOジャパンクラシック」で優勝し、来季の同ツアー出場権を獲得した稲見萌寧。最終日を終えた時点では「自分一人では考えられないので、チームの皆と相談して決めます」と明言を避けていたが、その答えは意外なほど早く出た。
「私的には日本ツアーでずっと戦うと言ってきましたが、私自身が勝ち取った権利ですし、引退して将来のことを考えても、米ツアーで戦ったというのは私の人生の中で大きな一つだと思います。チームの皆も快く了承してくれて、サポートしてくれるという話になったので、挑戦してみようかなと思います」
聞けば、今週の月曜日にはすでに心を決めていたとのこと。稲見が言うように、これまでは日本ツアーを重視し国内女子ツアーで永久シードを獲得することが大きな目標だと語っていただけに、米女子ツアーには挑戦しない確率のほうが高いと思われていた。その稲見が、なぜ挑戦を表明したのか。
一つには、本来ならQスクールを勝ち抜かなければいけないなど、ハードルが高い出場資格が今回の優勝で無条件に手に入ること。「TOTOジャパンクラシック」でラウンドした際、「ものすごく楽しかったです」と充実感に満ちあふれた表情を見せていたように、海外選手とのラウンドには以前から興味があっただけに、出場資格をみすみす失いたくないと思っても不思議ではないだろう。
そして決め手となったのが、体のケアと言葉の問題を解消できたことだ。米女子ツアーでは、国内移動で飛行機を利用することが多く、長時間座っていることが当たり前となる。当然、腰痛持ちの稲見にとっては不安要素であり、大きなネックとなっていた。
ところが、今回トレーナーが帯同することになり、万が一、腰痛を発症してもケアしてもらえる。さらに、言葉に関してはキャディーを務める予定の小暮広海氏が英語を話せることもあり、通訳も兼務してくれる。海外に挑戦する日本人選手にとって共通する2つの問題をクリアできたことは、今回の決断に大きな影響を与えたのは間違いない。
気になる国内女子ツアーの永久シードだが、現在ツアー通算13勝で、残り17勝となっている。まだ24歳という年齢を考えれば、たとえ数年間米女子ツアーに挑戦しようとも、そこで新たな技術を身につけ、ゴルファーとしてのレベルを上げることができれば、十分チャンスはあるだろう。
まだ、挑戦することを決めただけの段階なので、具体的な目標はないという稲見。期待と不安が入り交じった状態だが、「米女子ツアーには初挑戦なので、どんな感じかは分かりませんが、一つの新しい人生として自分のためになるというか、全力で頑張るしかないです」と意欲を示した。
今季は苦しみながらも試行錯誤の末につかんだ優勝と米女子ツアーへの挑戦権。そのチャンスを生かし、夢の扉を開けようとする稲見の心意気をぜひとも応援したいものだ。
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